【情報】ゲームセンターでの格闘ゲームの遊び方
スト6などの家庭用タイトルから格闘ゲームに入ったプレイヤーは、ゲームセンターという場にあまり親しみがないのでは、と思った。逆に、既にゲーセンに親しんでいる人にとって、「ゲーセンでどうやってゲームをプレイするか」ということはあまりにも当然すぎて、全く説明がされていないような気がした。なのでそうした情報をインターネットに残しておこうと思う。
こういったものは当然どこかに転がっているような気もするけど、たくさんあって損することはないので書いておく。
前提
一口にゲームセンターといっても色々あるので、以下のようなものを想定して書いている。
主にビデオゲーセンが対象
要するに、プリクラとかクレーンゲームがなく、格ゲーやシューティングなどのビデオゲームが並んでる店。GiGOやタイトーステーションのような系列店よりは、どちらかというと個人経営の店が対象
遊ぶゲームは主に格闘ゲームで、その中でも90年代~2000年代前半の旧作が中心
特にゲームタイトルに関して、古いゲームと新しいゲームでそこまで違いはないと思うが、NESiCAなどのカードシステムや店舗間ネット対戦など、最近のゲームのほうができることが多いので、それらにはあまり詳細には触れない。
いろいろと書いたけど、「基本的にはこういう想定」というだけで、そこまで大きな違いはないかもしれない。
1.ゲームセンターに行く
まずはゲームセンターに足を運ぶ必要がある。特殊な営業形態の店でなければ、入場料や入店料のようなものはない。いつ入店してもいいしいつ退店してもいい。勝手に入って店内を自由にウロウロして問題ない(当然、事務所などの入ってはいけないスペースはあるので気を付けよう)。
昔はゲームセンター内であればどこでも喫煙可能で、ゲーセンに行くと全身がタバコ臭くなると言われるほどだったが、現在は都内では条例によって分煙が義務付けられており、特定の喫煙スペース以外では吸うことができなくなっている。プレイ中に喫煙することもできないので、ゲーム筐体にも灰皿は置かれていない(昔は1台に1つずつ置いてあった)。
隣の台のプレイヤーが置きタバコでプレイしていて流れてきた煙が目に染みるという理不尽な出来事も今では起こらない。
ゲームセンター内での飲食については店ごとにルールがまちまちで、飲食どちらも問題ない店もあれば、食事はNGという店もある。飲酒に関してはさすがにほとんどの店が禁止していると思う。ただ、飲み物の持ち込みを禁じている店はほぼないと言っていい。コンビニやコーヒーチェーンなどで飲み物を買ってそのまま来店するプレイヤーも多いし、大抵のゲーセン内には自販機があるのでそこで買ってもいい(自販機の売り上げがゲーセン側に入るケースもある)。
ゲームセンター内にはトイレもあって自由に使える。顔を洗って対戦で熱くなった頭を冷やすのもいい。ただし、特に個人経営のビデオゲーセンなどは男女別ですらなく小さい個室がひとつだけ、という形式のトイレが多いので、女性は正直利用しづらいという声はよく聞く。
風営法の関係で営業時間は原則的に24時までとなっており、大抵は23時50分ごろには筐体の電源が切られる。また、条例によって16歳未満は18時まで、18歳未満は22時までしか店内にいられない(保護者同伴なら16歳未満でも22時までOKという場合もある)。悲しいが若者は早めに帰ろう。
2.台に並ぶ
遊びたいゲームがあったらまずはその台に並ぶ。誰もプレイしていなければすぐに席に座って遊べるが、先にプレイしている他のお客さんがいる場合、その後ろに並んで待つ必要がある。あまり近くにいすぎてもそのお客さんに迷惑なので、ほどよく距離を取って立っておいたほうがいい。
複数のプレイヤーが同時に並んでいる場合、次に誰がプレイするかはなんとなくの空気読みになるが、基本は先に並んでいた人からプレイする。お見合いになったときはジェスチャーなどでそれとなく譲ることもある。席が空いたからといってあまりにも速攻で座りすぎると、多少白い目で見られるかもしれないので、ある程度は周りを見てから席に座るようにしたい。
