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生存記録その7~開き直った男~

1993年10月5日。
ゾンビ病に感染してから2日が経った。意外と死なないもんだ。ただ、体力は少しずつ落ちてきているのがわかる。気分の悪さは悪化し、吐き気を覚えるようになった。
そして暑い。どんなに薄着していても暑い。

僕はそれまで着用していた防弾チョッキやらヘルメットやら、身を守る装備を全て脱ぎ捨てセーフハウスに置き、パンツ一丁で槍だけ持って外に飛び出した。どうせ感染してるし、もうゾンビの爪や歯から身を守る必要はないのだ。

パンイチで槍を構える、はたから見たら蛮族か変態の出で立ちで、近所のゾンビを駆逐していく。今までゾンビ1体2体にビクビク怯えながら戦っていたのが嘘のように、視界に入ったゾンビを片っ端から槍でなぎ倒していく。死を恐れなくなり開き直った自分って結構強かったんだ…。

割りと安全そうな高級住宅街の家を見つけ、ここが次の世代のセーフハウスになるといいなと思いつつ、その前にたむろする10体以上の大量のゾンビを発見。
これはさすがに槍でさばけそうにないので、僕はセーフハウスに戻ると車に乗り込み、猛スピードでゾンビの大群の中に突っ込んだ。クラクションを鳴らすと、音に反応した近隣のゾンビもわらわらと集まってくるので、それを前進とバックを繰り返しながら轢いて始末していく。

さすがスポーツカー。エンジン音はすごいけど、加速するまでがメチャ早い。走る凶器と化した車は、戦車のごとくゾンビの大群をなぎ倒していく。良い車を持ってきてくれたしおやきさんに感謝しないと。

周囲が静かになった。
どうやら路上のゾンビはあらかた始末したようだ。道路に転がるおびただしい数のゾンビの死体。スーパーしおやき号の大活躍だった。ボンネットはベコベコになり、タイヤは1つダメになったけど。

僕は車を降りると、次の世代の安全を少しでも確保するため、高級住宅街のうち一軒のドアを開け、槍を構えて突入するのだった。

※この物語はフィクションです。
筆者のゲームプレイをドキュメンタリー風に綴った日記になります。
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