「アル中日記」⑩戸惑いと確信
納車から1日。慣熟訓練初日。エンジンに大きな負担をかけない&取り付けたETCやナビの作動確認も兼ねて高速道路へ。車の構造上、左からの合流は恐怖しかない。助手席に妻を乗せると真横も見えにくい。サイドミラーの視界は良好なのでプラス妻の指示を信じて無理せず進入。
【ミラーカム】
合流さえしてしまえば、ネオトーキョーのミラーカムのおかげで後方視界は俄然良くなるので安心感が増す。普通のバックミラー(4Cの場合ほぼエンジンフードしか映っていないのだが)よりも斜め後ろ迄確認できる点は素晴らしいの一言。ただしこのミラーカム。視界を広く取るために広角レンズを使っているためか、真後ろはかなり小さく見える。追越車線進入時など、まだ後ろに余裕があると思っていると思った以上に相手が近くにいてビックリさせてしまう事にもなりかねない。これには少々慣れが必要のようだ。当たり前だがサイドミラーも併用しつつが基本。
【D.N.A】
アルファロメオD.N.Aシステム。サスペンションやブレーキ、エンジンといった駆動系を、手元のレバーで統合制御するシステムだ。通常はD(ダイナミック)・N(ノーマル)・A(オールウェザー)の3種類なのだが、4CはDモードの更に上、レースモードなるものが存在する。もう1台の愛車MITOは常にDモードを使っているのだが、4Cは走行距離300kmを過ぎないとDモードは選択できない仕組みなので、Nモードを選択。それでもエンジンはトルクフルで加速も鋭く、このままでも十分な気もする。ましてやレースモードなんぞ宝の持ち腐れになる事間違いなしだ。
【Alfa TCT】
4CのミッションはいわゆるデュアルクラッチAT。
パドルシフトでマニュアル操作も可能。まだ慣らし運転中という事もあり、最初はATモードで走行。タコメーターを見ていると3000rpm位でポンポンとシフトが上がっていく。シフト時のショックもなく、加速もMITOに比べ鋭く気持ち良い。
途中ほんのひと時だけMTモードを試した。パドルシフトで1速落として、アクセルを踏み込む。タコが3000rpmを超えた途端、エンジンの音が変わり、うしろからドンと押される様な感覚。試乗車で感じたあの感覚。いわゆるドッカンターボというやつだ。慌てて1速上げてエンジンの回転数を落とし、オートマモードに戻した。コイツの化けの皮を剥がすのはまだまだ先の事になりそう。
これまで所有していた車は全てMTだった。ATはエンブレが効くまでの空走感がイマイチ好きになれなかったからだ。これまで4Cに食指が動かなかった最大の理由もMTではなかった事だった。しかしながら4Cの場合はこれで正解だと思う。エンジンはもちろんハンドル・ブレーキ全てのレスポンスが、これまで経験したことのないレベルの速さ。これにクラッチ操作を含むシフト操作を合わせるのは、少なくとも今の自分には不可能だと思う。
【ハンドリング】
ノンパワーステアリングは動き出してしまえば、特に重さは感じない。駐車場に出入りする時も確かにパワステ付きに比べると格段に重くはなるのだが、総重量が1,100kgなので思った程ではなかった。昔乗っていたMINIと同じくらいな感覚だ。また運転中は道路の状況が手に取るように分かる。高速道路での車線変更は、周りに車がいない所で試してみた。時速80kmくらいで右車線に入ってみたのだが、MITOだとハンドルを切る瞬間に、掌に抵抗を感じ、その後それに反発するかのように車が向きを変える感覚があるのだが、4Cにはそれがない。もしかすると私が感じられないだけかもしれないが、ハンドルを切った瞬間、なんの抵抗もなく、スッと向きを変える印象だ。ただただ気持ちが良い。「無理して買って良かったな。」と思った点のひとつだ。コレはあくまで推測だが、ボディ剛性の違いがそのまま現れているのではないかと思う。あるいは他の方々の試乗記によく出てくる、高速時のフロントの接地感の低さというやつかもしれない。とりあえず通常の高速道路運転では問題なさそうだ。
懸念事項のひとつだった左ハンドルは、思っていたほどの違和感はない。元々センターラインに寄りがちな位置が好きなので、どうしても右寄りのポジションで運転してしまう癖があるのだが、左ハンドルだとそれが中和されて、丁度良い位置に収まっているようだ。
【足周り】
脚は硬い。道路の繋ぎ目ではゴンと突き上げられる。しかしショックはそれほど感じない。「脚が動く」という表現をよく見かけるが、まさにそんな感覚。私の腕の悪さで、同乗する妻は足の硬い車に乗ると、揺さぶられて具合が悪くなるのが常だ。かつて所有していたローバーミニは言わずもがな。スバル・インプレッサでも、ドライブの後は疲れ果ててグッタリしてしまう。それだけ振動や横Gが酷かったのだろう。だがMITOに乗り換えてからは、そういう事も無くなったそうだ。妻曰く「4Cは確かに足の硬さは感じるが、不快な感じは無く、降りた後もMITOと同じで著しい体調の変化は感じない」そうだ。これも「無理して買って良かった点」のひとつ。
ドラポジは普通の車に比べると低い。個人的にはパッセンジャーシートとの距離の感じも含めて、昔乗っていたローバーミニとあまり変わらない感覚。むしろ懐かしささえ覚えた。
フットペダルはむき出しで、床から生えている。更にブレーキペダルに至ってはペダルが足裏の方にお辞儀している。とても踏みにくそうな印象ではあるが、意外や意外違和感は感じない。ただコントロールは少々慣れを必要とする。今のところはオンオフスイッチの様にしか扱えない。自分の未熟さに悲しくなる。
悲しくなると言えば小石がタイヤハウスに当たる音。これが結構響く。車に乗る以上仕方のない事なのだが、結構心臓に悪い。更に・・・
【意外な落とし穴】
土曜の午後のサービスエリアは、なかなかの混み具合で、周りに車の無い広い場所を探したのだが見つからなかった。仕方なく綺麗に乗ってそうな車の横に駐車した。エンジンを切り、外に出ようとした時、この車の欠点に気がついた。横の車にぶつけない様にドアを開けて降りるのが難しい。そこに憧れて無理して買ったはずのカーボンモノコック。そのサイドシルは30cm位ある。扉を少しだけ開けて左足をドアとの隙間に差し入れる…たったこれだけの行為が難しい。運転席の場合、まず左足を差し入れて、地面を踏み込んでからサイドシルに座る。そこから右足をハンドルの隙間から引っこ抜き、ドアと左足の間に差し込むのだが、これがなかなか難しい。ドアを大きく開けられないと尚更だ。両足が地面に付いたらツイストを踊る様に両足を左方向に動かして、ドアの開口部へ移動。身体をクネクネさせながら脱出を試みる。文字数だけも結構な量だ。
何とか脱出に成功して、スタバで一服。再び4Cの所に戻ろうしたが、今度は車高の低さが災いして、どこいるのかまるで分からない。キョロキョロしながら、車の方へ向かう様子はただの不審者にしか見えないだろう。
以上、あまり有益な情報のないファーストインプレッションをお届けしました。次回はもう少し写真を撮りたいと思います。
表題の写真はN氏からの納車記念プレゼント。
4Cの絵。我が愛車のナンバープレートも入っていて、超感動!Nさん本当にありがとうございました!今後ともよろしくお願い致します!
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