冬を、取り戻す必要があるのか。
2023年2月11日、日本経済新聞のコラム「春秋」の内容に考えさせられた。
JR東日本の駅で「冬を取り戻すんだ。」という広告を見かけること、これまで旬の女優を起用してドラマ仕立てのCMを放映してきたことを記した上で、このように続けている。
僕はJR東日本の、冬のキャンペーンが好きで、毎年楽しみにしている。
今年度起用された南沙良さんの女優としての活躍も、2年前くらいから注目してきた。だから起用決定の報道がなされた時点で楽しみにしていたのだけど……。結果的に、ほんのちょっと違和感を抱いてしまい。それを、コラムが言い当ててくれたような感覚があった。
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話は脱線する。
今日、前から楽しみにしていた「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」の鑑賞ため、東京都現代美術館を訪ねた。
チケット代、大人料金は2,000円だ(大学生は1,300円)。企画展にしては高めの価格設定だが、素晴らしい内容だった。
ディオールをテーマにした企画展ということもあり、若い女性が多かったように感じた。大学生や専門学校に通っていると思われる方もたくさんいたが、みな、目を輝かせながらディオールの軌跡に没入していた。
その様子を見て、「ああ、彼らは、この場をとても楽しんでいるんだなあ」と(なぜか)深く感動してしまった。
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都心を離れて、スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツを楽しむ若者だっているに違いない。
でも、それを若者の青春として扱っている広告のクリエイティブは、果たして時代の潮流に合っているものだろうか。
「冬を取り戻すんだ。」のボディコピーには、こんな言葉が並んでいる。
クリエイティブをすべて批判したいわけではない。こういった感覚を持っている若者は間違いなくいるはずで。
でも、ディオール展で目を輝かせていた若い世代は、確かにめちゃくちゃ楽しんでいたのだ。マスクも着用していたけれど、一緒に来ていた友人と、恋人と、その場を思いっきり満喫していた。
価値観の多様化、趣味嗜好も十人十色。
そんな中で、若者すべてに「刺さる」広告なんて不可能だ。
不可能なんだけど、若者すべてに「刺さる」広告やメッセージづくりを目指すことはできるはずで。
僕自身、言葉で悩むことがたくさんあるけれど、「それっぽい」ところに目線を置くのは避けたいと思う。
そして常に自問自答しよう。
それで良いのか。それで思いは届くのか、と。
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