鳴きのバリエーションを増やそう
今回は、鳴き(副露)のバリエーションについて取り上げたいと思います。鳴きには色々な目的、色々なメリットがあります。用法容量を守って適切に使っていきたいですね。
・・・といっても、鳴きを交えた効果的な和了りの手順、みたいな本質的な話はできません。だって分かんないもーん。
ということで、前半は和了り目的の鳴きの基本知識を2つほど。そして後半は、(筆者の大好きな)ほとんど使う場面が来ないようなニッチな鳴きスキルのご紹介になります。当然ですが、後半の方が気合い入ってます(笑)
それではどうぞ~。
【和了り目的の鳴き ~喰い替え~】
喰い替えとは、既に完成しているメンツ(順子でも刻子でも可)を、鳴きを入れることで壊したり組み替えたりするテクニックのことです。喰い替えできないパターンというものも存在しますが、その辺りの基礎知識につきましては今回は割愛させていただきます。
この喰い替えの目的としては、《1》役を確定させる《2》打点を上げる、の2つが挙げられます。
《1》役を確定させる目的の喰い替え
現状、リャンメン2つの役無しイーシャンテンです。仮に自分がオーラス僅差のトップ目であったとすると、テンパイしたとしてもリーチはしたくないですよね。そこで役有りの状態にすべく知恵を絞ります。上家から4mをチーできれば、イーシャンテンを維持したままタンヤオに移行できますよね。ただし4mチー1m切りはできないので、不要牌の東を一旦切ります。
このように、一通やタンヤオ、三色といった役を確定させるために喰い替えは有効なテクニックといえます。
《2》打点を上げる目的の喰い替え
現状、中のみ1000点の4-7pテンパイです。ここで上家から赤5sが切られたら、テンパイtoテンパイでの喰い替えが可能です。
「え?5sチーして2s切りの喰い替えはできないよね?」そう思ったアナタに朗報です。赤5sを34リャンメンでチーして2s切りはNGですが、赤5sを46カンチャンでチーして2s切りは可能なんです。456sのメンツ完成に2sは関わっていないために合法的な喰い替えが可能なパターンですので、是非覚えておきましょう。
こちらは白赤1で2000点、3-6sテンパイです。マンズの6連形が既に2メンツとして確定していますが、こちらもテンパイtoテンパイでの喰い替えが実は可能です。上家からマンズのドラが切られた場合に鳴くメンツを工夫すると、テンパイを維持したまま手牌を1 翻アップさせることができますよ。
こちらはポンで喰い替えができる珍しいケースです。現状中ドラ1で2600点の3-6sテンパイです。ここで上家から切られた白をポン→オタ風であるアンコの南を1枚落とすことで、テンパイを維持したまま手牌を1 翻アップ(中白ドラ1の3900点)させることができます。
【和了り目的の鳴き ~喰い伸ばし~】
喰い伸ばしとは、既に完成しているメンツを意図的に分断するようにチーを入れるテクニックのことです。
この喰い伸ばしの目的としては、《1》待ちをより良い形にする《2》牌の水増しをする、の2つが挙げられます。
《1》待ちをより良い形にする目的の喰い伸ばし
現状、タンヤオ赤1、カン3mのテンパイです。ここでマンズをチーして2m切りをすることで、カンチャン待ちをリャンメン待ちに変える喰い伸ばしが可能です。
こんな感じで、3パターン考えられますね。4567mの4連形と考えると、3-6mと5-8mが喰い伸ばしできることが分かると思います。(※3mはロン牌)
また、2sをポンすることでカンチャン待ちをノベタン待ちに変える喰い伸ばしも可能ですね。場に見えている残り枚数などを踏まえた上で、どこを喰い伸ばしするかをしっかり判断したい所です。
現状、6mと6sのシャンポン待ちです。ここでマンズをチーすることで、シャンポン待ちをリャンメン待ちに変える喰い伸ばしが可能です。
こんな感じで、5mを46カンチャンでチーですね。1-4m待ちになります。
《2》牌の水増しをする目的の喰い伸ばし
發をポンして、ピンズのホンイツを目指している手牌です。上家から切られたピンズは、牌の水増しをする意味でも積極的に喰い伸ばしていきたい所です。
4pを35カンチャンでチーして7m切り。イーシャンテンに手を進めることができました。このように、ホンイツ手では喰い伸ばしは非常に有効となります。
牌の水増し目的の喰い伸ばし、応用問題がこちらです。自分はヘッドレスでリャンメン3つのリャンシャンテンです。上の牌姿で、上家から絶対に鳴きたい牌があるのですが、分かりますか?
