祝・雀聖3昇段の裏側に迫る!
【昇段のご報告】
私、ほら和了は、2021/10/09(土)の21時から「40100点以上のトップ」という条件で雀聖3昇段に挑戦。3着→2着→2着→3着→2着、と5半荘目で無事昇段することができました。Twitterにて応援リプを下さった皆様、配信で応援コメントを下さった皆様、本当にありがとうございました。
配信アーカイブはこちら。概要欄にタイムスタンプを付けてありますので、昇段を決めた5半荘目からでもご覧頂けます。あ、ついでにチャンネル登録もよろです!!
今回は、雀聖2期間の振り返り、そして雀聖3昇段に向けて行った意識や技術のスタイルチェンジについて記事にしていきたいと思います。皆さんのレベルアップやモチベーションアップに、少しでも役立つ点があれば幸いです。
【雀聖2の振り返り】
雀聖2に昇段したのは2021/02/12のことでした。その後は2500pt~3500ptの原点付近をウロウロ。良い意味でも悪い意味でも「メチャクチャ安定」していましたね。今から振り返って見ると、その頃は初心者から始めて1年かからず雀聖2に昇段した自分に、ある程度満足してしまっていたのだと思います。魂天はおろか雀聖3に上がるイメージすらできず、段位戦の数はひたすらこなしていましたが技術向上の努力はほとんどしていなかったと思います。
転機になったのは、雀聖2になって3か月後の2021/05月、雀魂四象戦・夏の陣の予選ボーダーチャレンジでした。当時雀聖2原点付近だった自分は、モチベーションアップの目的で初めて雀聖3昇段を目指すことになります。結果としては、一瞬自身初の4000pt超えを果たすも、その後はポイントじりじりと減らし、2000pt前後と原点を大きく割ってしまいました。
2021/06月に入り、Youtubeの配信を開始。これが2つ目の転機になりました。配信活動自体は非常に楽しめていたのですが、慣れない環境への順応、裏での準備や配信クオリティ向上のための勉強などに時間を割くようになった結果、雀聖1昇段後コンスタントに確保できていた段位戦の打数が激減してしまいました。調べてみたところ、06月はわずか36半荘。毎月150半荘は安定して打っていたことを考えると驚愕の数字です。単純に「麻雀勘」のようなものが薄れてしまっていたのだと思います。
そして07月に入り、麻雀人生初の大スランプに陥ります。一時は500ptぐらい、あと2ラスで雀聖1降段という瀬戸際まで追い込まれてしまいました。これまで降段もなく順調に成長してきたので、初めての経験にどうすれば分からず、メンタル的にもかなり参っていたことを今でも鮮明に覚えています。
ここで一旦Twitter活動と段位戦を休止し、自分の麻雀を見つめ直す期間を設けました。期間にして1週間ぐらいだったと思います。そして07月半ば、段位戦に復帰。そこからは成績が一気に上向いていきます。月内に原点3000ptにスピード復帰、翌月08/15に久しぶりの4000pt超え。そして09/12には自身初の5000pt超え。その後は安定して5000pt前後をキープし、10月に入って訪れた上振れをしっかりキャッチ、そして10/10の昇段と相成りました。雀聖3昇段にかかった期間は「8か月/1000半荘弱」。本当に長く険しい道のりでした。。。
ここで、各期間ごとに区切ったスタッツを見てみましょう。「雀豪1~雀聖1」「雀聖2前半(~07/14まで)」「雀聖2後半(07/15以降~)」です。
まずは「雀豪1~雀聖1」の期間。雀豪時代は飛びぬけて良いスタッツではありませんでしたが、雀聖1期間がかなりの上振れとなっていた結果、全体では安定段位:聖2.01と十分ですね。
続いて「雀聖2前半(~07/14まで)」。雀聖2のキツいポイント配分に苦しみ、かなりオリ寄りの打牌になってしまっていますね。ラス回避率は20%前後と変わらず安定していますが、トップ率が23%以下はさすがに低すぎ。和了率20%台、立直率16%台と、攻撃関連のスタッツが軒並み低くなっています。
そしてこれが「雀聖2後半(07/15以降~)」のスタッツです。守備面では放銃率はそのまま、平均放銃打点が4800点台と優秀。そしてラス率は驚異の16%台となっています。攻撃面でもトップ率28%台、和了率22%台と十分な数値。連対率は驚異の6割を誇っています。改めてみると、雀聖2の前半と後半ではもはや別人ですね。
