読書百遍『都市の魅力学』
【初めて読んだ日】
戦前まで日本の地方都市は輝いていた。それが衰退し東京一極集中という事態が生じたのは、シャウプ税制のせいだとの主張です。.
『ソトコト 2023 /1月号』のサステナブルブックガイドに紹介されていました。p.75
出生率の低下や過疎化が進む中、なぜそうなったか!?については言及されない。
【時代などにより論点が違う】
読んでいて面白かったのは、東京と地方との格差の問題。
現代は、経済の視点から分析し、問題提起されているが、2001年(平成13)と云う時代や著者により分析する視点が違っている点が面白い。
主張【経済産業論の立場から】
地方が衰退した要因は、地方が「努力と工夫」を忘れ、都市の金太郎飴的な“まちづくり“を、行なってきたことに起因する。
主張【税制から見た問題提起】
政治も経済も東京一極集中で地方に魅力がなくなってしまった、と嘆く声がしきりです。
しかし、東京の繁栄は東京の努力があったからこそであり、戦前は東京以外の都市もそれぞれの努力によって、独自の魅力を発揮していました。
それが、なぜダメになったのか。
官庁エコノミストの著者は戦後の税制にその原因があると主張します。
地方の努力を阻害し住民の魂の自由を奪った制度の根本的変革こそが、真の「地方の時代」を生み出すのです。
戦前まで日本の地方都市は輝いていた。それが衰退し東京一極集中という事態が生じたのは、シャウプ税制のせいだとの主張です。
【シャウプ税制】
国税の所得税中心主義の徹底化
富裕税・再評価税の新設
相続税を実質的財産税とすること
地方税を独立税として地方財政平衡交付金制度を採用すること
税務行政では青色申告・予定申告・協議団制度の採用など
1950年の税制改革でこの勧告はほぼ実施され,戦後の税制の出発点となる。
【シャウプ勧告と税制改正】
経済産業論と税制と二つの視点から、問題提起を見てきました。
【『都市の魅力学』を読み返す】
【その"まち"らしさを守るため】
2024.11.19.