見出し画像

「アル中日記」39 初乗り2025

2024年1月5日。
少し長い正月休みも今日で終わる。ということで今年初の首都高ドライブ。

2週間ぶりにエンジンに火を入れたからなのか、真冬日の影響なのか、すこぶる機嫌の悪いGlay Ghostをなだめすかしながら首都高を目指す。それでも首都高入口に着く頃には調子を取り戻し、ご機嫌サウンドを背中から奏で始めた。

Uターンラッシュのピークは昨日。その反動なのか、首都高は割と空いていたので気分よく走ることができた。ライトウェイトスポーツの利点は、それほどスピードを出さなくても十分に楽しめる事だと思う。

途中どこかのPAに立ち寄ることも頭によぎったがまだまだ帰省の車が多い時期と思い直し、そのまま環状線を反時計回りに1周。今年の初乗りは小一時間で終了。

突然だけど、4Cに乗るには気合がいる。「今日は乗るぞ!」という覚悟がいる。ボディカバーを外し、きちんとたたんでしまうところから始まり、バッテリーが上がってないかヒヤヒヤしながらイグニッションキーを回し、パワステのないハンドルを何度も切り返し、ようやく狭い駐車場から脱出。MRゆえの後方視界の悪さから、運転中は常にミラーに目を配り、周りの状況を把握。ダラーラ設計のカーボンモノコックは頑丈でちとやそっとのスピードでハンドル切っても全く動じない。でもそんなことはできない。車線変更時は3秒前からウインカー点灯。死角に車がいないことを確認してからゆっくりとハンドルを切る。
車間距離にも気を使う。4Cのボディはガラス繊維強化樹脂SMC。軽くて強度・剛性・寸法安定性・耐熱性・耐火性・耐薬品性に​​も優れている…とは言われているものの、あくまで樹脂。飛び石なんぞ食らったら、たちまち傷になり、それはおいそれと直せるものではない。コンパウンドはもちろん御法度。

強度が高く、レースマシンにも使われているカーボンモノコックはさらに厄介だ。事故ってフレームが歪むようなことがあったら、修正が難しい。もちろん程度にもよるだろうが、費用もバカ高く、現実的ではないとディーラー担当者から聞いた。そんな車を日常の足として使う事は私にはできない。そんなわけで乗る機会は自ずと減る。

それでも所有して維持し続けるのは、なぜだろう?としばし自問自答。ものすごい勢いで死滅している脳細胞を駆使し、導き出した答えは

「それが良いから」

なんだそれ…でもそうなのだ。
ボディカバーを外す瞬間から溢れ出す高揚感。バッテリーが上がっているかもとドキドキしながらキーを捻る。セルが回り背中から図太いエクゾーストノートが響くとワクワク。異形ハンドルを握るとそれだけでドキドキ。サイドブレーキを外して、ゆっくりアクセルを開けると、足回りがキコキコなるのもご愛嬌。やがてコクピットの中で景色がゆっくり流れ出す。もうたまらない。時速10kmにも達していないのに気分はレーサー…いやトップガンのマーベリックだ!
下道を法定速度で進むだけで楽しい。高速道路の入口が見える。セレクタレバーをDポジションへ。
エクゾーストノイズが更に図太くなり背中をグッと押し始める。あとは悦楽に身を委ねるのみ。

こんな車は初めてだ!

今回も最後までありがとうございました。
不定期ゆるゆる更新ですが、ご勘弁下さい!

いいなと思ったら応援しよう!