ということで、この後の記事ではこの2021/07月の大スランプをきっかけに行った見直し・スタイルチェンジについて、以下4つに分類して紹介していきます。
①環境面 の見直し
②知識面 の見直し
③手組面 の見直し
④意識面 の見直し
【①環境面 の見直し】
自分は元々かなりの鬼打ち勢で、雀豪3?あたりの全盛期は休日にまとめて20半荘とか、MAX月200半荘弱とか平気で打っていました。ところが、2021/07月の大スランプにより、打てば打つほどポイントを溶かす最悪の状況に。ここで麻雀に向き合う姿勢を改めることになります。それが「2回ラスったらその日は段位戦を終了する(実質は1ラスで終了していた)」というルールです。元々はポイントを大量に減らさないようにするための苦肉の策(=消極的なアイデア)だったのですが、これが予想外に自分にフィットした模様。そして一人でヒッソリと守っていたルールも、のちにフォロワーさんから素敵なタグ「#ラスったら終わり段位戦」をお借りすることができ、Twitter上でも布教活動を行うように。着実に信者を増やしていきました(笑)
この「#ラスったら終わり段位戦」が功を奏した理由として、以下のような点が挙げられると思っています。
◆日々のメンタルの安定(1ラスならそんなに落ち込まない)
→その日の夜~翌日日中までモヤモヤすることが減った
◆1日で大量のポイントを溶かす心配がない
→大量に増えることもないけど
◆ラスったら終わり=1半荘しか打てないので「沢山打つには丁寧に打たなきゃ」という意識が芽生えた
◆結果、体調の良い時やメンタルが安定している時、そして集中できる環境でのみ打つようになった
結果「キレ打ち」「ながら打ち」のような中途半端な半荘が劇的に減り、一打一打をより大事に思考・選択できるようになった気がします。ルールの制約上どれだけ勝っても打数はある程度抑えられてしまうのですが、「量より質」という感じで発想を転換できたのかな?あ、もちろん打数は正義ですけどね!!
【②知識面 の見直し】
知識面・インプット面で取り組んだのは3点。1つ目はウザク本緑です。
自分は初心者から麻雀を始めて、これまで牌効率に関する学習を全くと言っていいほど取り組んでこなかったのですが、このタイミングで初の書籍による座学の時間を設けました。事前調査でそんなに難しくはなさそうなこちらのウザク本緑をチョイス。1週間で集中して読み切った記憶がありますね。自分は咲乃もこさんをはじめとするVtuberさんの段位戦配信などをメインに学んできたため「立体何切る」の能力がかなり先行しており、ここで「平面何切る」の能力不足、そして吸収の必要性を強く感じました。まずはシンプルに受け入れ枚数が最大になるような正解を選べるようにしつつ、1手2手先の変化も少しずつ意識できるように。そして残り枚数や待ちの良さ、切る牌の危険度などは得意の「立体何切る」能力で補完するようなイメージが徐々にできあがってきました。
知識面・インプット面の取り組み、2つ目はnote記事の執筆開始です。自分の頭の中にある知識の整理・アウトプット目的で2021/08月から始めたのですが、これがかなり効果があったなと思っています。何となく理解していた物事を、他人が読んでも分かり易いようにどう言語化するのか?を模索するようになったことで、結果的により麻雀に関する考察や理解が深まったのだと思います。特に自己紹介記事の後に初めてアップした記事「愚形待ちを考える」は今読んでみてもなかなかの自信作ですね。興味ある方、現在その1~その2までアップ済ですのでどうぞ。
知識面・インプット面の取り組み、最後の3つ目は皆さんご存じ(?)、Twitter上での何切るアタックですね。タイムライン上に流れてくる、様々なレベル帯のプレイヤーの何切る問題にひたすら突撃。不正解上等、とにかく数をこなす千本ノック的な発想で、トレーニングを重ねました。安パイ何切る、序盤の手組み何切る、リーチ判断、オーラスの立ち回りなどなど。誰かが迷った場面ということは、そこに学びのチャンス、成長のチャンスがあるはずなんですよね。よく何切るリプをして「わざわざ丁寧にありがとうございます!」とか言われるんですが、個人的には100%自分の勉強の為であって、実際の所その人のことを思ってリプなんて全くしてないんですよ(笑)なんか言い方悪くてイヤなヤツみたいに思われそうですが、勿論真剣に考えてリプはしているのでどうか許してくださーい。
