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松江の"景観"を考える


【はじめに】

現在、松江市では「景観条例」見直しのためのパブリックコメントが募集されています。
応募締め切り:2025年(令和7年)1月10日(金)まで。

【松江市公式サイト】

松江城からの眺望基準の見直し案
(松江市景観計画の一部改正案)に対するパブリックコメントを募集。

現在、松江市の「景観計画」では、松江城を主要な展望地の1つに指定し、松江城天守からの眺望に関する基準として「松江城景観形成基準」が定められています。

今回、松江市の山の稜線景観および宍道湖に浮かぶ嫁ケ島の眺望を保全するため、より客観的でわかりやすい基準となるよう、基準の見直しを行う。
と云うもの。

【山の稜線】

"ふるさと"を思う時「山の稜線」の存在は、大きい。

そこに、墓石のような高層ビルが建ち、山の稜線を遮るような事があったら・・・

【具体的な提案】

今回の提案を見ると、松江城の天守をビューポイントに、そこから見て稜線を遮らない線が示されています。
こうした場合、山にはそれぞれの高さがあり、ビルの高さもマチマチになるのでは?
むしろ、松江の市街地域全体(松江駅前は除く)で、高さ規制をしたほうが良いので?

日本では建築の際、数値的な判断による確認申請が主で、良質や美しいといった判断基準は含まれていません。

イギリスには、良好な街の景観を維持するために建築許可の際、デザインの協議・調整を行なう場があるようです。

これを行なっている行政機関がCABEです。

《Commission for Architecture and Built Environment》
英国建築都市環境委員会

建築物や都市空間のデザインの向上を図るため、審査や技術的支援を行う英国の行政機関です。 

良質な、美しい、といった定性的判断基準を取り入れるには、協議調整が有効です。
英国のような、建築許可のプロセスにおいてデザインレビュー(協議調整)を行う機関の設置が必要ではないでしょうか?

日本は数値的な確認申請であり、その判断基準には「良質な、美しい」といった定性的判断基準を含んでいません。

従って、そのプロセスに協議調整の機会を設けると共に、それに適した専門家が関与することが望まれます。

協議調整の機会としては、確認申請の前段階で、まちづくり条例・地区まちづくり協議会で協議調整を行う方法、景観法における事前調整で協議調整を行う方法などが良いと思います。

"まちづくり"は住民が主体となり、行政との協議によるものとも言われています。

ぜひ、そこに住む住人が早い段階から「自分達の住む"まち"」について、話し合う場を設けて頂きたいと思います。

2024.12.27.