正解は・・・「ドラの3p」です。鳴きが苦手な方には123pという完成メンツを壊すことに抵抗があると思いますが、このドラ3pを24pのカンチャンでチーすることによって、自身の3p対子をヘッド固定しつつ1 翻アップさせることができ、さらにタンヤオの役有り進行にすることができます。ドラが多めのタンヤオ仕掛けをする際にはかなり使える喰い伸ばしテクニックですので、是非参考にしてみてくださいね。(※補足:残す牌の安全度的に、1pではなく2m切りが良いかもですww)
【和了り以外の目的がある鳴き】
自身の和了り以外の目的がある鳴きとして、5つの例を挙げておきます。
①一発消し
文字通り、リーチ者に付く1 翻役「一発」の可能性を消すための鳴きです。チーでもポンでも構いません。この一発消しをすべき場面としては、主に以下2つが挙げられると思います。
《1》リーチに押し返す気が無い&安全牌が豊富にある
リーチを受けた時点で自分の手がバラバラ、打点も見えない、南場トップ目で無理に和了りに行かなくても良い・・・。そういった立場の場合、安全牌が沢山あるのであれば一発消しで手牌を短くしてもさほどリスクは無いと言えますね。相手の一発を消しつつ、しっかりオリていきましょう。
例えばこんな場面。南2局で余裕のトップ目、ラス目の対面からリーチがかかりました。自分は中盤からオリ気味の進行をしていて和了りの見込みはほぼゼロの状況です。そして対面リーチの現物は豊富にありますので(今切れた6m、3枚見えの南と西)、上家の切った赤5sを67でチー、打6mとしましょう。流局まで残りツモ番は2回ですし、手詰まることもなく安全な進行ができますよね。
こちらは、対面の親リーチに下家が追っかけリーチをした場面です。上家の3mを24でチーして、サボらずに一発消しをしましょう。ここから自身の和了りを見るのは、さすがに絶望的ですからね。手牌には1枚切れの發が暗刻でありますので、確実に3巡は凌げます。巡目も残り少ない&2軒リーチは安パイがすぐに増えるので、まぁ安全面も問題ないでしょう。
《2》着順争いのライバルの打点を下げたい
南4局オーラス、自身が20000点持ち3着の親番で、6000点持ちラス目の下家からリーチが来たと仮定します(※供託や本場は無いものと仮定)。このケース、下家のラス回避条件は「自分から7700直撃、または3000-6000跳満ツモ、(+出和了り倍満)」となります。言い換えれば、2000-4000満貫ツモは3着終了で耐えられるんですよね。
基本的に跳満ツモは「一発」「裏ドラ」「ハイテイ」などの偶然役をある程度期待せざるを得ない難しい条件ですので、その内の一つである「一発」の可能性を消すことは非常に重要です。自分の手牌が和了りに向かうことが厳しい場合には、少しでもライバルの逆転の芽を摘むためにも一発消しは忘れないようにしましょう。
良い感じの牌姿がなかったので、サンプル画像は割愛(涙)
②ハイテイ/ホウテイずらし
最後のツモ番に和了った場合に付く1 翻役「ハイテイラオユエ(ツモ)/ホウテイラオユイ(ロン)」の可能性を消すための鳴きです。チーでもポンでも構いません。このハイテイ/ホウテイずらしをすべき場面としては、主に以下2つが挙げられると思います。
《1》和了りの可能性が見えている他家に最後のツモ番を渡さない
リーチ者や仕掛けを入れている他家に1 翻役「ハイテイラオユエ(ツモ)」を与えないよう、鳴きを挟むことでツモ番をずらしておきましょう。
ハイテイずらしの例はこちら。上家と下家の2軒リーチが入っています。このままだとリーチ者である下家がハイテイとなりますので、上家の7sを89でチーして、両者現物の8pを切りましょう。ハイテイをリーチ者ではない対面にずらすことができます。
《2》他家をホウテイロンへ誘導する
終盤でケイテンを狙っている他家などに最後のツモ番を回すことで、1 翻役「ホウテイラオユイ(ロン)」のリスクを与える、いわば他家を邪魔する鳴きです。自身にノーリスクな局面であれば、どんどん鳴いて他家に嫌がらせをしてやりましょう!
