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#50人を動かすにはどうしたら良いか?


 こんにちは、人馬交流分析士のりょーじ(@Horse Value)です。人馬交流分析って何?りょーじって誰?それをやって何になるの?という疑問への答えは#1をお読みください!

 さて、#40ではH.O.R.S.E.理論と交流分析の関係のお話をしてきました。大まかにお話しすると、僕が馬との交流で得た気づきである「人間は本来H.O.R.S.E.だよね」という理論と交流分析の人間観がすごく似ているよ、というお話をしました。

 ※H.O.R.S.E.理論について詳しく知りたい方は、#7や#28、#29を読んでください!
 ※交流分析って何?という人は#30~#39を読んでください!

 とはいえ具体例を交えていかないと中々分からないと思いますので今回から、僕が学びを得た馬と人との交流を、交流分析を用いてより分かりやすく説明していきます。

  今日のラインナップはこちら!
・誰とも関わりたくない(#18)という悩み
・馬への効果的な働きかけを交流分析で考える
・人が動きたくなるメカニズムとは

今回は、#18でお話しした僕と馬との心理的交流を取り上げていきたいと思います。これによって「体験→気づき」のプロセスがより鮮明になり、その時に僕が感じたことをより皆さんに分かりやすい形で説明できると思います!

 早速行きましょう!

誰とも関わりたくないという悩み

 #18でお話してきたような「誰とも関わりたくない、一人で生きていく」という悩みは誰もが持つものではありませんが、一方でその感覚は誰にとっても理解できるものだと思います。

 というのも、人間関係というのは人間に大きな傷を与えることがあるからです。例えば、失恋、怒られたとき、裏切られたと感じるとき。深い人間関係を持って誰かを信頼するということはそんな痛みを受けるリスクを持つことでもあります。

 失恋した後に、もうこんなに辛いなら恋なんてしない、という気持ちは誰もが分かってくれると思います。

 そんな風に意識的ではないにしても、無意識的に人との心理的交流を避けている人は多いです。あなたは常に自分の感情を他者に伝えられていますか?と聞かれて自信を持って「はい!」と言える人は少ないと思います。そしてその中で実際にそうである人はさらに少ないと思います。

 どこかで傷つかないために誰かに自分の感情を伝えることをやめている、そして誰かからの感情を受け取ることを避けている、ということは誰しもあると思います。

 そしてその防御反応が強まりすぎて「私は一人で生きていける」つまり「精神的に独りになる!」という宣言が起こってしまうのです。

馬への効果的な働きかけを交流分析で

 とはいえ、感情を込められなければ他人はなかなか動いてくれません。もし、自分が望みを叶えたいとしたら、周りの人に感情を伝えることなしにそれが叶うことはありません。感情の共有がなければ周りの人を動かすことはできないからです。

 #18では、馬を褒める合図である「首を撫でる」という動作を感謝することなく機械的にやり続けるとどうなるか、というお話をしました。馬は褒められているのか分からなくなって混乱を起こし人間の指示を聞かなくなってしまいます。

 交流分析で言うと、心から感謝して褒めるというのはNP(養育的親)の状態です。ただ、形だけ褒める、つまり他の自我状態でいるが形だけNPを装っても意味がないということなんです。

 #43の裏面交流についての回でもお話ししたように、相手の感情と行動が一致していないことは接している人にとって不安感を引き起こします。

言行が一致しているかは人の信頼に関わります
それが無意識的に起きてしまっているケースもあります

 もう一つ少し似たケースについてお話しします。これも馬と人との関わりなのですが、馬に乗り始めた初心者の人に僕がよくお話しすることについてです。

 馬に乗ることに慣れていない人は自分に自信を持てずになかなか強く馬に訴えかけることができません。そしてなかなか馬が思い通りになってくれなくて余計自信がなくなる、ということが起こります。そして「どうしたら良い?何が間違っていますか」と僕に聞いてきます。

分析的になりすぎても解決策が見えないこともあります

 もちろん技術として正しい方法はあります。でも実はそれが全てではありません。というよりそれは時間をかけて学んでいくことで正直すぐには良くなりません。

 でも馬を思い通りに動かすより効果的な方法があります。それは「より強い気持ちを込めること」です。

 実は、子どもはそれが上手にできます。技術的にはヘタクソなのですが一生懸命馬が自分の思い通りになるまで働きかけるので、どういうわけか馬は理解して言うことを聞き始めるのです。

 これは実は交流分析で説明できます。

人が動きたくなるメカニズムとは

 馬にとっては、理論的にそれが良いよね、ということはどうでも良いことでそもそも伝わりません。つまり、交流分析の自我状態で言うとA(大人)で働きかけても馬には伝わらないのです。

「馬鹿」という言葉がありますが、確かに馬は理論は理解できません
それが賢くないということは意味しませんが。

 例えば、動いた方がメリットがある、ということを丁寧に説明しても馬は理解することができない、ということです。

 そして実はこれ、人間でも同じなんです。良いことだ、と分かっていてもできないこと、悪いことだと分かっていてもやってしまうことってありますよね。

 人間という動物もA(大人) の人から理論的に言われたことではなかなか行動に起こすことはできません。それは自己内対話での自分自身からの働きかけでも同じです。

 つまり、自分の望みを叶えるために誰かに何かをしてもらったり、何か望み通りのものを与えてもらったりするには「感情」を揺り動かすしかないのです。

 感情を無視して何かを得ることはできません。「感情なんて無駄で正しいことをすることが重要なんだよ」と言う人がいます。例えば、乗馬を始めたばかりの人にロジックを伝えることばかり重視して、感情論を無視して嘲笑う人がいるんです。

 でも僕は、馬という動物と協働するアクティビティだから「まずは気持ちが大切」と言います。何をするか、ももちろん重要です。でもそれはあくまで「どう在るか、どう望むか」ということの上にしか成り立ちません。

 感情に蓋をするのではなく、感情を見つめその感情を表現することで得るものを実感しましょう。馬との交流は私達にそれを教えてくれます。

今日のまとめ】理論では人も馬も動かないです。感情の上に正しい表現方法が成り立つということを忘れないでください。

 明日も一日頑張りましょう!


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