永井荷風『日和下駄』
【はじめに】
永井荷風が東京都内や近郊を "まちあるき" しながら書き綴った「東京散策記」です。
今日(こんにち) "まちあるき" が盛んに行なわれていますが、永井荷風が "まちあるき" の元祖と言っても過言ではないでしょう。
"まちあるき" は、歩くと同時に眺めることでもあります。
また、"まちあるき" は、一人でも出来る。誰にも邪魔されず自分自身の視点で楽しむ事が出来ます。
【日和下駄の意味】
読み:ヒヨリゲタ
デジタル大辞泉 (小学館) より
歯の低い差し歯下駄。
主に晴天の日に履く。
【あらすじ】
「一名 東京散策記」の通り「江戸切図」を持った永井荷風が、思いのまま東京の裏町を歩き、横道に入り市中を散策する。
第一 日和下駄
第二 淫祠
第三 樹
第四 地図
第五 寺
第六 水 附渡船
第七 路地
第八 閑地
第九 崖
第十 坂
第十一 夕陽
附富士眺望
全部で11の章立てで、周囲を見る荷風の独特の視座が感じられます。
消えゆく東京の町を記し、江戸の往時を偲ぶ荷風随筆の名作。
【江戸切絵図】
【講談社BOOK倶楽部】
【青空文庫】
2024.09.20.