【独自研究】ヴァンパイアセイヴァーを構成する要素について
概要
全体的にジョークです。
1. スピード
ヴァンパイアセイヴァーは他のゲームに比べるとスピード感のみで相手を圧倒することができてしまう。90年代のゲームにありがちな部分でもある。この点が印象的なプレイヤーでいうとBuzzさんが真っ先に挙げられる。
重要なのは以下の点。
・操作する速さ
純粋にこれが大事。同じ状況でも、ボタンを押したりジャンプしたりといったひとつひとつの行動が、最速で動ける人と少しでも(数F単位でも)迷って遅れる人では、全く強さが違う。
・展開の速さ
選択肢を繰り広げたり次々に引き出しを開けていく速度をとにかく速くして相手に対応させない。選択肢の数そのものは重要ではなく、展開する速度を上げることで相手を振り落とす。また、自分から展開するだけでなく、相手が繰り出した選択肢に対する対処策を引き出しから出す速度も重要になってくる。
2. ポジショニング
最適な位置取りによってアドバンテージを得ること。とにかく自分が有利な位置や、リスクが少ない位置を取り続ける。ストリートファイターなどと比べると取り得る位置のバリエーションが豊富なため、重要な要素になってくる。代表者はやはりコショーさん。
これに関しては、かつて大会で対戦したサブキャラのコショーサスカッチのことを思いだす。とにかくサスカッチが「キュービィ側にとって居てほしい位置・状況に居る時間」がほとんどなく、攻めるための状況をまったく作れなかった。
攻めるための準備として有利な位置を無理に取りに行こうとするときっちりカウンターを食らい、少しずつ埋められない差が開いていくばかりで、そのうち急に中段が飛んできて死んだ。これを徹底されたらどうやって勝つんだよ、という印象だった。
セイヴァーはキャラ操作の自由度が高いうえにスピードも速いので、これを徹底することは難しいが、きちんとできれば非常に強力な武器になる。
3. フレーム
いわゆる硬直差によって有利を取っていく部分。2D格ゲーとしては最も基本の要素ではある。有利フレームを取ってから攻める、不利フレームでは防御する、という基本的な攻防を的確に実行して、負けづらいじゃんけんをいかに仕掛けられるかという側面。
2D格ゲーでは常識だが、セイヴァーはAGがあるためこの点が軽んじられがちでもある。逆に言うと、AG精度が高い人ほどこの部分に秀でているともいえる。かつてビシャモン使いのナツさんが大会で勝ちまくっており、強さの秘訣はなんだろうと思って動画を集中的に見てみたら、近距離戦の攻防でのAG精度が目に見えて高かった。つまり、AG精度が高い=不利な状況にある時間が短い、という風に言えるだろう。
セイヴァーにはヒット/ガード以外にガード後のAG成立/不成立という分岐があるため、スピード感のある試合展開の中でフレームまで気にするのは(アナカリス戦以外は)結構難しい。しかし、やはり2D格ゲーである以上、フレームという世界のルールからは逃れられない。フレームをきちんと理解したうえで次の行動を選択できるようになれば、行動の確実性が上がり、明確な戦力アップにつながる。
自分はこの点に気付くまでにかなり時間がかかったが、まともなプレイヤーなら誰でもある程度やっているはずのことなのかもしれない。
4. 厳密
様々な動作の正確性のこと。主に重ね精度・AG精度・コンボ判断の正確性などのことを総称するもの。「彼は厳密だ」「厳密性が低い」といった言い方をする。
そもそも厳密とはスト3で流行った身内ネタらしいが、便利な概念だと思ったので個人的に(勝手に)使わせてもらっていた。定義は曖昧かもしれないが、いろんなことを「しっかりやってる」かどうかという点だと思ってもらえればいい。しっかりしてる・していないというのはプレイヤーなら肌感覚で分かるだろう。
ミスなく正確にプレイできたほうが強い、というのは当然の話である。細かい部分こそしっかりやっている者とそうでない者で露骨に差が出る。また、地道な練習で向上させることができる部分でもあるので、努力の量や情熱がより反映される部分でもあると思う。厳密であるプレイヤーは長期的に燃えていることが多く、そういったプレイヤーは心から尊敬できる。
5. ニューセイヴァー
かつてサカイさんが提唱した概念。
「同じ状況で毎回決まりきった定番の選択をするのではなく、一見非効率にも見える選択肢をあえて試すなど、他に良い選択があるのではないかと可能性の探求を続けること、またはそういった姿勢自体を持ち続けること」という風に自分は解釈して、取り入れさせてもらっている。
これを意識的に追い求めているプレイヤーはおそらく多くはないだろう。なぜなら大抵は無駄だからである。ニューセイヴァーは基本的には厳密性とのトレードオフになる。そうすると勝率は下がるし、勝てないと面白くないしお金もかかる。
稼働から25年以上経った枯れたゲームで今更?と思うかもしれないが、最高効率の選択肢が明確に定義されているわけでもないので、実はあの技にこんな使い道があった!という発見の可能性はいまだに残っていると考えている。
また、かつて誰かがどこかで結論にたどり着いていたとしても、それが情報として残されておらず、今ではすっかり失われてしまっている、というオチは古いゲームにはありがちな話ではないだろうか。だからこそ、いまさらであっても研究する姿勢を持ち続けることに意味はあると思っている。はじめるのが今からでも、パイオニアを目指すのに遅いということはない。
私はなるべくならニューセイヴァーを求めていきたいと定期的に思っている。キュービィでいえば、+Bやダークフォース、ジャンプ大P、立ち大Kにはまだまだ何か新たな使い道があるような気がしている。おそらく立ち大Pにはない。
最後に
この記事は独自研究です。ひとりで勝手に考えて勝手に言ってるだけなので、ここで出ているワードを他の誰かに対して使っても話が通じない可能性があります。
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