【その他】スト6勢に向けたヴァンパイアセイヴァーのすすめ
ストリートファイター6から格闘ゲームをはじめて、それ以外のゲームについてあまり知らないという人に向けて、ヴァンパイアセイヴァーというゲームの概要を紹介する記事です。どういうゲームなんだろう?と気になったら読んでみてください。
基本的な情報
空中ガードがある
なんと空中でもガードができる。波動拳を垂直ジャンプで避けようとしたら踏んでしまった、という状況でも、波動拳を空中でガードできるので特に何も起きない。空対空で出された技もガードできてしまう。このシステムがあるのでストリートファイターと比べると空中戦が発生しやすいし、気軽にジャンプして問題ないゲーム性になっている。
ダッシュから技が出せる
キャラごとに差はあるが、前ダッシュや後ろダッシュから停止せずにそのまま技を出すことができるキャラが多い。これによってダッシュを絡めた派手な動きを全員が繰り出すことができるようになっている。止まって技を撃っている時間はかなり少ない。
また、前ダッシュが跳ねるようなモーションになっているキャラもいて、そうしたキャラは見た目通り空中にいる状態となっており、ダッシュ中に出す通常技はジャンプ攻撃と同じモーションとなり、もちろん中段属性となる。これを利用して地上から高速中段が出せるというのも特徴のひとつ。
空中でも色々な行動ができる
さらに派手な動きとして、空中ダッシュや2段ジャンプといった特殊行動を持っているキャラもいる。地上だけでなく空中でも非常に多彩な動きができるため、自然と画面全体を使って戦うことになる。
また、かなり多くの必殺技が空中でも出せるようになっているので、そういった面での行動の自由度も非常に高い。
先行入力がない
90年代のゲームはほぼすべてそうだが、先行入力という概念が存在していない。起き上がりに最速で通常技を撃ちたかったら、起き上がった瞬間の1フレーム目にボタンを押す以外に方法がない。リバーサルで昇竜を撃ちたい場合の猶予も1フレームしかない。
先行入力がないということは、最速で○○を空振りして~というような行動の難易度が高すぎるため、フレーム消費を使ったセットプレイ等の開発や実行も非常に難しい。
カウンターヒットがない
カウンターヒット、パニッシュカウンターというような特殊ヒットは一切ない。どんな状況で当たった攻撃でも状態は変わらないので、状況限定のコンボのようなものもない。
チェーンコンボという共通システムがある
スト6でも、特定の順番で入力すると通常技から別の通常技に繋ぐことができる連携がキャラごとに存在していて(ケンの中P→大P、ルークの弱P→中P→強Pなど)、これを過去作にならってターゲットコンボと呼ぶことがある。
チェーンコンボはこれに似たシステムで、通常技の終わり際の硬直を中断して別の通常技に繋ぐことができるが、全キャラで法則が共通かつターゲットコンボよりも自由度が高く、すべての通常技が別の通常技に派生することができる(細かい法則等はここでは割愛)。
チェーンコンボを使うと、たとえば【しゃがみ弱K→立ち中P→立ち中K→しゃがみ大K】といった4段コンボもできるし、【立ち小P→しゃがみ中K】の2段だけといった使い方もできる。
チェーンコンボを使うと、発生の速い小Pから相手をダウンさせることができるしゃがみ大Kなどにそのまま繋ぐ、といったコンボもできるので、通常技は単発で使うというよりは、チェーンコンボで繋いで連続的に使うといった形が基本になっている。順番にボタンを押すだけなのでコンボ練習の必要もほぼない。ヴァンパイアセイヴァー=チェーンコンボを当てるゲームと言ってもいい。
対空
このゲームにおいて、対空に使えるように見える必殺技(昇竜、サマーなど)はほとんどが空中ガード可能なので、前ジャンプに対して昇竜を出すと空中ガードされて逆にジャンプ攻撃を食らってしまう。昇竜対空は基本的にできない。
逆に、地上での通常技は空中ガードができないため、飛びを落としたいときは通常技対空(多くの場合はしゃがみ大Pが適している)が基本となる。
しかし、技によって判定や発生はまちまちなので、判定の強いジャンプ攻撃で飛び込まれた場合、通常技対空を潰されてフルコンボを決められることも多く、それなりにリスクのある選択肢と言える。
飛び込みに対する防御としてもっとも安全で多用されるのは「相手の飛び込みを空中ガードする」という方法。このゲームの空中ガードは地上で出す通常技以外ならほぼ何でもガードできる(先述したように昇竜拳すらガードできる)し、ガード硬直が2フレームしかない上にガード後に行動可能なので、飛び込みを空中ガードした後でこちらが空中技を出して反撃することもできる。
このため、相手がジャンプしたらこっちもジャンプするというのが実は非常に有効な選択肢で、地上にいるより空中にいたほうがよっぽど安全となっている。なにかあったらとにかく上に入れるのが強い。
起き攻め
このゲームでは純粋な無敵技を持っているキャラが15キャラ中3キャラしかいない。また、起き上がりにリバーサル必殺技を出す場合の猶予が1フレームしかないので、最速で昇竜を撃つこと自体が非常に難しく、起き上がりの無敵技暴れという選択肢がかなり少ない。このため、起き攻めでしっかりを技を埋めるという選択肢が強い。
起き上がりには投げ無敵が5フレーム間存在するが、平均的な最速の弱攻撃の発生も5フレームとなっている。なので、相手が起き攻めで投げに来た場合に小技で暴れようとしても、起き上がりに最速で小技を出せていなければ投げられてしまう。ちなみに、通常技に関してももちろん先行入力はないので、起き上がりに最速小技で暴れたい場合は目押しが必要となる。
