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良識ある大人なら、「白票なんて意味がないよ」と伝えるべきだ

ちっとも読まれなかったnoteだが、懲りずに貼っておく。

毎回の選挙があると、いくつかの「風物詩」がみられる。

そのうちのひとつが、「白票に意味はあるのか?」というものだ。もちろん「棄権」するよりはマシではある。ただ、その投票行為は与党にも野党にも何の影響を与えない。「白票の割合が大きくなったら、白票を投じた有権者のケアもしなければならない」という声がまことしやかに叫ばれるが、かなり怪しい言説と言わざるを得ない。

例えば2023年4月9日に実施された神奈川県知事選挙。現職の黒岩祐治さんがトリプルスコアで4選を果たした。女性問題やコロナ禍の対応に批判を受けていたにもかかわらず、圧勝である。

実はこのとき、次点につけた候補者の岸さんが共産党から推薦を受けていたこともあり、「この選挙は誰も選びようもない」という声が挙がっていた。消去法的な意味合いもあり、黒岩さんに票を投じた人もいただろう。

そういった事情もあり、白票が6.91%と倍増していた。黒岩さんも「私に対する批判と受け止める」と話しているが、本当に受け止めているのかは疑問だ。(「白票が多いのでは?」という質問に対しては、そうやって“無難に”答えるしかないからだ)

神奈川県知事選挙をモデルケースに考えたとき、私は白票でなく、次点で選ばれた(選ばれることが濃厚だった)岸さんに票を投じるべきだと考える。理由はふたつある。

ひとつめは、黒岩さんにとって一番嫌がる選択だからだ。

「自分が負ける」可能性がある候補者に票が集まることで、「ああ、自分を支持していない層のことも考えなければ、次の選挙で負けるかもしれない」と危機感を募らせることができる。実際、目黒区長選挙では初当選時を除き、ずっと現職の青木さんが圧勝を続けていた。ダブルスコア、時にはトリプルスコアで他を寄せつけなかった。それが2020年で3,000票差まで追い詰められた。ずっと子育て支援が後手に回ってきたといわれていたが、この選挙以来、矢継ぎ早に子育て支援が拡充されていったのだった。

もうひとつは、未来の候補者が立候補しやすくなるからだ。

誰しも完敗が予想される選挙に立候補したくない。それは勇気というより無謀である。黒岩さんが圧勝し続けている限り、特に知名度やキャリアのある政治家は神奈川県知事選挙には立候補しないだろう。目黒区長選挙では、2020年の接戦を受けて、都民ファーストの会や立憲民主党、自民党などをルーツに持つ政治家が相次いで立候補した。結果は5,000票差で青木さんの勝利。青木さんの強さを物語る結果になったものの、青木さんにとっては薄氷の展開の連続である。当然、緊張感を持って区政に臨まなければならないだろう。(もっとも青木さんは、次の選挙には立候補しない意向であるが)

以上の理由で、「誰も選びたくない。でも現在の政治に不満がある」というのであれば、次点で落選しそうな政治家に投票すべきであることが分かるだろう。

こんな選挙区がある。

・自民党現職が有力
・そのため共産党以外の立候補者がいない
・「どうしても共産党は嫌だ」というスタンスが拭えない

こんなとき、選挙を棄権したり白票を投じるのは、あまりにもったいない。政治家に危機感を抱かせるためにも、そして未来の候補者が立候補しやすい環境をつくるためにも、自らの投票ポリシーを曲げてでも次点の候補者に投票すべきではないだろうか。(「投票ポリシー」という言葉を安易に使ったが、もちろん個人の意思や信念は最も尊重すべきものである)

いずれにせよ、私が言いたいのは、「白票って意味ないよ」ということ。そして良識ある大人なら、「白票なんて意味がないよ」と伝えるべきだと思う。投票に迷う候補者に寄り添うつもりで「白票もね……」なんて宥める行為は、彼らを信頼していない証ではないだろうか。

本当に「白票も意味あるよ」なんて思っていたら話は別だが(論拠のない意見だとは思いつつ)、白票に意義を感じないのであれば、それをしっかり伝えるべきだと思う。

第50回衆議院議員総選挙、多くの方が投票所に足を運び、民意がしっかり示されることを心から願っている。

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ほりそう / 堀 聡太
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