模擬授業52「部分分数を利用した数列(6)」
模擬授業
2005年12月18日(日)。第2回高校ライセンスセミナーでの模擬授業。
『数学B』の数列の例示問題。この問題を2倍した式は、三角数の逆数の和であり、その無限和は「2」である。
ライプニッツは26歳のときに、この問題を解いている。それが微積分の起源となった。高校2年生で、この数列の和が求められることは、26歳のライプニッツと同じくらいの数学の力があること、微積分以上の発見をするかもしれないことを高校生に伝えたい。
高校2年 『数学B』
東京書籍「新編 数学B」p.29
「29ページ。例5。数列・・・の和を求めてみよう。」教師が範読。
指示1 次の3つの式を写します。
「2行使って1/1・2」「そうだ。定規を使うんだよね」
「=何引く何ですか。さんはい」「1/1-1/2です」
「1/2・3=、さんはい」「1/2-1/3です」
「1/3・4=、さんはい」「1/3-1/4です」
・・・
発問1 1/n(n+1)=、同じように引き算で書きます。
「何-何ですか」「1/n-1/n+1です」
説明1 これらの和を求めます。
+)____________________________
説明2 最初の式が、成り立つことを確かめます。通分すると1/1は2/2です。
=2/2-1/2を板書。
発問2 計算した答えを書きます。いくつになりましたか。さんはい
「1/2です」
説明3 2=1・2と表すことができます。したがって、最初の式が成り立つのです。
「確かめの式を( )でくくっておきます」
指示2 2つ目の式を、同じようにして確かめます。
「できたら見せにきなさい」
1人目に板書。「ホワイトボードに書きます」
「今立ってる人までとします」
指示3 和を求めるとき、-1/2と1/2は打ち消しあいます。(斜線)同じように打ち消しあうものに斜線を引きなさい。
生徒の中に入る。
指示4 残った分数を赤丸で囲みます。
「残った分数はいくつありますか」「2つです」
「1つは何ですか。」「1/1です」「もう1つは」「-1/n+1です」
「同じように書きます」
斜線、赤丸、1/1-1/n+1、と板書。
発問3 通分すると1/1はn+1/n+1です。
=n+1/n+1-1/n+1と板書。
発問4 簡単にします。答えをみんなで、さんはい。
「n/n+1です」「できた人は赤で丸。できなかった人は写しておきます」
説明4 このような計算が、微積分を発見するきっかけとなったのです。
TOSS授業ライセンスD表評価項目
(1)授業の始まり(15秒)のつかみ 10点→6
(2)子どもへの目線 10点→7
(3)あたたかな表情・対応 10点→7
(4)明確な発問、指示 10点→6
(5)心地よいリズム 10点→6
合計 32点 27級
検討
井上好文氏・石黒修氏
1.何のためにしているわからないから、やらされてる感じがする。
2.教科書を離れてもよい。
3.和算をもってきてもいい。
4.パソコンで見せてももよい。
分析
1.教科書の例題を解けることに主題をおいた。
2.知的なはじまりではなかった。
3.5分の授業の組み立てができていなかった。
4.教科書を離れても知的な授業を組み立てたれようにする。
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