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ヒーローになれなかった、プロ野球選手・滝野要の言葉

中日ドラゴンズの滝野要選手が、2022年10月4日(火)に戦力外通告を受けた。2018年秋のドラフト会議で6位指名を受け、大阪商業大学からプロ入り。合計4年間の在籍だった。

そんな彼が、戦力外通告当日に動画を撮り、同日、その様子をYouTubeにアップして話題を集めている。

もちろん戦力外通告の瞬間は収められていない。「事務所に来てください」と電話を受けてから、戦力外通告を受け球団事務所そばのカフェでモンブラントーストを食べるところまで。

「『名古屋球場』じゃなくて『ナゴヤ球場』だろ!」とか、わりと粗めの編集になっている。だが、その6分28秒の動画は不思議と心を打たれる内容になっているように思う。

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僕は四半世紀以上の中日ドラゴンズファンだが、ここ数年はあまりドラゴンズの試合を観れていない。

なので、滝野選手が試合に出ている映像もほとんど観ていない。今夏に球団公式YouTubeにアップされている「カニダンス」で少しだけ界隈を賑わせていたのは知っていたけれど、特に思い入れのある選手ではなかったというのが正直なところ。

前述の通り、粗い編集のままで公開された動画。僕が心打たれたのは、ヒーローになれなかった野球選手が語る、率直な言葉だった。戦力外通告を受ける直前、車中で滝野選手は以下のように述べている。

やっぱり、毎日通うの嫌だったですけど、やっぱり結果が全てじゃないですか?こう、僕なんかスタメンとか一軍でそんな(出場することは)ないんで。

試合の中で、いつ出るか分からない状況の中で、こう色んなパターン、代走であったり、守備であったり、代打もそうですけど、こう、こうなったら、こういう状況になったら、ああ、僕が行くんじゃないかとか、試合に出なくてもやっぱり、やっぱり、そうこうやっぱ使うんですよね。気力というか。だから試合出なくても、ベンチいるだけで疲れるっていう。

やっぱ、今までずっとアマチュアで野球やっていたときは、ずっと試合出てるから、そんなことなかったですけど。出て当たり前だったんで。でも、自分がこうやって簡単に出れないって中の野球っていうのは、初めてだったんで。色んな感情とかもありましたけど、それでも結構、ね、やっぱ役に、これから役に立つんじゃないかって思うんですよね。自分が思って、出たいと思っても出られない。結果が全てですけど、結果だけがじゃない部分もあるじゃないですか正直、プロの世界って。(中略)でもやっぱり、ドーム来たら懐かしいっすね。

(YouTube:滝野要「ご報告」より引用、太字は私)

三重県で野球を始め、野球の名門である大垣日大高校、大阪商業大学に進学した滝野選手。非凡な野球センスが買われ、どのチームでもすぐにレギュラーを獲得し、活躍していたのだろう。(そうでないと、ドラフト指名を受けることはできない)

そんな彼が、プロ野球の世界に入り、なかなか一軍で結果を残せなかったこと。それどころか、結果を出すための土俵(打席)にすら立てずに苦しんでいたこと。

彼が告白していた自律神経系の病気は、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスに起因することが多いと言われている。プロ野球選手は華やかに見える一方、身分が保証されている立場ではない。コンスタントに活躍していない選手であれば、「いつ解雇されるのか」で苦しみ悩むことも多いのだろう。

そんな率直な気持ちを、オブラートに包まず(だけど言外に恨みなどは感じられない)、発信してくれて本当に良かった。その言葉は、多くの野球ファンに届いているはずだ。

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滝野要、59試合出場、46打数8安打、本塁打0。

プロ野球の世界ではヒーローになれなかったかもしれないけれど、最後の(YouTubeでは最初の)言葉に心打たれました。

10年後、居酒屋の大将になっていたら、必ずお店に遊びに行きます!頑張ってください。

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#BASEBALLTALK
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ほりそう / 堀 聡太
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