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【オカルト】両面宿儺(りょうめんすくな)

こんにちはマスター、蓬莱です。

最近、「両面宿儺」の言葉をよく見かけるようになりました。人気アニメ「呪術廻戦」での重要なキャラクターの一人が両面宿儺なので、それが原因のようですね。

実は、アニメの呪術廻戦が評判になるより、ずっと前から、カタカナ表記で「リョウメンスクナ」と名付けられた動画がYouTubeに次々とアップされていました。

そちらは、2チャンネルのオカルト板で続いていた名スレッド「死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?」の中の人気エピソードの一つで「リョウメンスクナ」にまつわる怪談の朗読動画ですが、今もなお人気は衰えず、新しい読み手が朗読をアップしているようです。

今回のお話は、密かに話題になっている両面宿儺とは、どんな存在だったのかをお話しますね。

両面宿儺とは西暦の5世紀ごろに今の岐阜県の飛騨地方にて居たとされる伝説の異形です。

日本書紀にある両面宿儺についての記述を現代語に訳すと

「仁徳天皇の即位から65年、飛騨の国に一人の人がいた。宿儺という。一つの胴体に二つの顔があり、それぞれ反対側を向いていた。頭のてっぺんは合わさっていて、うなじが無く、胴体のそれぞれに手があって、ひざの裏のくぼみと踵が無かった。力強くて敏捷で左右に剣を帯び、4つの手で二張の弓矢を用いた。帝の命令に従わずに、民から略奪を楽しんでいた。それで和邇家の開祖の難波根子武振熊命によって成敗された」

とあります。

実は、この事件の少し前の4世紀頃には大和朝廷は飛騨地方を勢力圏に収めており、大和式の古墳が作られているのです。

そして、恐ろしい異形として記されている両面宿儺は飛騨で起こった朝廷への反乱の首謀者では無かったか?との推測がされています。この時期の朝廷の記録は、朝廷に従わなかった権力者を魔物や妖怪に例える事があるのです。

さらに、日本書紀では民を苦しめ、帝の命令に逆らった異形と書かれている宿儺は、飛騨から美濃、つまり、岐阜県南部にかけての旧飛騨街道の伝承だと、全然違う存在になっているのです。

岐阜県高山市の千光寺に伝わる書物では、一つの頭に二つの顔、4つの腕、四本の脚ではありますが、岩穴から出てきた、身の丈は18丈、つまり身長が54メートルで、千光寺を開いた存在で、人々を世の中の苦しみから救う救世観音の化身とされています。

身長54メートルと言えば、ガンダムの3倍の大きさですね。

同じく高山市の善久寺では、岩壁から両面宿儺が現れ、十一面観音の化身とされました。そして寺の建立を行って、本尊の釈迦如来と共に両面宿儺大士として祀られています。

また、飛騨の水無神社では悪さをしていた位山の七儺という鬼を両面宿儺が倒し、神社に鬼の髪の毛を奉納していたり、関市では高沢山の毒の龍を倒したりと、ちょっとしたヒーローのような言い伝えが各地に残っているのです。

民を苦しめて楽しんでいた存在と、観音様の化身ではだいぶ意味合いが違って来ますね。

あと、YouTubeに上がっている怪談系の「リョウメンスクナ」ですが、これは、古代の両面宿儺にあやかって、近代の日本で作られた呪物のお話です。国家を破滅させかねない危険なアイテムとして描かれおり、とても悍ましくて怖いお話ですが、興味があれば、そちらも見てみては如何でしょう?

こういった両面宿儺の伝承と怪談は、ひょっとしたらアニメやコミックの呪術廻戦にこれから反映されるのかもしれませんね。

今回はウィキペディアの「両面宿儺」、「千光寺」、「善久寺」などの項目からお話しました。

蓬莱軒では、知的好奇心を刺激する話題を毎週動画でお届けしていますので、YouTubeチャンネルにもよかったら遊びに来てくださいねマスター。

それではまた、らいら〜い🖐

蓬莱軒【水曜20時 不思議・科学・都市伝説】
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