【③手組面 の見直し】
技術面でもけっこうメスを入れましたね。とはいっても、誰かに聞いて教えを請いたりしたわけではなく、何となく自分で変えてみようかな~と思って始めてみた感じです。なので、このアイデアが万人にとっての正解になるとは露にも思っておりません。どうかご注意下さいませ。《1》《2》《3》の3つ、挙げておきます。
《1》序盤(特に東場)はとにかく字牌を切る
自分はMリーグ視聴きっかけで麻雀を始めたので、序盤から字牌を安パイ感覚で持って進める、という手組進行を盲目的に採用してここまで来ました(来てしまいました)。そのため速度の面でどうしても他家に遅れを取ることが多く、それが低い和了率(21%台)として結果に表れてしまっていました。そこで、序盤はとにかく字牌を切るように意識を変えました。以前は字牌を残したい→孤立の19牌を切り飛ばしていたのですが、この19牌の受け入れ有効牌(123/789)を重要視するようになった感じですね。ペンチャンカンチャンからスタートしても後に縦重なりで雀頭になればOKですし、テンパイ速度の事を考えれば字牌残しよりも圧倒的に効果的です。そして「生牌字牌と1枚切れ字牌」の比較でも、以前は安全度重視でほぼ1枚切れ字牌を残していたのですが、最近は重なりを意識して生牌字牌を残すようにしています。雀頭にもなる、シャンポンリーチも打てる、重なれば安パイにも活用できる。攻撃面ではほぼお荷物状態の1枚切れ字牌よりもメリット結構あるじゃん、みたいな感じですね。
ちなみに、南場以降は字牌の取り扱いは当然変わります。具体的には、役牌のみ1000点などの局消化価値が高い場面では当然重なりを重視して字牌を残しますし、トップ目の場合は安全牌を持ったスリムな進行にします。東場のフラットな状況では、真っすぐ字牌を切っていこう、といった意識ですね。
《2》鳴くのを我慢して打点を下げないようにする
以前は愚形解消ができる箇所は、リャンシャンテンからでも割と鳴いていました。対して和了率がアップしないのに、結果的に打点だけが下がっていく悪循環だったのだと思っています。特に東場で鳴いての1000点2000点に価値などないことに(今更)気づきました。現在では鳴くならせめて「ポンテン/チーテン」を意識していますね。
下家の6pをポンすれば愚形解消、タンヤオ赤、2000点の5-8mテンパイです。以前なら下家の速度に併せなきゃと鳴いていたところですが、ピンズ上の景色が良さそうなこともありスルー。
5-8m先埋まりからのカン7pツモ!
《3》とにかくリーチを打つ
先程紹介したスタッツでも分かる通り、雀聖1までは18%あったリーチ率が、雀聖2前半では16%台まで落ち込んでいます。これは雀聖2のラス配分にビビッて対親のリーチ/愚形待ちでのリーチ/南場でのリーチなどを打てなくなってしまったことに起因している、と今では考えています。
スランプ突入期に行った、2021/07月の段位戦配信より。
南3局で2着目、対面の3着目からリーチが来ました。自分は2mツモでドラ赤のカン2sテンパイ。ここで9m切りダマとしています。対面に仮に8000点放銃したとしてもオーラスで逆転2着もまだまだ残る状況、そしてラス目上家との点差も17300点と跳満ツモでもセーフです。今見ると「なんでこれリーチしないの?こんなリーチ判断しちゃう人が偉そうに何切るにリプしてるんだプークスクス」みたいな局面ですが、目が曇ってしまっていたんですね・・・。ちなみに、この後同巡に対面から2s出てきます(涙)
大スランプを期にこの意識を何とか変えなくては、と自分なりに意識しました。イメージとしては、和了りそのものではなくまずは面前でリーチまで到達することを目標にする感じですね。満足のできる最終形でリーチできれば、その後はもはや時の運(※一部、待ちが残っていそう?和了れそう?といった読みも必要ですが)。結果が失敗に終わったとしても、気持ちを切り替えて次局に臨めるようになった気がします。
こちらは雀聖3昇段直前、2021/10月の牌譜です。対面の親リーチに対してタンヤオ赤、4-7sテンパイで追いつきました。テンパイ打牌の6sはリーチ者の両無筋ですが、打点(ツモで2000-4000、高め一盃口)も待ち(6s3見えで7sは全体的に安そう)も十分形。仮に親に12000点放銃しても、上家とはまだまだ2着争いができそうな点差です。ここは思い切ってリーチにゃ!
