玉の間攻略編 ①:愚形待ちを考える(その1)

【麻雀の待ちの種類】

今回取り上げるトピックは「愚形待ち」です。なおここでの愚形待ちとはリャンメン以外の待ち全て、すなわち「カンチャン」「ペンチャン」「シャンポン」「タンキ」を指すものとします。まずは数牌における簡単な待ち一覧表を作成してみました。こちらをどうぞ。

愚形一覧表

この辺りは皆さんも当然ご存じかと思いますので、サクッとポイントをまとめるだけで残りの細かい説明は割愛させていただきます。

 ・「1、9牌」は愚形はシャンポン/タンキのみで最も安全
 ・「2、8牌」にペンチャン待ちは無いが、「3、7牌」にはある
 ・「4、5、6牌」は2パターンのリャンメン待ちがある分危険度は高い


【リャンメン待ちの考え方】

ところで、愚形待ちについて考える前に、そもそも任意の数牌が「リャンメン待ち」に当たりそうかどうか、という判断をどのように行っていますか?とても有名かつ便利な知識を、皆さんは既にご存じのはず。そう、それが「ワンチャンス/ノーチャンス(壁)」という概念です。「わんちゃんしゅってなんでしゅか?」と思ったアナタ、すみません自分にはそこまでお世話はできませんので、頑張って調べてみて下さい。。。

例えばこんな場面。
(※『全体牌図作成くん』ツールを利用させて頂いております)

ワンチャンス1

3巡目に上家の親からリーチが入りました。自身の手牌には現物はおろか、字牌も筋の牌もありません。ここで皆さんは「おっ、自分で持っている1枚を含めて2mが3枚見えているぞ、1mは1-4mリャンメン待ちのワンチャンスだな!」と考えたはずです。つまり、「リャンメン待ちを構成する牌(※この例では2mと3mです)が(自分の手牌を含めた)場にどれだけ見えているのか」が、「リャンメン待ち」に当たりそうかどうかを判断する重要なファクターの一つということが言えます。

では、少し捨て牌を変えたこんな場面ではどうでしょうか。

ワンチャンス2

先ほどの牌姿から、リーチ者である上家の捨て牌を2mの対子落としに、下家と対面の2巡目の捨て牌を2mから中のツモ切りに変えた場面です。2mが3枚見えで1mは1-4mリャンメン待ちのワンチャンス、という点には変わりがありません。さて、上家のリーチに対しての1mの危険度は、先ほどの牌姿と比べてどうでしょうか?

正解は「1mがリャンメン待ちで当たる可能性は非常に低く、危険度は低下している」です。

そもそもワンチャンスとは「残り1枚の牌をリーチ者が持っている可能性が低い(=他家または牌山にある)」という考え方です。では今回の牌姿で、リーチ者である上家が残り1枚の2mを果たして持っている可能性はどれぐらいでしょうか?答えは限りなく0%に近いはずです。何故なら、上家は2mを手出しで対子落とししています。もし上家が1-4mリャンメン待ちだと仮定すると、2223mと持っているところから2m2mと切ってリーチしているということになりますよね。2223mは「1-4m3m」という変則3面待ちの極めて良形であるため、このターツをあえて壊すというのはかなり考えづらいです(※3色やチャンタといった手役が絡む稀な例を除く)。

このように、「リャンメン待ちを構成する牌をリーチ者本人がどれだけ河に捨てているのか」も、「リャンメン待ち」に当たりそうかどうかを判断する重要なファクターとなります。ちなみにリーチ前に切っている牌であればあるほど、その情報の信頼度は増します。リーチ前に切っている=打ち手の意思が介在している、という何よりの証拠ですので。


まとめるとこんな感じです。

 ①リャンメン待ちを構成する牌が、(自分の手牌を含めた)場に
  どれだけ見えているのか?
   
→場に沢山見えていればいるほど、危険度は下がる
 ②
リャンメン待ちを構成する牌を、本人がどれだけ河に捨てているのか?
   
→本人が沢山捨てていればいるほど、危険度は下がる


【愚形待ちの考え方】

自分が愚形待ちについてキチンと考えるようになったのは、確か雀豪3・・・いや、雀聖1に昇段した後だったでしょうか。というのも自分は守備的なスタイルがベースなので(放銃率11%以下)、筋の牌といえど安易に切らない=愚形待ちについて考える機会が単純に少なかったからなのかな、と勝手に思っています。

さて、愚形待ちの中でも「カンチャン待ち」「ペンチャン待ち」の2つについては、基本的な考え方はリャンメン待ちと同じです。8mを例に挙げて考えてみましょう。今回は愚形待ちですので、5-8mのリャンメン待ちは除いて考えます。

 ①カンチャン待ちを構成する牌が、(自分の手牌を含めた)場に
  どれだけ見えているのか?
   →カン8mを構成する7mと9mが場に沢山見えていればいるほど、
    危険度は下がる
 ②カンチャン待ちを構成する牌を、本人がどれだけ河に捨てているのか?
   →カン8mを構成する7mと9mを本人が沢山捨てていればいるほど、
    危険度は下がる

どうでしょうか?リャンメン待ちの時と全く同じです。仮に9mが場に3枚見えていれば「カン8mは9m3枚見えのワンチャンス」という表現も可能です。7mも3枚見えていればダブルワンチャンスですね。はい以上!これにて愚形待ちの考え方講座は終了~~~~

・・・とはいきません。愚形待ちにはまだ「シャンポン待ち」「タンキ待ち」が残っています。この残り2つの愚形待ちを考えるためには、もう1つ重要なファクターを意識する必要があります。それは「その牌自身が(自分の手牌を含めた)場にどれだけ見えているのか?」というものです。これは考えてみれば至極当然のことで、例えば生牌の發は1枚切れの發よりポンされやすいですよね。目見えの枚数が多ければ多いほど他家に持たれている可能性は減り、それに従ってシャンポン待ちやタンキ待ちに当たる可能性も低くなります。


以上、まとめるとこんな感じです。

 ①愚形待ちを構成する牌が、(自分の手牌を含めた)場に
  どれだけ見えているのか?
   
→場に沢山見えていればいるほど、危険度は下がる
 ②
愚形待ちを構成する牌を、本人がどれだけ河に捨てているのか?
   
→本人が沢山捨てていればいるほど、危険度は下がる
 ③その牌自身が、(自分の手牌を含めた)場にどれだけ見えているのか?
   →
場に沢山見えていればいるほど、危険度は下がる

待ち読みファクター


さて、長くなってしまったので今回は理論の説明までとさせていただきます。次のnoteでは、この考え方をベースにした練習問題をいくつかご紹介したいと思います。お楽しみに~。

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