見出し画像

誤解年齢

(6章)

〈1〉

昔からどういうわけか

年上の方 及び
仕事で知り合った方には年齢問わず

敬語とタメ口の両方を使って話す。

敬語の中に
タメ口が混ざるので
不愉快に思う方もいる。

面と向かって言われたこともある。

敬語をきちんと使えないアホである

というのを前提にした上で
続きを読んでほしい。

〈2〉

大人になってからできた友人
特に
仕事とは関係ないところでできた友人は
年齢などどうでもいい

という見方もあるものの

それも一理あるが、

だからといって

年上とおぼしき方に
タメ口で話すのは
憚られる。

たとえば習い事で
同じ生徒という立場であっても

年上と思う方に
タメ口のみで話すのは
どうかなと思う。

〈3〉

あるセミナーを受けたとき
始まる前から
隣に座った方に話しかけられ
途中ペアワークもあったりで
帰る頃にはすっかり打ち解けていた。

LINEを交換し
ひと月半後
ランチをした。

私はいくつか年上かなと思い
ひと月半の間
LINEした。

〈4〉

ランチ終盤
年齢の話になった。

すると

「私は◯◯歳だけど
 堀内さんは
 さんじゅういくつ?」

と聞いてきた。

「え」

私は
左肩だけ上げて
背筋を伸ばし

「私のほうが年上です!」

いくぶん偉そうに
年齢を伝えた。

しばし絶句

〈4〉

年を言って驚かれるのはよくあるので
それ自体珍しいことではない。

ただ
その方は私を年下と思い、
私はその方を年上と思って
ひと月半が過ぎていたので
イメージがついてしまっていた。

私の中では
その方は
「頼れる親しみやすいお姉さん」 であり

その方にとって私はどうやら
「エネルギーにあふれたアクティブ女子」
のようである。

年齢高くても なんでもかんでも
「女子」をつけるのには抵抗があるが
ここでは
自分より年下の女性をさすイメージである。

〈5〉

ひと月半前のセミナーのとき
私が講師の先生に褒められ
席に戻って報告すると
「私もそう思う!」
と力強く言ってくれたうえ

先生に褒められたときの私の顔が
その日いちばんいい顔をしていた。

とあとでLINEで教えてくれた

私のよいところや私の表情を
温かく包んでくれて
お姉さんのなかのお姉さん

〈6〉

と、こ、ろ、が!

私のほうが年上である。
 
とはいえ
いまさら
年下に見ようと思うこともできない。

それも失礼極まりない話だが
どう見ようとしたって

その方は
360度「姉御」なのである。

ついたイメージはそうそう変えられない。

私は私で
年下キャラでいい

だれに会っても
ずっと妹でいい

え、ほんとかなあ

時々「ザ年上」を振りかざして
カッコつけてるよね?!


いいなと思ったら応援しよう!