『観察する男』を読む
映画を一本撮るときに、監督が考えること。
『観察する男』
想田和弘(そうだ かずひろ) 著
ミシマ社 編
(2016.02.02.)
【ブックレビュー】
https://mishimasha.com/books/kansatsu.html
台本・ナレーション・BGM など使わずに、ただただ対象を観察し、撮影して作る想田監督の制作過程を記録したノンフィクション。
舞台は 岡山県瀬戸内市牛窓
奥さん柏木規与子のお母さん(柏木廣子さん)の出身地。
海辺の町 港町
ご主人の想田監督は、栃木県足利市 出身
牛窓:車を前提としない町
往来を行く人達の話し声や足音
台所で包丁を使う音
波の音
これらが増幅して聞こえてくる。
都会は、防音でプライバシーが保たれている。
この正反対の感覚が、映画を撮っておく動機に なった。
誰に密着するのか?
牡蠣工場
東日本大震災で宮城県南三陸町から引っ越して来た渡邊さん。
中国から実習生制度を使って来る男性二人。
撮影する人物を増やす
86歳 漁師 ワイちゃん
84歳の おばあさん クミさん
映画『牡蠣工場』
どうすれば映画になる
何でどう撮るのか?
編集の目的
『思考の整理学』外山滋比古
▶ 一次情報:映像
そのままでは、大きな意味を持たない。
▶ 二次情報:映像の積み重ね
他の思考と関連させ、まとめて二次情報にする。
▶ 三次情報:情報のメタ化
さらに発酵、混合させると、抽象化していく。→質的変化
思考の整理は、平面的で量なマトメではなく、立体的・質的な統合を考えなくてはならない。
pp.74〜78.
メタデータ(metadata)
メタ情報とは、データそのものではなく、そのデータを表す属性や関連する情報を記述したデータのこと。
観察映画の十戒
https://www.kazuhirosoda.com/jukkai
観察映画の覚え書き
https://www.kazuhirosoda.com/oboegaki
編集後記より
「観察」することで、見えていなかったモノが見えてくること。
映画に限らず、私達が地に足をつけて現代を生きていくうえで、大切な何かである気がしてきたのでした。
想田和弘さんのtwitter
https://twitter.com/KazuhiroSoda?s=09
2020.05.30