無敵技暴れを持っていないキャラが多かったりそもそも難しかったり、小技暴れも難しかったりと、起き攻めされる側が取れる選択肢がかなり少なく、起き攻めする側が非常に有利なゲームになっている。
コンボ
連続技はほぼチェーンコンボのみ。ほとんどのキャラが小技からしゃがみ大キックに繋いでダウンを取り、起き攻めで再度チェーンコンボをヒットさせて攻めをループさせるという戦い方をする。チェーンコンボの構成や始動によって補正や火力が違うということもほぼないので、相手との距離に合わせて技を選択するぐらいで、コンボ面で個性や工夫が発揮できる場面は少ない。誰でも適当にボタンを押しているだけでコンボになって十分戦うことができるので、習得も容易だしキャラ変えも簡単。
チェーンコンボ中は通常技の必殺技キャンセルができなくなる上に、必殺技をさらにキャンセルしてスーパーコンボに繋ぐといったようなシステムも存在しないので、リソースをつぎ込んでワンタッチで一気にダメージを取るという展開はあまりない。
チェーンコンボを使わず、必殺技を絡めたコンボをする機会もないわけではないが、それなりにキャラや状況が限定されるので、出番は多くない。
また、空中コンボも基本的には存在していない。空中で技を食らうと吹き飛び状態となり、食らい判定がなくなった状態で着地するまで操作不能となるので、追撃はできない。そのため、空中に逃げれば何を食らっても一発だけで済むので大ダメージは受けない。(ただし、例外としてごく一部の技のみ空中コンボ判定を持っているので空中の相手を拾うことができる)
投げ
セイヴァーの通常投げはハチャメチャに強い。投げる方法は相手の近くでレバーを入れながら中P or 大Pとなっていて1ボタンで出せる。(キャラによってキック投げを持ってる場合もある)
まず発生が1フレームなのでどんな技よりも速い。接近された際や起き上がりに投げで暴れるという選択肢が常に存在する。その代わり、投げのリーチはとても短いので密着以外ではほぼ投げられない。
次に、「投げ失敗ポーズ」というものが存在せず、相手が飛んでいたりして投げられなかった場合、押したボタンの通常技がそのまま出る。キャラによっては近距離大Pや近距離大Kが上方向に強いアッパー系のモーションになっていて、相手が地上にいたら投げるが空中に逃げていたら自動でアッパーで落とすことができてしまう。
おまけに、セイヴァーの投げに対する防御システムは「投げ受け身」となっており、投げ抜けすることができない。投げ受け身をするとダウンはしなくなるが、投げられてはいるのでダメージは食らう上に投げ後の状況もまるで良くならない。もちろん画面端で柔道もできる。
技をガードした後の状況
スト6と比べるとフレームはガバガバといえる。弱攻撃はガードさせると+5フレーム以上の有利を取れるのが基本で、中攻撃もガードさせて+3フレーム以上が取れる技が少なくないし、最低でも五分程度の硬直差になる。大攻撃ですらガードさせても-5フレームから-7フレーム程度の不利であることが多く、距離が離れていたり展開が速かったりして反撃を受けないことがとても多い。
このため、とにかく相手に何かをガードさせて初手を取るという行動が強い。自分からガンガン前に出て技を振りまくることが肯定されるゲーム性になっている。
なぜそんな硬直差になっているかというと、ガード後に一切リソースを使わず利用できるシステム(ガードキャンセル、アドバンシングガード)があり、これらが非常に強く設定されているため。
ガードキャンセルは、文字通りガード状態をキャンセルして特定の必殺技を出すことができる。相手の攻撃をガードしている最中に無敵昇竜を出して切り返す、といった使い方ができるため、切り返しとして非常に強力。無料かつ高性能のDリバーサルがガード中いつでも撃てると考えてもらっていい。ただしガードキャンセル技の性能にはキャラによってかなり差がある。
アドバンシングガードは、ガード硬直を減らしながら相手を一定距離押し返すというシステムで、海外ではプッシュブロックとも呼ばれる。こちらはキャラごとの差がない。
発動すると間合いを離しながらガード硬直自体が減るので、このシステムを前提にもろもろの硬直差が設定されていると考えていい。アドバンシングガードで距離を離した上でバックジャンプで逃げる、という方法が守りの手段としては非常に優れている。逆に言うと、これを活用できないととんでもない不利フレームを毎回背負ってしまい、ひたすら攻められっぱなしになるだろう。
ゲージ管理
体力以外のゲージは一種類(SPゲージ)のみで、このゲージをすべてのシステムに使う。必殺技空振りだけでなく中攻撃以上の通常技空振りでもゲージが溜まる。
ゲージは普通に戦っているだけでよく溜まるので適当に使っても問題ないことが多い。通常技によるチェーンコンボ主体で戦うゲームなので、ゲージがないと戦えないという状況やキャラはあまり多くない。また、攻めが強いゲームなので下がってゲージ溜めという行動もしづらい。
差し返し
通常技の全体フレームが短かったり戻りが速かったりするので、相手の技の空振りを見てから差し返すことは非常に難しい。差し返すにしても、相手が技を振るタイミングを見計らって予測でボタンを押している場合がほとんど。もしくは、空振り後の隙ではなく技の出際を狙って潰すという方法が多い。
家庭用
セイヴァーは幸運なことにカプコンファイティングコレクションに収録されているため、ほぼ全員これで対戦している。また、アーケードでも根強く対戦が行われている。
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