筐体の周りにいても休憩中でプレイしない人もいるので、よくわからない場合は「次やりますか?」といった感じで声をかけるなど、コミュニケーションを取れるとより良い。
ただ、順番に関してはルールというよりはあくまでもマナーでしかないので、先だ後だということを無理に他人に押し付けたりしてはいけない。
3.ゲームをプレイする
順番が来て席に座ったらいよいよゲームを遊ぶ。ゲーセンでは1プレイごとに料金がかかるのでまずはプレイ料金を払う。
一般的なビデオゲーム用の筐体にはコインシューターが付いており、ここに100円玉や50円玉を投入する。小銭がない場合はゲーセン内に両替機があるのでそこで両替できる。最近はコインシューター部分に電子マネー用の機器が付いていて交通系ICなどで支払える筐体もあるが、あまり多くはないので、基本的には現金が必要。
古いゲームは1プレイ50円、新しめのゲームは1プレイ100円というのが相場で、1プレイがいくらかはコインシューターの横に書いてあることが多い。
コインを入れるとゲームにクレジットが追加され、1クレジットで1回プレイできる。大抵の格闘ゲームの場合、画面のどこかに「INSERT COIN」みたいな表示があり、コインを投入してクレジットが入った状態になると、その部分が「PRESS START」というような表示に変わる。クレジットが入った状態でスタートボタン(上の画像でいうと右端についている黄色いボタン)を押すとゲームが開始する。
格ゲーの対戦台の場合、誰もプレイしていない筐体はオープニング映像などが流れるデモ画面になっており、そこにコインを入れてスタートするとコンピュータ戦(いわゆる「一人用」)が始まる。
既に遊んでいるプレイヤーがいる対戦台は、人がプレイしている側だけでなく、画面を挟んで反対側の筐体にもその様子が表示される。反対側の筐体にコインを入れてスタートすると「乱入」となり、その二人での対戦が始まる。乱入する際に挨拶や断りを入れたりする必要はなく、勝手に乱入してよい。
要するに、対戦台の画面を挟んでこちら側と向こう側のプレイヤーが対戦する形になる。横並びで対戦できる筐体もたまに存在するが最近ではかなり珍しい。
また、ゲームセンタ―の筐体は1P側と2P側が台によって分かれており、席に着いた後でどっちサイドでプレイするかの選択はできない。1P側の台に座ってスタートしたら必ず1P側、2P側の席なら必ず2P側でゲームが始まる。「2P側でしか昇竜拳が出ないから」と言って2P側の筐体にしか並ばないなど、プレイするサイドをわざと選んでいる人も時折いたりする。
ゲーセンのほとんどの筐体にはUSB端子も何もついていないので、自前のデバイスを利用することはできず、筐体に据え付けられたレバーとボタンで操作する。ボタンアサインの変更もできない。
ただしアーケード版ストリートファイター6用の最新筐体などは例外で、自前のコントローラを接続できるようになっており、対戦前にボタン設定もできる。このあたりはゲームによって異なる。
4.対戦する
ゲームセンターでの対戦は原則的に1先となっているので、勝っても負けても一試合でそのマッチは終わる。
対戦で勝った場合、自動的にコンピュータ戦がはじまるので、そのまま続けてプレイできる。コンピュータ戦を続けているとそのうち反対側から乱入されるのでまた対戦が始まり、連勝している限りは何十試合でもずっとプレイできる(ゲームによっては最大連勝数に制限がある場合もある)。
対戦で負ける、または最終ボスを倒してコンピュータ戦をクリアすると、ゲームオーバーとなりそこまでで終了となるので、一度席を立って台に並ぶ段階に戻る。
対戦で負けた後に席を立たずに追加のコインを入れてプレイすることを「連コイン」と言い、これは古来より重大なバッドマナーとされていて、負けるたびに席を立つのが原則となっている。
