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松江のタワーマンションを考える


【はじめに】

島根県松江市の殿町に建設中のタワーマンション。
タワーマンション問題は、松江市に限らず今や全国的な問題になりました。
今年(2024)1月には、NHKスペシャル「まちづくりの未来」で放送され、その後 新書になり発刊されました。

『人口減少時代の再開発』 NHK取材班
特別寄稿:野澤千恵(明治大学/教授)
NHK出版新書 (2024.07.10.)

【松江のマンション問題】

今週の(11/16•23)『週刊現代』に、松江の問題が掲載されていますpp.100〜121
【現地ルポ】
松江市 pp.116〜119

『週刊現代』11/16•23 合併号

【『週刊現代』より】

現在、島根県にはタワーマンションはありませんが、今回がタワーマンション建築の切っ掛けにならないか?
このままズルズルと行かないようにしなくては、いけません。

【タワーマンションの棟数資料】
出典:週刊現代 p.103

『週刊現代』の記事に「この地も不動産マネーゲームのフィールド化と化している」と、あります。
p.118

記事中より
街のシンボルでもある松江城の近くに高層マンションを建てるのなら、周辺住民を納得させる努力をしなければならないと思います。それなのに、私達が何度も求めても一度も開かれていません。
情緒ある松江の街並みや、住民の安寧が犠牲になる事は許し難い。
こうした説明会を開く事は、義務ではないので、現行の法規に則しているから問題ない。と云うスタンスなのです。p.118

【現行法の課題】

イギリスには、良好な街の景観を維持するために建築許可の際、デザインの協議・調整を行なう場があるようです。
これを行なっている行政機関がCABEです。

《Commission for Architecture and Built Environment》
英国建築都市環境委員会

建築物や都市空間のデザインの向上を図るため、審査や技術的支援を行う英国の行政機関です。 

日本では建築の際、数値的な判断による確認申請が主で、良質や美しいといった判断基準は含まれていません。

自分達の"まち"と関わる

景観は、そこに住む人達が作り上げるもの。

当たり前だけど、自分たちの住む街の "景観づくり" ってどこでどうやって決められているのだろう?

「現代の "まち" は市民が主役と言われながら、各自にとってその実感は薄い」

しかし、先ずは 関わろうとする気持ちが大切。

たとえ すぐに大きなことに取り組めなくても。

松江の "まちづくり" を考えるヒント

松江の歴史を振り返る
松江の人に聞いてみよう
松江のまちを歩いてみよう
松江の未来を考える
松江の歴史を振り返る
松江の人に聞いてみよう
松江のまちを歩いてみよう
そして、松江の未来を考える

『まつえ・まちづくり読本』
1997年(平成9年)3月発行
編集:松江市都市建設部都市計画課 
㈱野村総合研究所

『人口減少時代の再開発』
NHK出版新書 (2024.07.10.)

【特別寄稿】

野澤千恵(明治大学/教授)

"まちづくり" のあるべき姿

1) 都市圏ごとに、容積率などの規制緩和による「ゴール」を設定。

2) 計画段階からの実効性のある、市民参加のプロセスを導入。

3) 過密化による街への影響の厳密な評価と予防策の実行。

4) 減築や修復に対する、新たな事業手法や支援策の実現。

5) 地域の実情や個性(らしさ)に即した「公共性」を評価する仕組みづくり。
p.212より

【今後の課題】

松江市は、大橋川を挟んで橋北・橋南の二つに分かれています。

地域性も異なり、ある意味これが市民活動として一枚岩になりにくい要因かも知れません。

つまり、橋南地区に暮らしていると、殿町界隈での騒ぎは、遠くの出来事と受け止める人達が多い印象です。
逆の場合も考えられます。
この点も、松江市の抱える課題だと思います。

今後の課題として、いかに「自分ごと化」していくか!?
問われていると思います。

『松江市都市マスタープラン』
2018年(平成30年改定版)2018〜2027
『2030年の松江のあるべき姿』
発行:松江市
編集:松江市政策部政策企画課
2022年(令和4年)3月

2024.11.15.