最近なにみた?~ホリプロ舞台制作セクション・制作部門担当 S部長編~
ホリプロの舞台制作セクション・公演事業部で働くスタッフの【舞台以外で最近みたもの・面白かったもの】を本人に自由に書いてもらい紹介するコーナーです。
今回は制作部門担当のS部長。アート全般への造詣がふかく、オリジナルのプロデュース作品は『100万回生きたねこ』『わたしは真悟』など多数ありつつ、『ラブ・ネバー・ダイ』や『メリー・ポピンズ』などの超大型作品も担当していました。ノリが良くてお酒が強いです。
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こんにちは。
何時であっても挨拶は「おはようございます」。この業界ルールに長年浸ってきたので、会社帰りにばったり会った隣人に「おはようございます」と言って妙な空気を醸成しました。
つい先ほどの話です。
そして迷った末に「こんにちは」と書き出した今は、夜更けです。
挨拶の使い分けにも四苦八苦していますが、舞台を制作する部署の部長もしています。
<最近見たものについて>
Netflixのドラマは見すぎていて挙げればきりがありませんが、「地獄が呼んでいる」「マイネーム:偽りと復讐」「海街チャチャチャ」「イカゲーム」「賢い医師生活2」「ARCANE:アーケイン」が記憶に新しいです。 Amazonプライムですと「THIS IS US シーズン5 」です。
特筆すべきは「地獄が呼んでいる」ですね。
全くの前情報なしに見はじめましたが、冒頭の???(アメコミ的な化け物が登場しての殺戮シーン)から、人間ドラマへグイグイもっていく手腕が素晴らしかった。見終わってから、映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」の監督が手掛けたと知り、妙に納得しましたよ。「新感染」はゾンビ映画と思わせ、実は極限の状況下での人間のおぞましさや愛を描いていて、「地獄が呼んでいる」もまさに同じテーマ。恐怖心から人を抑制して世界に秩序をもたらそうとする新興宗教の教祖・幹部や、教えを曲解して暴徒化する信者、抗う人々、様々な立場の人間模様が描かれていて秀逸。映画「あゝ、荒野」のヤン・イクチュンや映画「バーニング」のユ・アインをはじめとする俳優陣も皆うまい!とここまで書いてきましたが、暴力シーンが苦手な人には絶対にお勧めしません。ハードバイオレンスとか本当にごめんです、私は人間賛歌したいです、という方は、迷わず「賢い医師生活」「THIS IS US」の方をご覧ください。こちらは説明とかいらないやつです。とにかく見て泣いてください。
かつては、たまの休日に1日中ソファで「ゲーム・オブ・スローンズ」を見て、夕方に後悔の念に襲われていましたが、子育てをするようになって、1日の終わりに1時間ドラマを見る幸せを噛みしめる日々です。子育てと言えば、めっきり映画館に映画を観に行けなくなってしまいました。何をするのも全て子供優先。そんな中、イスラエルの友人が主演している映画が日本で上演されるというので、久しぶりに映画館で観てきました!「アヘドの膝」というカンヌ映画祭で審査員賞を受賞した映画です。
結論から言います。彼が演技しているところをこれまでに見たことがなかったので、途中までは完全に、授業参観日に我が子を見守る母親でした。ところが、ところが、途中から友人の演技はどうでもよくなり、映画世界にどっぷりと連れていかれ、最終的にはほぼ号泣で、魂抜かれたみたいになって映画館を後にしました。あまりにもイスラエル政府をこき下ろした映画なのに、イスラエルでも上映されていることに、なんだか救いを感じました。世界はまだ大丈夫、かもしれない。
そんなこんなで、映像以外にも漫画や小説、最近では乳幼児用の絵本など雑多なものを手広く摂取していますが、それらがプロデュース舞台作品に反映されているかどうかは神のみぞ知る、です。どうか費やした膨大な時間が私の血肉になっていますように。。。