ただし料金設定は店によって違い、「1コイン100円で2クレジット」といった設定の場合もある。そういう場合は1コイン分のクレジットがなくなるまで連続でプレイしても問題ない(100円2クレジットの場合は2回負けるまで席を立たなくてよい)。
気を付けたほうがいいものとして、筐体の設定が「クレジット共有」になっているケースがある。通常の設定では、1P側と2P側でクレジット管理は個別に分かれており、1P側のクレジットは1P側からしか使えない。
しかし、このクレジット共有設定になっている場合、1P側から入れたクレジットでも2P側のスタートボタンを押すとクレジットを使用できてしまう。このため、負けた後にうっかりスタートボタンを押してしまうと、相手のクレジットを勝手に消費して次のゲームが始まってしまう。
クレジット共有設定の場合、筐体の周りにポスターなどでそれが示してあることが多い。特にクレジット共有で1コイン2クレジットの場合などは、自分が何回プレイしたかを記憶しておく必要があるので気を付けよう(ただ、どうしてもトラブルの元になりやすいので、クレジット共有設定になっていることはあまり多くはない)。
また、対戦で負けていないのに筐体を離れることを「捨てゲー」という。トイレに行きたかったり用事があったり、事情は人それぞれなので、そこまで問題視はされない。ただ、乱入された直後や対戦している最中に突然捨てゲーをするのはあまりにも印象が悪いので、さすがに避けたほうがいい。乱入されたけどどうしても捨てゲーをしなければいけない状況だった場合、筐体の反対側に回って対戦相手に事情を説明してから捨てゲーすることが多い。
5.なにかあったら
なにかトラブルがあったら店員を呼んで対処してもらう。ただ、最近のゲーセンはかなり店員の数が少なく、多忙なことも多いので、呼ぼうとしても店員が見つからないこともしばしばある。そうした場合は周囲のプレイヤーに声をかけたり、大会や対戦会でゲーセンに来ている場合はそのイベントの主催者に相談してもいい。
よくあるトラブルでいうと、レバーが効かない・ボタンが効かない・突然ゲームの電源が落ちる、などのマシントラブルがある。古いゲームではバグによって特定の操作でゲームがリセットされたりフリーズしたりすることもある。
お金を入れたのに反応しない(これを「コインが飲まれる」と言う)、コインシューターにコインが詰まるといったコイントラブルもある。
最近では滅多に見ないが、対人トラブルという可能性も考えられる。なにがあっても基本的には店員を呼んだほうがいい。
なお、筐体の下にはコイン排出口が付いており、コインが飲まれた場合はそこに出てきている可能性もあるので、一旦は探ってみよう。
また、お金を入れるコインシューターはそれぞれ対応している硬貨が決まっている。つまり、1プレイ50円の台には50円玉しか反応せず、100円玉を入れてもお釣りの50円が返ってきたりはしない。それどころか、そもそも反応せずクレジットが入らない可能性が高い。上に書いた排出口から出てくることもあるが、出てこなかった場合に店員に頼んでも返金してもらうといったことはおそらく難しい。
ちなみに私は1プレイ10円のスト2に100円玉を入れてしまい、反応しなかったので10円玉を追加で入れて、1プレイ110円で遊んだことがある。
補足:ゲーセンでやってはいけないこと
業務両替
いわゆる「ゲームを一度もプレイせずに両替だけして帰ること」をこう呼ぶ。これは絶対にやってはいけないし、もし発覚した場合は罰金を取られたりその店を出入り禁止になったりする。
なぜ業務両替が駄目かというと、ゲーセン側は銀行などで両替機用の小銭を作っているが、実はそのときに両替手数料としていくらか費用がかかっている。そのため、業務両替をOKにすると両替のみを目的にした人によって小銭だけがどんどんなくなってしまい、ゲーセン側はさらにたくさん小銭を作らなければいけなくなり、両替手数料でどんどん損をしていくことになってしまう。そうならないように、ゲーセン側は「ゲームを遊ばずに両替だけする」という行為を禁止している。
