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改訂文庫版『人を動かす』を読む


【はじめに】

『人を動かす』D.カーネギー 著

▶ ビジネスに携わった人なら一度は、読んだであろう本。
『人を動かす』
日本で初版が出版されたのは1936年(昭和11)
1981年(昭和56)改訂版を経て、このたび改訂文庫版が発刊されました。
これまで、じっくりと読む機会が無かったが、今回 時間が出来たので、読んだ。

『人を動かす』D.カーネギー 著
山口博 訳
創元社 改訂文庫版 (2023.09.10.)

『人を動かす』は、人間関係の中で恣意的に人を動かす30のポイントが述べられています。

【人を動かす3原則】

① 批判もしない。苦情も言わない。
② 率直で、誠実な評価を与える。
③ 強い欲求を起こさせる。

【人に好かれる6原則】

① 誠実な関心を寄せる。
② 笑顔で接する
③ 名前は、本人にとって、最も快く、最も大切な響きを持つ言葉である。
④ 聞き手にまわる。
⑤ 相手の関心を見抜いて話題にする。
⑥ 心から称賛を込めて褒める。

【人を説得する12原則】

① 議論を避ける
② 相手の意見に敬意を払う。
③ 指摘された誤りをキッパリと認める。
④ 穏やかに話す。
⑤ イエスと答えられる問を選ぶ。
⑥ 相手にも喋ってもらう。
⑦ 相手に思いつかせる。
⑧ 人の身になる。
⑨ 相手の考えや、希望に対して同情を寄せる。
⑩ 人の美しい心情に呼びかける。
⑪ 演出を考える。
⑫ 対抗意識を刺激する。

【人を変える9原則】

① まず褒める。
② 遠まわしに注意を与える。
③ 自分の過ちを話した後に相手に注意する。
④ 命令せずに、意見を求める。
⑤ 相手の顔を立てる。
⑥ わずかなことでも褒める。
⑦ 期待をかける。
⑧ 刺激して、能力に自信をもたせる。
⑨ 喜んで協力させる。

【感想】

先ず、全体に相手の立場を尊重し、相手からの気持ちを引き出す方法が述べられています。
D.カーネギーはこれを3つの原則に分類し、どんな相手であっても非難することをせず、相手を認めること。相手に心からの賛辞を示し、自己重要感を満たすこと。
自分のことではなく、相手の立場に立ち、望みは何なのかを考え、そこに自分の望みの標準を合わせることが人を動かすための重要な点であるとしています。
最近のディベートとは違いますね。

【カーネギーとアドラー】

カーネギーの「褒めること」に対し、アドラー心理学では「褒めることは人を承認欲求の奴隷にする危険がある」として批判的な見解を持っています。
アドラーはむしろ「勇気付けること」が大切だと説きます。
カーネギーとアドラーの違いは、ビジネスシーンではカーネギーの考え方が有効であり、家庭やプライベートではアドラーの教えが適しているとされます。

【創元社/ブックレビュー】

2024.08.15.
2024.10.16. シェア追記