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中耳炎と夏


これは、2024年9月の日記。
記念すべき初めての中耳炎であった。


急に秋になった。
夏の暑さも彼岸まで、とはまさにこのこと。

南風ではなくなったひゅうっと吹く風が心地よい。
日の差し込む角度が伸びたと思う。
公園の中の蝉がミンミン鳴くけれど、気が付けば蝉よりも見かけるのはトンボばかり。

この夏は風邪をこじらせ、初めて中耳炎を経験した。
高熱でダウンする中、耳の奥が痛くなる。
そしてあれよという間に片耳に膿がたまって、やがて何も聞こえなくなった。

聞こえないというのは、周囲の気配すらも失われるということ。
話しかけられた声に気づけないのはもちろん、近づく車の音も聞こえない。


そして2025年1月。再び風邪をこじらせた。

耳鼻科に行くと、
「風邪の症状が2週間続いているのか。
これはそろそろ中耳炎になりかねない、ね?」
と言われた。

どうやらウイルスから細菌へ、身体の中で闘うべきものが変わったらしい。
経過を言えば、2024年の12/30にめでたく発熱。これは勤め先の保育現場でもらったに違いない。
熱は下がるも、1/4まで寝室→リビングを行ったり来たりする日々。

仕事始めになっても、身体は重い。
病んでいるのは、心か?と仕事の悩みを全て因果づけようとしている。
いんや、心は疲れているが、身体が細菌にやられているんだった。
と、まあ耳鼻科に行って身体のことを聞いたら安心した。

音の無い世界に行くのはいやだ。
抗生物質を求む。
先生、処方して下さった。
ありがたい、さすが中耳炎を治してくださった先生、わかっておられる。

夏に中耳炎になったときは、一度病院を替えている。どちらも町医者なのだが、一つ目は院内処方でどんどん薬を出され鼓膜をすっぱり切開し、治らず。
二つ目は、「うちは中耳炎、薬で治すよ。鼓膜は切らないよ。」と言って、本当に薬で治った。先生ありがとう。

音のない世界。
ひとりぼっちの感覚。夫に声をかけられても、えっ?なんて?となるし、
職場の子どもたちに声をかけられても、保育所の子どもは百人規模なので、そもそも騒音として認識されるだけで、聞こえない。つらい。

葉加瀬太郎が好きだけど、あのバイオリンの音が
もう生で聞こえなくなるかもと思ったら、心がしぼんだ。

だから、良かった。今回は早めの抗生物質。飲んだら1日で回復。
だるさが消えた。そして、飲んだ数時間後から、ものすごい下痢になった。
これ、全部細菌のしわざってやつでしょうか?
次の日も、もりもりと排出された。

中耳炎にはもうなりたくない。
夏の私とちがって、冬の私は
中耳炎になる前に細菌に打ち勝てそうだ。

音のある世界がいい。
音の中で生きたい。

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