業務両替はゲームセンターに直接的な損害を与える行為なので絶対にやってはいけない。
プレイしていないゲームの椅子に座る
誰もプレイしていない空いている筐体の椅子に座って休憩する人も多いが、マナー的にはあまりいいことではない(とはいえ、ずっと立ちっぱなしでは疲れるのも事実なので、大抵の人はやっている)。休憩するときは周りを見ておいて、そのゲームをプレイしそうな人がいたらすぐに立つようにしたい。
店によってはゲームとは別で休憩用のスペースを作ってくれているところもあるので、その場合はいくらでも座って休むことができる。
ゲーム筐体を傷める行為
ゲーム筐体を殴ったり蹴ったりする行為全般、いわゆる台パン・台蹴り。自前のコントローラで遊ぶ家庭用ゲームと違い、ゲーム筐体はゲーセン側の所有物なので、傷つけるような行為は絶対に厳禁。
プレイ中に力が入るのは仕方がないので、多少荒っぽく操作するだけならお咎めはないことがほとんどだが、極端にひどすぎると店員から注意される場合がある。あまりにも度を越して悪質だと出入り禁止処分を受けることになる。
レバーやボタンが壊れるだけでなく、ゲームによっては基板が非常に壊れやすいため、台パン・台蹴りの衝撃が基板に伝わってダメージを与えてしまい、ゲーム自体が正常に動作しなくなってしまうこともある。これを弁償するとなると安くて数万~十数万は必要になるだろう。台パンは自宅でやろう。
補足:対戦したくなったら
実際にゲームセンターに行って対戦したくなったらどうしたらいいだろうか。オススメするのは対戦会や大会に参加すること。
正直言ってこんな時代なので、何のあてもなくふらっとゲームセンターに行って対戦相手と遭遇することは非常に難しい。特に古いゲームは人口も多くないので、コミュニティごとに集まるタイミングをあらかじめ決めていることも多く、「毎週〇曜日はXXX(ゲーセンの名前)に△時ごろから集まろう」というような形で、曜日と場所がセットになって設定されていたりする。こうしたタイミングに合わせてゲーセンに行けば空振りする確率はかなり下げられる。
対戦会には、あらかじめ事前エントリーが必要なものや、参加費を取って一定時間フリープレイ(参加費を最初に払えば1プレイごとのお金がかからない)という形式のものもあるが、多くの場合はただみんなで集まって普通に対戦するだけだったりもする。どういった内容のものかは個別に確認しよう。
大会が予定されている場合はそれに参加するのも良い。大会中でも、大会に使う筐体以外で通常通りプレイすることができる(いわゆる「野試合」)ので、大会目当てでやってくるプレイヤーとたくさん対戦することができる。もちろん、大会自体には参加せずに野試合だけしてもいい。
また、大会はゲーセン側が開いているものばかりではなく、コミュニティリーダー的な有志のプレイヤーが主催となって開催されているものも多いので、そういった大会に参加すると色んな人と知り合いになれる確率が高い。
主催が話好きな人だった場合、大会後に参加者で食事に行ったり飲みに行ったりすることもよくあるので、コミュニティの輪の中に加わるには大会に参加するのがかなり手っ取り早い。また、基本的に大会運営は初参加のプレイヤーがいるととても喜ぶ。
まずは気になったタイトルについてSNS等で調べて、対戦会や大会などのイベントが予定されていないかを確認してみよう。事前に「初参加ですが行こうと思ってます」みたいなことを書いておけば運営に認知してもらえることもあるので、当日のコミュニケーションもスムーズに行くかもしれない。
おわりに
ゲームセンター全般を対象として書いたが、普段はヴァンパイアセイヴァーというタイトルを遊んでいるので、その宣伝をしておく。
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