「ヨーイ、ドン」
「堀さん、新作書き上がったんでお時間あったら読んで下さい」
去年の4月に仲村大輔氏からLINEが届いた。
読ませてもらい、電話した。
何を話したかは覚えてないが、お互いほどほどにトポトポと酔いながら、興奮して話した記憶がある。
出会ったのはもう何年前。
美輪明宏さんの「黒蜥蜴」に出演させてもらった時に共演させて頂いた、小川信太郎さんが繋げてくれたご縁である。
飲みながら電話も数回あるが、その時の電話は長かった気がする。
4月に上演される劇団PIS★TOLさんの舞台「ヨーイ、ドン」の絶賛稽古中。
劇団PIS★TOLさんの舞台は過去何回も出演させて頂き、作風も劇団さんの雰囲気と似て、とても温かい。
舞台の稽古は団体さんや作品によって変わるが、約1ヶ月間毎日じゃないにしても、稽古場に通い、本番間近になると朝から晩まで稽古を重ねる団体さんもある。
そんな中、PIS★TOLさんの劇団員、本倉さつきさんはみんなで同じ釜の飯を食べようと、コロナ前は稽古場に炊飯器を持ち込んでくれて、みんなの分のおかずを作ってきてくれ、休憩中はみんなで炊き立てのご飯とおかずを美味しい美味しい言いながら食べていた。
稽古場に早く入り、僕らのフォローをしてくれて、夜帰宅してご飯を作ってくれて持ってきてくれる。20名近い人数のご飯を。
今回はみんなのお弁当を。
多大な感謝と尊敬。
そして、仲村大輔氏の人柄と台本。
家族や身近な人との関係を葛藤がありながらも、前向きに描く。
キャスト同士もそれに近い関係になりつつ、稽古は進む。
そんな座組みは心地よく。
とても温かい団体さん。
そんな団体の主宰の仲村大輔氏から去年の4月に届いた台本は、今までの温かな作風とは少し違っていた。
びっくりしたのが正直な感想だった。
今回の「ヨーイ、ドン」は劇団PIS★TOLさんにとって再始動公演となっている。
演劇にとって、進むも地獄、引くも地獄の時期があった(自分の周りの感覚として)
コロナの影響である。
進む事が正解で、引くことが正解だった。
今も少なからずはその状態はあったりもする。
劇団PIS★TOLさんにとって、今回は約2年半ぶりの本公演である。
影響が無かったとは言い切れない。
その期間で執筆されたこの作品。
「ヨーイ、ドン」
スタートを切る際の言葉。
スタートを切る前の言葉。
ヨーイとドンの間にある点。
ここにとても想いが込められている気がする。
用意してスタートする。
この用意の期間が大事だったりする。
なりふり構わずスタートする事も時には大事であるが、この用意の期間で何が出来るか、そしてどれだけ逃げれるか、怠けれるかが何気に大事だと思ったりもする。
走り出したら必死にならざるを得ないし、しんどくなったら途中で逃げるのみだから。
コロナの存在は、望まないのに強制的にそんな逃げた先にあるような時間を強制的に作り出したりもしていた。
SNS等では逃げてもいいんだよ、サボっていいんだよ、等よく見る。
そうだと思うし、全力で肯定したい。
ただ、逃げ方が分からないし、サボり方が分からない時もある。
今日は逃げよう、サボろうと思ってもその前日はサボるために頑張ってたりする。もしくは翌日に皺寄せが来る。
サボる事まで予定に入れて行動してしまっている。
明日は1日寝よう、でもその為には今日は執筆をここまで進めよう。
ビールをたらふく飲もう、でもその前にここまではやっておこう。
寝過ぎたりして、無意識にサボってしまったら後悔が強い。
ドンの為にヨーイして、ヨーイの為にドンをする。
でも、ほんとにしんどい時はなりふり構わず寝るか、訳わからない動きをしましょう。
そんな劇団として「ヨーイ」の時期(個人的見解)に書かれたこの台本。
稽古開始までに何回も試行錯誤を重ね、書き直された台本。
そして、この「ヨーイ」の時期に他の舞台等で出会ったキャストさんを集結したこの作品。
今までの作風とは少し違うかもしれないが、仲村氏の「希望」みたいなものが詰まっている気がする。
物作りの中でこの「希望」みたいな要素はとても大事だと思っている。
願望と言いますか。
その希望を追い求めて、稽古に励む。
本倉さんのご飯を食べて。
仲村大輔氏を筆頭に、キャストスタッフの皆様と
「ドン」の瞬間を目指しまして。
詳細載せさせて頂きます。
ご興味ありましたら何卒よろしくお願い致します!
劇団PIS★TOL再始動第7回本公演
「ヨーイ、ドン」
作・演出 仲村大輔
2022年4月13日(水)~4月17(日)
@ザ・ポケット(中野)
ある高等学校での物語。
一人の教師が赴任する。
彼は、ある罪を犯し「セカンドチャンス」を与えられ此の学校へとやってきた。
自問自答を繰り返しながら教師としての生活が始まる。
学校という舞台で、教師、生徒、親、それぞれが生きていくことにチャレンジする物語が始まる。ヨーイ、ドン。
公演日時
4/13(水)19:00
4/14(木)19:00
4/15(金)14:00/19:00
4/16(土)13:00/18:00
4/17(日)12:00/16:00
受付開始は開演時間の45分前、受付後すぐ開場させていただきます
上演時間
100分から110分を予定
チケット
一般4,500円(前売り/当日)
U-22割2,500円(22歳以下対象/要身分証)
全席自由席
会場
ザ・ポケット(中野)
〒164-0001東京都中野区中野3-22-8
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