見事に2000-4000ツモ!この半荘は逆転トップでした。
こんな感じで、《2》の鳴き我慢をしつつ《3》正しいリーチ判断でリーチを積極的に打つ、このスタイルチェンジが見事にハマった形です。雀聖2後半はリーチ率が20%に迫る勢いで上昇し、平均和了打点も6500点超えとスタッツにもその変化がハッキリと現れています。
あ、ちなみに先日の雀聖3昇段戦配信では、いつもよりさらにラスれないプレッシャーから相変わらずのリーチできない病が発症していましたね。まだまだ勉強が必要です。
下家リーチの現物待ちだけど、かなり4-7s良さそうだし親だしリーチにゃ!!(※なお実際にはダマ→この後7s一発ツモる模様)
カン5pとか悪い待ちだけど3p7pいつ引くかなんて分からない。まだ東1局、親リーも来ないし打点はあるのでリーチにゃ!!(※なお実際にはダマ→この後5p一発ツモる模様)
【④意識面 の見直し】
意識面については、「見直した部分」と「見直さずにバランスをそのまま保った部分」とがあります。意識面で見直した部分はこちら。
《1》副露ケアを緩める
自分は雀豪2以降、他家の副露仕掛けケアを意識することで劇的に放銃率が改善し成績が上がった経緯があります。その延長なのか名残なのか、雀聖2のラスに厳しいポイント配分を前にして、その意識がやや過剰になっていたのだと思います。他家の1副露を極端に警戒し、自身の手格好が良いにも関わらず迂回したり崩したりといったことがしょっちゅうでした。
これはスランプ突入前後、2021/07月の牌譜です。東を切れば58s7s待ち(枚数は残り3枚と少ないですが)、チンイツ赤12000点の超勝負手をテンパイです。しかし両脇の役無しの仕掛けに生牌の東が切れず、8s切りでホンイツ赤8000点の東タンキとしました。
実際の手牌はこちら。上家は發チャンタのイーシャンテン、そして下家は字牌3枚持ちのバラバラな手牌でした。東のロンどころか、他家全員がテンパイすらしていないんですよね。こんな感じで、ありもしない恐怖を勝手に作り出し、一人ビビッてオリてしまうことが多かった印象です。勿論、こういった守備意識がプラスに働く局面もたくさんあるのですが、要は他家の速度を見極める力が不足していた、ということです。
大スランプを経て、他家の副露に対しては次のような意識を持つように見直しを図りました。個人的には2つ目が特に重要だと思っています。
・放銃率が上がることを恐れない(放銃率は低けりゃ良い訳ではない)
・対局後に、牌譜を見直して他家の速度感を確認/復習する
・他家の打点をしっかり読み、安手と踏んだら積極的にいく
一方、意識面で見直さずにバランスをそのまま保った部分はこちら。
《2》対リーチや南場における押し引きバランス
不調→ポイント増やしたい→和了りを増やしたいからと無理なシャンテン押しをしたり対リーチに突っ込んでいったり、といったバランスの無理な変更は行いませんでした。立ち回りについても、東場は様子見、南場は安手で局消化や差し込みアシストを有効活用。ラス回避最大化で瞬間着順を常に意識する自分なりのバランスを変えずに打ち続けました。この部分については、スランプによるメンタル面の悪影響が大きかったのかな、と今から振り返ってみると思いますね。
【終わりに】
いかがでしたでしょうか。初心者から麻雀を始めて1年、初めて経験した大スランプ。今となっては、このスランプこそが自分を見つめ直す良い契機になったのだと信じて疑いません。この先も何度となく壁にぶつかり悩むこともあると思いますが、その度に立ち止まって、自分の力で考え、そして乗り越えていきたいと強く思っています。
雀魂の頂の称号「魂天」まで、あと1つ。これからもコツコツ頑張るぞ!
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