経営ゼミ「熱い情熱と冷静な思考」は、経営者でない人にこそ受講してもらいたい
※このエントリは「理念経営」「経営哲学」「ブランドづくり」「ファンベース」「採用広報」「社会起業」「教育」「ものづくり」「マザーハウス」などのキーワードに関心がある人向けに書いています。
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昨年、マザーハウス代表取締役副社長を務める山崎大祐さんの経営ゼミ(以下「山ゼミ」と言います。山崎さんのゼミだから「山ゼミ」で、ゼミ生もいつの間にかそんな風に通称しています)に参加した。参加直後の感想は以下のエントリを読んでもらいたい。僕も改めて自分が書いた文章を読み直してみたのだが、一言でいうと「エモい」。情熱と冷静を標榜しているゼミに通ったにも関わらず、僕は「情熱」の要素しか語れていなかった。
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免罪符の意味も込めて、改めて山ゼミでの学びを振り返ってみる。
まず断言できるのは、僕のキャリアにとって、「目に見える大きな変化があったわけではない」ということ。
「よっしゃ!」と起業したわけでも、転職したわけでもない。現在の会社で会社内起業したわけでもないし、昇進・昇格したわけでもない。「堀くん、めっちゃ成長したね〜」って褒められたわけでもない。無い無い尽くし。そこそこの参加費を支払って、現時点で得られた分かりやすい果実は、ない。
言うまでもなく、セミナーやイベント、勉強会に参加したからと言って「スーパーマン」になれるわけではない。そんな簡単にスーパーマンになれたとしたら、誰だってイチロー選手になれる。どんなスーパーマンも、裏では泥臭く、地道で、誰にも賞賛されないプロセスを粛々と実行している。
ということで今のところ、学びが熟成されるには、もう少し時間がかかりそうだ。
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山ゼミには、実際の経営者も多数参加している。暴言を承知で言ってしまうが、山ゼミは「成功への近道」ではないと思う。成功の定義にもよるが、もしかすると山ゼミで学ばない方が短期的な利益を得られるかもしれない。
例えば山ゼミでは「想いの解像度」を高めるための講義がある。経営者の想いの解像度を高め、「伝える」でなく「伝わる」コミュニケーションを目指すために。
プロダクトのコンセプト、採用広報におけるブランディング、会社のビジョン策定など、全ては経営者の想いが起点になるという考えからだ。
マザーハウスのビジョンを例に出してみる。
OUR PHILOSOPHY
途上国から世界に通用するブランドをつくる。
私たちマザーハウスは、「モノづくり」を通じて「途上国」の可能性を世界中のお客様にお届けしていきます。
私たちのもの作りは、現地で素材を見つけ出すことから始まります。
そしてその素材が輝き、驚きと個性溢れるものをひとつひとつ真心こめて手作りしています。
作っている時の私たちの目標、それは、お客様の心を動かす商品、
お客様とともに生きていく商品を作ることです。
商品を通じて世界の多様性を伝え、笑顔とぬくもりが
世界に少しでも増えることを目指しています。
(マザーハウス オフィシャルサイトより引用)
もしかしたら実感されづらいかもしれないが、このビジョンは凄い!読めば読むほど、マザーハウスを真っ直ぐ象徴していると思わせる。この言語化には「かなりの時間と労力」をかけられているのだろう。
「かなりの時間と労力」というのは、一般的なビジネスシーンではリソースと呼ばれる。貴重なリソースを、1円の売上にもならないビジョン策定に費やすことをどれだけ経営者は意思決定できるだろうか。短期的な利益が目標ならば、それは遠回り以外の何物でもない。
そんな遠回りに思えることを、山ゼミでは徹底して取り組む。
山ゼミは長い。前半戦(1コマ90分)だけでも30分延長は当たり前、気付けば哲学の話を1時間超もextraで盛り上がったりする。世の中には冗長なんて許せないという方もいて、そんな方が参加したならば、たぶん2回目あたりでフェードアウトしてしまうだろう。
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さて本題に戻る。僕は、経営ゼミ「熱い情熱と冷静な思考」を、経営者でない人にこそ受講してもらいたい。経営者でない人は、経営者の思考(本質思考)をトレースし、当事者意識を持つことが必要だからだ。
僕がお世話になっているbosyuを例に出してみる。bosyuとは、もともとBasecampの坪田さんが開発されたもの。
そのサービスがキャスターに移り、今は石倉さんが代表になっている。
この中に書いてある「bosyuをみんなの居場所にしたい」という言葉や、石倉さんの原体験である「学生時代の僕が毎月あと1万円稼げていたら」という想いは、僕は読んでいて心に響いた。(だからこそ #bosyu芸人 を名乗らせてもらっている)
一方で、理念や想いの実現を、経営者一人で成し遂げることはできない。社員雇用という意味合いだけでなく、経営者を取り巻くステークホルダー全員を巻き込んでいかなくてはならない。
情報過多で、あらゆるマーケットがレッドオーシャン化した現在、その道のりは長く険しい。経営者の想いを代弁し、時には経営者以上に実行力を発揮する。経営者と共に伴走する経営者「でない」人の存在は大きい。(石倉さんもbosyuの代表だが、そもそもは株式会社キャスターのCOO、つまりは経営者の右腕的存在だ)
「資金が尽きたらどうするか」
「社運を賭けたプロダクトが全く市場に受け入れられなかったら」
「外部環境が激変したら」
「社員の離反が起こったら」
ボードメンバーはともかく。経営者「でない」人は、そのまま会社を離反したって何も咎められない。誰かが「日本のサラリーマンとは見事なビジネスモデルだ」と言っていたけれど、求められる仕事というのは世の中に無限にあるわけだから、その人の優先事項に沿ってトランスファーしていけば良い。
だけど「求められる仕事」を、いつだってそこにあるものとして捉えるか、今ここにないけど作り出すべきものとして捉えるか、そこには大きな違いがある。
経営者「でない」僕は、仕事とは後者だと捉えている。そこに気付けただけでも、山ゼミに参加して本当に良かったと思える。
ということで、ぜひ山ゼミへ!(第4期の説明会が2/1 (土)AM、2/7 (金) 夜にあります。参加フォームはこちらから)
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