見出し画像

一気読みで人生を変える! オードリー・タンの思考術

突然だが、あなたは「思考の形」を意識したことがあるだろうか?

私たちは日々、多くの情報を読み、聞き、考え、行動している。しかし、その過程で本当に大切なのは、どのように思考を形成し、それを共有するかという点である。オードリー・タンの『私はこう思考する』は、このテーマを深く掘り下げた一冊だ。

本書を手に取ると、自分の考えを整理し、他者とつながるための新しい道筋が見えてくる。

オードリー・タンは、自分のアイデアを惜しみなく公開し、社会全体の利益に寄与することを信条としている。彼女はこう言う。「この世界を去るとき、来たときよりも少しでも良くなっていれば、それだけで人生には意味がある」と。

痺れる。。

言葉通り、彼女の行動は具体的だ。例えば、行政の課題を解決する際、彼女は個人的な手法や知識を隠さず公開する。オンラインとオフラインのボードを自由に使い、リアルタイムで考えを共有しながら会議を進める姿勢には、透明性とオープンマインドの重要性が詰まっている。

私たちはどうだろうか?
会議や日常のコミュニケーションで、自分の意見を率直に共有し、他者の意見に耳を傾けているだろうか?アイデアを独占するのではなく、公開し、共有することで、社会はより良い方向へ進むのだ。

本の読み方をアップデートする

オードリー・タンの思考法の中でも、特に印象的なのが「読書法」だ。知識系の本を読む際、彼女は途中で立ち止まったり考え込んだりせず、一気に読み切ることを基本としている。そして、その後にしっかり睡眠をとることで、脳が自然と情報を整理し、記憶を定着させると言う。

彼女は寝る前に、大量の資料や書籍を500ページでも600ページでも一気に読んでしまうそうだ。しかも30分で(!?)。そしてそのまま寝てしまう。

このとき大事なのは、「読む途中で内容を判断しない」ということだ。
これが意外と難しい。私たちはしばしば、本を読みながら「これどういうことだろう?」と立ち止まったり、「この部分は違うんじゃないか」と考え込んだりしてしまう。しかし、オードリーはそうした思考を排除し、本に書かれた内容をそのまま吸収することを推奨している。

彼女はこう述べている。「寝る前に読んだものをすべて頭の中に取り込むには非常に重要な前提が一つある。それは知識系の本を読むときには気を散らすことなく、最初から最後まで集中して読むことだ。読んでいる最中に内容について判断したり、頭の中で自分の観点を整理したりしてはいけない」。

私もこの方法を試してみた。本書を夜に一気に読み、睡眠をとって翌朝になってから内容を振り返ってみたのだが、確かに頭の中で情報が整理されている感覚があった。

要点を抽象化する力

もう一つ注目したいのが、オードリーが強調する「要点を抽象化する力」だ。本の中から最大の教訓やメッセージを抽象化し、それを行動に結びつけることが非常に重要だと彼女は語っている。

なぜ抽象化が重要なのか?
現代は情報過多の時代だ。膨大な情報の中からすべてを覚えるのは現実的ではない。そのため、情報を選別し、エッセンスを掴む力が必要になる。彼女はこうも述べている。「本の内容すべてを覚えるのではなく、どの部分が最も自分にとって価値があるかを見極めることが重要だ」

私は最近、読んだ本のポイントをポッドキャストで話すようにしている。
話す準備をする中で、「この本で自分が本当に伝えたいポイントは何か?」を考える必要があるため、自ずと内容を整理し、抽象化するプロセスが生まれる。そして実際に口に出して説明してみると、自分の中での理解がさらに深まるのを感じる。

*この本もポッドキャストにしてみた↓

最近読んだ本や見た映画の中で、「これだ!」と思う要点を振り返ってみるだけでも、その作品の価値がぐっと深まる。そして、その要点をどう行動に活かすか──これがオードリーの哲学なのだ。

オードリー・タンの思考法は、単なるノウハウではない。それは、自分の考えを深め、他者とつながり、社会をより良くするための哲学である。

いいなと思ったら応援しよう!