玉の間攻略編 ⑫:副露後の守備力を意識しよう
【副露のメリット/デメリット】
今回のトピックは、「副露後の守備力を意識する」です。副露仕掛けはメリット/デメリットを両方意識しつつ面前と使い分けられると強いですよね。南場でトップ目の時に副露手でサクッと局消化したり、ドラドラ赤のタンヤオ手では全部仕掛けていく、などが特に有効な手段だと思います。
◆副露のメリット◆
速度アップ、ポン/チーでツモを補える、愚形部分の解消が可能、
他家への脅し効果(染めやドラポン)、......etc
◆副露のデメリット◆
打点が下がる、手牌が短くなり守備が不安に、手牌を読まれやすくなる、
安手とバレると他家から押し返される、......etc
副露のデメリットの中で自分が常に意識しているのが、この「手牌が短くなり守備が不安になる」という点です。役牌のみ1000点の安手仕掛けで発進したものの、後から親リーチを受けて安パイ無し→悪夢の12000放銃・・・、こういう苦い経験、皆さん必ず一度はあるのではないでしょうか?今回は、副露後の守備力を意識した、リスク管理をしつつの鳴き発進というものを考えていきたいと思います。
【例題1】
さて、さっそくですがこの牌姿をご覧下さい。
役牌の白が対子。白をポンすればリャンメン3つ+雀頭が残る、かなり良い形です。自分は南2局のトップ目で親番、白+赤1で2900の加点は是が非でも欲しい!という場面ではないですが、とりあえず白を鳴く前提で先を見ていきましょう。
7巡目、下家の切った5pをポンして白バックの副露発進です。さてここから何を切りますか?こちらの過去記事を参考に、考えてみて下さい。
白のポンを前提に、7m8mと6s7sのリャンメン2ターツは確定。雀頭は1pですので、残りの3p・6p・發が浮き牌となります。どれも現状フォロー牌にはならないので、ここで安全度を比較しましょう。
@3p
他家の現物・筋にはなっていませんが、たった今ポンした5p3枚見えのワンチャンス牌となり、やや安全そうです。
@6p
3pと同じく他家の現物・筋にはなっていません。3-6pはワンチャンスですが、6-9pについては全く否定できていません。
@發
2枚切れですので、タンキ待ちにしか当たらないかなり安全な牌です。
ということで、安全な順に 發>3p>6p となりそうですね。よってここでは6pを切るのが正着となります。
次巡に3mをツモりました。3mもやはりフォロー牌にはならないので、再度安全度を比較します。3mは全員の無筋ですので、3pや發よりは危険といえますね。よってここでは3mツモ切りとなります。
次巡に5sをツモり、白バックのイーシャンテンです。しつこく浮き牌の3pと發の安全度を比較します。3pが他家の現物になっているなどの変化は特に見られませんので、2枚切れの發を残し3p切りとします。
いかがでしたでしょうか。この例題1のような「自分が南場トップ目で絶対に和了りたい状況ではない」「自分の副露が安手=他家の打点が高いことが予測され押し返しが怖い」といったケースでは、守備重視の手組みを意識すると良いと思います。逆に「ラス目で絶対に和了りたい」「副露でも高打点が見込める」などのケースでは、安全牌ではなくフォロー牌を浮き牌として残す手組も想定しておきましょう。
例えば、例題1の3つ目の牌姿で3mではなく6sをツモった場合、1pと6sの縦受けが増えるフォロー牌として3pの代わりに残す、という選択肢もあります。3pも完全な安全牌とはいえませんし、發が1枚ありますので守備面が崩壊することにはならないと思います。(最悪、白の対子落としでオリることも可能なので)
【例題2】
続いてはこちらの牌姿。東3局トップ目で親番。役牌の中が対子。中をポンすればリャンメン3つ+雀頭が残る、こちらも良い形です。ただし打点が現状1500点しかみえないので仕掛けるにはやや微妙な手・・・と思っていたところに、上家から中が出ました。とりあえずポンしてみましょう。
さて、4m・9p・3sが浮き牌となります。どれも現状フォロー牌にはならないので、ここで安全度を比較しましょう。
@4m
上家と対面の両無筋+下家の片筋ですので、かなり危険な牌です。
@9p
下家にのみ現物となっています。ドラ傍なことにやや注意が必要です。
@3s
全員の無筋です。危険な牌ですね。
これといって安全な牌が見当たりませんので、とりあえず3sを切ります。さてさて、中のみの安手だし早く安全な牌を引いて交換したいぞ・・・
・・・見るも無残な結末になってしまいました。3s切りの後、1pを引いて123pのメンツが完成し4m切り。しかしその後2巡は安全牌をツモることができず、ブクブクのイーシャンテン状態のところに対面からリーチが。現物はおろか字牌や筋の牌も持っておらず、泣く泣く端っこアタックで9p切り→リーチ一発平和ドラ裏の満貫に放銃してしまいました。トップ目からの放銃はかなり痛恨。。。
このケースを見て分かる通り、「副露後に安パイを引けるかはツモ運次第」なんですよね。よって、副露後に守備力を考え出すのではなく、守備を事前準備してから副露する、という意識が大事です。中をポンした最初の牌姿に戻って考えてみましょう。
ここから中をポンした場合、守備面は大丈夫なのか?考える上でのポイントは「全方位に安全に打てる牌を確保できているか」だと思います。
・上家への安パイは? 現物の2mが対子 →◎
・対面への安パイは? なし →×
・下家への安パイは? 現物の9p →○
中ポンの時点で、既に対面への守備力は怪しい状態でした。今回はトップ目で和了り必須な場面ではない、中のみ1500点と打点も低い、という点から考えても1枚目の中はスルーしても良かったですね。
【例題3】
3つ目はこちらの牌姿です。南2局で2着目、3着目の対面親番をサクッと流したいとタンヤオ仕掛けをいれています。4-7mと3-6sに加えて5p7sの縦受けもある目一杯のイーシャンテンですね。12巡目、下家から7mが切られました。さて、この7mをチーしてテンパイを取りますか?
3-6s待ちは対面か下家からならこぼれてくるかもしれませんし、河も終盤の3段目、何よりここで局消化できればほぼほぼ2着連対は固いですよね。しかしその一方で、2副露後の守備面に大きな不安が残ります。対面の親にこそ現物の4sが残りますが、上家下家への安全牌は一切無い状態で残り5順を凌がなければなりません。仮に上家下家へ8000放銃したとしても2着の座が即危険に晒されるわけはないですが、3着の可能性はかなり上がってしまいます。
そこでおススメなのが、「4-7mチーはスルーし、3-6sはチー/5p7sはポン」というバランス感覚です。5mは下家の現物、6mは上家と対面の現物になっていますので、この5m6mターツを残しておくことで安全度を確保した副露進行が可能になります。また5p7sがポンできた場合には456sメンツが残ることになり、対面の現物4sも手元に残ります。自分の和了りと守備面を両方意識した、確実な手牌進行といえますね。
以上、3つの例題を挙げながら副露と守備力のバランスを考えて来ましたが、いかがでしたでしょうか。麻雀は攻撃意識100%でも守備意識100%でも勝てないゲームになっています。リスクとリターンを天秤にかけながら、毎巡毎巡慎重な打牌選択をしたいものですね。
それではまた次回、お楽しみに!
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