「Inscryption」感想(ネタバレ含む)
最近発売されていろいろと話題だったゲーム「Inscryption」をクリアしたので、その感想。感想を書きたくなるゲームというのはそれだけで名作だと思います。
※ゲーム本編のネタバレを含みます。あらゆる場所で言われつくしているとは思いますが、知識なしでプレイすることが重要なゲームだと思うので、未プレイの場合は読まないほうがいいです
まず単純にカードゲームとして面白かった。今まであんまりローグライト的なゲームは触ってきてなかったけど、こんなに面白いならSlay the Spireとかもそりゃ流行るよなと思った。
やればやるほど死のカードが増えるので、なんだかんだ難易度が下がっていくのもいい調整だと思った。ACT1初クリア時はノーコストパワー4+三又攻撃のカードが出来上がったので、それを引けば勝ちのゲームになって楽しかった。そうしながらも、要素や世界観、追加ルールが少しずつプレイヤーに対して解放されていくので、どんどんと世界が広がっていくことに常にワクワクしながらプレイできた。
この色々なものが少しずつ明らかになっていくときの感覚は特別なもので、まっさらな状態でプレイできてとてもよかった。ある程度いろいろなゲームをやっていると「ああ、こういう感じのゲームね」というのが良くも悪くも付いてくるが、それが1つのタイトルの中で2度も3度もひっくり返るのは初めての体験だった。
(それはそうと、レシーについてこいつただのTRPGオタクじゃないか?とか途中から思っていた。ゲームやりたすぎるだけの人。)
ACT3のアーカイビスト戦はさすがにかなり興奮した。こんなことやっていいんだと思ったし、ローカルのファイルを指定させる前の「誰も見てなければいいけどな」というようなセリフは、昨今のストリームに対する目くばせだろうなと思って面白かった。さすがにファイル削除まではできないのはホッとしたけど、半分残念でもあった(現実的にできるわけないけど)。
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ただ、正直このゲームはクリア後のARG部分が本編なんじゃないか?と感じていて、そこは最終的にあまり好きになれなかったというか、自分の中でケチが付いてしまった部分ではある。まとめられた情報を追ってみて、背景や最終的な話の結末を推測するためにARG部分で得られる情報がどうしても必要であるように見えて、正直置いてけぼりにされてるなーと感じた。
Automatonのレビュー記事に書いてあった「ARGにコンピューターゲームを入場料やパンフレット代わりとして組み込むという方式」という一文でなんとなく納得はしたけど、それ自体についてあまり良いとは感じられなかった。
Inscryptionというコンテンツにおいて、ARGとビデオゲームのどっちがメインディッシュなのかというような話はしても意味がないとは思うけど、ARG部分は抜きにしてビデオゲーム部分だけである程度お話として完結してほしかったな、と思った(ARGも含めてInscryptionというひとつのゲームでしょ、と言われればそれはそうだとも思う)。そのぐらい、ACT3クリア後があまりに唐突だった。
最終的にそうした気分になってしまったのは、なんか損だなという気持ちもあるし、それがあったとしてもゲーム部分が十分に面白いので素晴らしいゲームだとも思っている。
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いろいろ書いたけど、自分の中では久しぶりに寝る間も惜しんでプレイできるようなゲームだった。こんなとんでもないゲームが2000円程度でプレイできるのは素晴らしい時代だと思います。
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