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『ネット世論の社会学』を読む
【はじめに】
立憲民主党と自由民主党の代表者選挙が始まりました。
新聞紙上では、誰が代表に選ばれるのか?様々な統計的手法を使い、予想(前評判)の記事が目立って来ました。
こうして、世論が形成されるわけですが、全体の悉皆調査ではなく、任意な抽出調査から判断する時には、社会調査についての理解が必要かと思います。
最近出版された「谷原つかさ 著『ネット世論の社会学』NHK出版新書」を読んで、ネット調査の概要について理解しようと思います。
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谷原つかさ 著
NHK出版新書 (2024.08.10.)
【社会調査とは】
社会における様々な現象や問題について、客観的なデータを集め、その分析結果から社会実態への理解を深める活動です。 具体的には、人々の意識や行動、社会の構造、文化、経済状況など、幅広い内容を対象として調査します。
【世論とは何か】
「世論」Public Opinion
① 社会を代表する普遍的な民意
「輿論」論理や理性、知識にもとづいた意見。
② 個人個人の勝手な心情の表明
「世論」
二つの側面があります。
Amazon『輿論と世論』
【政治参加の行動の特徴】
① 政治的な関心が強い
② 政治の知識が豊富
③ 政治的な意見をする仲間がいる
④ リベラルな人が政治的な投稿をする
pp.138〜144
【ソーシャルメディアの特徴】
投稿者が、ヒエラルキー(階層)を持たず、水平な関係なので、意見の不一致が起こると、適切に調整する手段を持たない。p.165
【フェイクニュース時代の歩き方】
① タコつぼ化された世,論 (p.206)
② 社会的に起きていることの「空気」の多層化 (p.209)
③ 揺らぐ情報の信頼性 (p.214)
④ 事実と意見を区別する (p.225)
⑤ 形容詞が多い表現に注意 (p.226)
⑥ 絶えず出典を問う (p.228)
【ポイント】
私たち自身が、ソーシャルメディアの「クセ」を知り、適切な付き合い方をしていくことが求められている。(p.234)
【ブックレビュー】
【沈黙のらせん理論】
人々が孤立を恐れて多数派意見に迎合するために、多数派はますます多数派に、少数派はますます少数派になり、意見の自由市場が歪められるという理論。
【用語解説】
エコーチェンバー/フィルターバブル
【Amazon】
【シェア】
2024.09.15.