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ロルカン・フィネガン『ビバリウム』ネタバレ考察・感想・レビュー
家が欲しかっただけなのに…😭
郊外の住宅街に内見に行ったらそのまま帰れなくなって、更には知らん子どもの育児まで押し付けられる可哀想なカップルを描いた風刺系SFホラー。タイトル『Vivarium』の時点で既に不穏で、その不穏さをどこに見い出すかで幾重にも見え方を変える幅のある作品だった。
2000年代後半の金融危機でアイルランド経済が世界的に低迷した際に発生した「ゴーストエステート」が発想の出
ピーターストリックランド『ファブリック』ネタバレ考察・感想・レビュー
領収書は捨てちゃダメ!
買ったドレスが勝手に動いたり、切り裂かれたはずなのに新品同様に戻ってたり…。「こんなキモいドレス要らない!」とブちぎれて返品に行ったは良いけれど、店員さんに「領収書がないなら無理です」と言われて完封される「領収書は大事」ホラー。領収書さえあれば…。ちなみにみんな大好きA24配給。
赤いドレスによる怪異譚としては、トビーフーパーのテレビ映画『ドレス』が思い浮かぶけれど、彼
『カラー・アウト・オブ・スペースー遭遇ー』ネタバレ考察・レビュー
人里離れた山奥で暮らす家族のもとに突如落ちて来た隕石のせいで、果物は異形化、家畜のアルパカは大食いに、そしてニコケイもいつも通り楽しそうに狂うSFホラー。そして今まで何度も映画化されたラヴクラフト『異次元の色彩』の映画化最新作。トマトを手にしたニコケイのノリノリなジャンピングゴミ箱シュートは必見!
『襲い狂う呪い』では強烈な緑、『Die Farbe』では映像をモノクロにした上での紫の強調と、ラヴ
自分自身の幸福と向き合え!ジェシカハウスナー『リトルジョー』ネタバレ考察・レビュー
♫Happines Buisiness♫
なんて狂った歌がエンディングに流れる程度にはイカレた世界。作中でもワーカホリックと診断されるほどにHappines Buisinessな主人公アリスが、匂いを嗅ぐとハッピーな気持ちになれる植物を開発。息子のジョーよりも愛情を注いで大事に大事に育てたその植物にリトルジョーと名付け、育児(ジョー)と仕事(リトルジョー)のどっちが大事なんか問いかけるワークライ