玉の間攻略編 ⑯:2軒目リーチに備えよう

【2軒目リーチへの準備】

他家から先制リーチが飛んできた場合、まずはその後の立ち回りをはっきりと決めましょう。大きく分けて以下の4パターンとなります。 

 ◆真っすぐ押す(不要な牌は危険であろうと切る)
 ◆保留/一旦迂回する(1切れ字牌やノーチャンスの牌で粘る)
 ◆ベタオリする(現物牌を切って確実にオリる)
 ◆差し込む(※かなりの例外※)

リーチに対する立ち回り4パターンを判断するための材料としては、以下のようなものが挙げられます。

《自身の立場》
南場で自身がラス目、3着からのリーチなどはリスク承知で押し返さざるを得ない状況になります。その逆、トップ目で子からのリーチなどは静観してOK、のような局面も出てきます。和了られても良い/和了られたくない他家、という判断基準ですね。
《自身の手牌価値》
待ちの良さや打点によって押し引き判断は当然変わります。リャンメン+3面チャンのイーシャンテンや満貫確定の手なら押しますし、テンパイであっても2枚切れカンチャン待ちなどはオリ寄りになりますよね。
《リーチ者の打点想定》
ドラがほとんど見ている場合は安いと踏んで押し返したり、逆に暗槓が入っている場合は高打点の可能性が高まるのでオリ寄りになったり、と様々です。それから親リーチにも基本的にはオリ寄りになりがち。

そして、リーチに対してベタオリするという判断をした場合、注意することは2つです。1つ目は「そこからの和了りを100%諦める」ということ。これは当たり前のようで、初級者~中級者のレベル帯では意外と徹底されていない感じがしますね。あわよくばケイテンを・・・という考えは、手を崩さずにリーチを凌ぐことができる上級者のみ許される(?)思考。その後のツモが良かったり現物が増えたりしても、誘惑されてはいけません。責任を持って初心を貫徹しましょう(笑)

そして2つ目が今回の記事のトピック。それは、一旦手を崩す判断をしたら「2軒目の追っかけリーチに備える」ということです。具体的には、リーチ者の現物牌が複数ある場合、より全体に安全そうな牌を温存して切っていく、という点を意識したいですね。

それでは、この後は実際の段位戦牌譜を用いてベタオリ何切るを見ていきましょう!!


【ケース:その1】

画像10

上家から5巡目にリーチがかかりました。自身は現物のみを切っていく安全な進行。さて、ツモ9mのこの場面で何を切りますか?

 ①3m
 ②1p
 ③1s
 ④南

現物は3m、1p、1sの3種です。生牌の南は当然NG。ここで注目したいのは対面の河ですね。リーチ後に2p→6p→1s→1pと、なんと4本も無筋の牌を切り飛ばしてきています。リーチ間近、もしかしたら既にダマテンすら入っているのかもしれません。ということで、対面の追っかけリーチに備えて、対面には無筋である①3mを先に処理するのが正解です。ちなみに1p1sは対面の現物、1sは下家にも現物ですので温存しましょう。


ケース:その2】

手出し03

対面の先制リーチに対して、現状、自分の手牌に対面リーチの現物は「3p」「6s」「東」の3種4枚です。下家が8s→2mと無筋を2枚押してきていることを確認。残りツモ番は4回、下家の追っかけリーチに備えて東は温存し、対面リーチの現物かつ下家の筋である3pを先に処理したところ、まさかのタンヤオのみダマテンに放銃。とはいえドラ北が全て見えている場で、被害は浅く済みました。個人的には下家親に鳴かれてケイテンを取られないようケアする意味も含め、打3pは問題ないかな?と思っています。(※リーチ者に対しての他家の押し具合を読むテクニックは、今回のトピックとは別になるので・・・ただの負け惜しみということでお許しくださいwww)


ケース:その3】

画像4

下家のリーチに対して、ツモ發の場面。さてここから何を切りますか?

 ①9m
 ②赤5p
 ③9p
 ④6s
 ⑤北
 ⑥發

対面の親が2s、そして上家が8sとともに無筋を切り飛ばしてきています。自分はリャンメン3つのリャンシャンテン。和了りも目指せそうな手牌ですが、現状余裕のある2着目でラス目下家がツモる分にはさほど困らない展開です。そこで上家対面の追っかけリーチに備え、全体にかなり安全な⑤北や⑥發は温存したいところ。①9mも対面の現物です。ということで、下家にしか通っていない牌を今の内に通しておきましょう。候補は②赤5pか③9p、そして④6sでしょうか。ここでは④6sをチョイスしました。

画像5

なんと、すでに上家はダマテンを入れていました。点数状況的にラス回避争いのライバルのリーチですし、追っかけリーチと来そうなものですが・・・。なお平和ドラ1の2000点の出費で済みました。局消化もできて、むしろ嬉しい結果かもしれませんね。ちなみに対面親もかなり広い形のイーシャンテンでした。


ケース:その4】

画像7

上家から6巡目にリーチが来ました。現物の南を対子落とししての8巡目。たった今下家が切った2mも現物になっていますが、ここは前巡に下家が切った7mを切りましょう。理由は対面の河です。2mと7m、下家には両方現物ですので当然安全だとして、対面にはどちらが安全そうに見えますか?そう、対面は5mを切っていますので、当然筋の2mの方が安全ですよね(1mドラ傍で愚形やや怖いですが)。ここで2mを温存しておけば、この後対面から追っかけリーチが来ても比較的安心です。

画像8

ということで7mを切った直後、下家親から追っかけリーチが来ました。ここでも落ち着いて、やはり対面の追っかけリーチを想定して準備しましょう。2mは温存したいので、ここはたった今通った8pを合わせます。対面には無筋ですので、今の内に通しておきたい所ですね。

画像9

・・・いやいや、本当に3軒目リーチ来ちゃいましたね(汗)ということで、ここで温存しておいた2mを満を持して切りましょう。現物が増えなければ次は2枚切れの白でしょうか。基本的に2軒3軒のリーチが入っている場合は現物がどんどん増えていくので、1巡凌ぐだけでもかなり大きいです。事前の準備をしっかりしておけば、そんなに怖くないですよね!!


ケース:その5】

画像8

オーラス、僅差のトップ目です。和了りトップ、2副露でイーシャンテンの所に対面の親からリーチが飛んできました。2着やむなしの構えでオリていたところ、なんと上家からも追っかけリーチが。さて14巡目、ツモ2mの場面です。ここから何を切りますか?

 ①2m
 ②5m
 ③8m

①2mは上家対面の現物。②5mもたった今上家が通した現物です。③8mは現物ではありませんが筋なので5-8m否定、9m4枚見えでカン8m否定、8m3枚持ちでシャンポン否定ということでタンキのみ。さらに3巡凌げるメリットもあります。・・・どれでも良いのでは?と思ったアナタ、詰めが甘いですよ。注目は下家の河です。2mが現物になっていますよね。現状オーラスでラス目の下家は、当然2軒リーチなど構わずゼンツしてきます。よって、下家の追っかけリーチに備えて①2mは絶対に温存しなくてはいけません。ということで、正解は②5mとなります

画像9

・・・ってまた3軒目リーチ来るんかーーーーーーーい(笑)こうなると手牌の左端、2mが心強いですよね。ベタオリの手順って、実はすごく繊細な判断力が求められるものだと思っています。是非意識してみて下さいね。


【まとめ】

リーチに対してベタオリするという判断をした場合「2軒目の追っかけリーチに備える」意識を常に持つ
◆具体的には、より全体に安全そうな牌を温存して切っていくことを意識する

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?