まとまった文章の執筆依頼をするときに意識すること
あくまで現時点での思考メモです。
わりと多くの職種で「文章を書く」という仕事は避けて通れないものだと思います。
僕は前職でバックオフィスを担当していたのですが、採用広報の観点で、文章を書いてもらうことがありました。Wantedlyなど採用ブログに「記事」として掲出するためです。
しかしながら「採用ブログ書いてよ」と言っても、依頼する側が求める内容のものが出来上がることはありません。やはり採用に関しては採用に携わっている人間が情報を持っている(持っているべき)ので、情報を持っていない人に自由に書いてもらっても、期待したものはアウトプットされません。
もちろん定期的にnoteや個人ブログなどで文章を書いている方のテキストは素晴らしいし、読み応えもあります。だけどそれはレアケースと認識すべきです。殆どの人にとって文章を書くのは苦行であり、何かしら依頼する側がフォローしておかないと時間だけが無為に流れてしまうと留意しておくべきだと感じます。
では、どうするか。
あくまで自分の整理として、つらつらと考えていることを並べたいと思います。(これまでの反省も踏まえて)
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1. 文章を書かせない
依頼する側に時間的余裕があれば、相手に「文章を書かせない」ことを真剣に考えるべきだと思います。
口頭で聞き取りするだけなら、20〜30分あれば、8割は必要な情報を得られるはずです。
「文章を書く=苦行」だと書きましたが、文章はただただ頭の中で考えていることを書けば良いというわけではありません。構成を考え、書くべき内容を見極め、適切な表現を選び、全体を精査する。書き手でなく、読み手の立場で文章を作る必要もあり、それなりに高い専門性が必要です。
なるべく相手の時間を奪わないという意味でも、「インタビューして、内容の確認をする」くらいに絞るのが良いかもしれません。
※「書かせない」というのは、あくまで本人の手間を省くという意味です。どんな読み物にせよ、多様な視点の入った文章があった方が読み応えがありますし、そのスタンスの健全性も担保されると思います。「何が何でも一人で書け」という意味ではありませんので、悪しからず。
2. 「何のため」の文章かを伝える
目的ということですね。
ただ、複数の目的が存在することもありますし、目的をカッチリと決めすぎると思考停止してしまうこともあると思います。「こういう人に読んでほしいんだよね」「読んでもらった後にこんな風になってほしいんだよね」というフンワリとしたニュアンスでもOKだと思います。
ちなみに、依頼する側は「本当に文章を書いてもらう必要があるのか?」ということが説明できなくてはなりません。
スクリーンショット貼って「どうですか?」と確認できることもあります。PodcastやYouTubeなども低コストかつ効果的に運用できる時代です。常に「本当に文章が必要なのか?」ということを意識しておきたいものです。
3. 構成を指定しておく
採用ブログの入社エントリであれば、
・リード文
・その人の紹介(3行程度で)
・これまで何をしてきたか(過去)
・なぜ入社したか、今何をしているか(現在)
・これから何をしたいか(未来)
・まとめ + 採用メッセージ
といったフォーマットがセオリーです(「Why - What - How」というフォーマットに沿うこともできます)。守破離という言葉があるように、まずは既存の「型」を意識して文章を作っておくことが大事です。
Googleドキュメントなどのエディターに、予めテンプレートのような形で記載をして書いてもらうというのも良いかもしれません。
4. トンマナを指定する
ストーリー・マーケティングが主流になり、多くの個人・法人がSNSを使って文章を書いています。文章に絶対の正解はありません。また人によって「この文章が良かった!」というのも異なるものです。
なので文章執筆を依頼するのであれば、最低限のトンマナは指定すべきでしょう。
・読み手にフレンドリーな文章なのか
・ちょっと敷居の高さを感じさせる文章なのか
・真面目さを伝えたいのか
・エモーショナルな感じを伝えたいのか
・(倫理観を損なわない程度に)バズを意識させたいのか
・逆にバズを一切意識しないブランディング重視の文章なのか
ここの伝え方はスーパー難しいし、指定したとて、イメージした通りの文章が期待できるものでもありません。
むしろ責任者である「あなた(僕)」が、どんな文章をアウトプットしたいのかという整理のためというのが大きいかもしれません。
5. 責任者は「あなた」
いずれにせよ、最後に文章に責任を持つのは「あなた(僕)」です。
誤字脱字だったり、コンプライアンスに違反していないかだったりのチェックは十分過ぎるほど行なうべきです。「社長にせっかく書いてもらったけど、ここの部分が炎上しそうなんだよな……」という違和感を少しでも持ったら迷わず修正に走るべきです。そこに怯えを持つことは許されません。
そういったことも含めて、責任者は小さな違和感を見つけ、それを補正することが仕事だとも言えます。
違和感を放置しておくと、本当に伝えたいことが伝わらないし、真逆に伝わってしまう場合もあります。「伝える」でなく「伝わる」ことが大事なわけです。「自分の母親が読んでも理解できるか」をチェックポイントの1つに設けても良いでしょう。
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僕自身できていないことも多いのですが、思考の整理のために書かせてもらいました。
「こんな風に意識しています!」というのがあれば、ぜひコメントなどで教えてください^^
記事をお読みいただき、ありがとうございます。 サポートいただくのも嬉しいですが、noteを感想付きでシェアいただけるのも感激してしまいます。