ホウテイずらしの例はこちら。対面リーチに対し、このままだと自分がハイテイのツモ番となります。ここで上家の2sを34sチーして全体の共通現物である9mを切ることで、下家にハイテイのツモ番を回すことができます。下家の河をよく見ると、前巡に8pノーチャンスとはいえ現物ではない生牌9pを切っていますよね。もしかするとリーチに対する安全牌に困っているのかもしれません。鳴いてから切る9mもノーリスクですし、ここはしっかり下家に嫌がらせをしておきましょう。
こちらも他家にハイテイを回して邪魔したいケースです。このままだとハイテイのツモ番が自分になりますが、上家から切られた7pをチーすることで、ホウテイを下家に回しておきましょう。安パイは9s(対面下家の現物+上家はタンヤオ)→南(3枚切れ)で十分です。
なんと、下家はタンヤオの役ありテンパイでした。このケースでは下家の最終ツモ2mは2副露でテンパイ濃厚の対面現物でしたが、仮にホウテイの切り番で赤5mなどをツモった場合、ホンイツ濃厚の対面にビビってテンパイを外させる効果もありますよね。
③ハイテイ消し(ツモ番飛ばし)
上家のリーチにオリている場面です。自身の最終ツモ番。さて、何を切りますか?
2副露で押している?上家リーチ後に対面が切っている共通安パイの6pがありますので、これを切って一安心・・・とはならないようにしましょう。このままだと、リーチ者である上家にハイテイのツモ番が回ってしまいますよね。
それを防ぐためにあなたがすべきこと、それは「2pの暗槓」です!!暗槓をすることでハイテイが上家に回ることを防ぐことができます。このケース、新ドラが乗ってもリーチ者には影響がありません(※厳密には対面がテンパイしている場合、打点が上がるリスクは多少存在します)。そして暗槓した後に6pを切れば安全面も問題なし。ハイテイで上家にツモられて満貫親被り・・・なーんていうリスクを無くすためにも、サボらずしっかり動きたい所です。
④邪魔ポン(ツモ番飛ばし)
上家のリーチに対して自分のツモ番は終了、残りツモ番は下家→対面→上家となっています。さて、この後あなたにできることは何かあるでしょうか?
正解は・・・8sが出たらポンして打9s、です。自分がポンをすることでツモ番をズラすことができ、結果的にリーチ者である上家のツモ番を飛ばすことができます。いわゆる「邪魔ポン」というテクニックですね。なお、ポン材としてはほかにも6mと4pがありますが、鳴いた後に切る安全牌が無いのでポンはできないことに注意しましょう。8sポンの場合のみ、対面が2巡目に切っているため8s4枚見え→9sは自身3枚持ち+下家が1巡目に切っていて4枚見え→9sは完全安パイとなるためです(※白が4枚見えで国士無双も否定)。
あ、そもそもド無筋の8sなんか切られねーよ!というツッコミはナンセンスですよ。そういう人に限って、100回に1回切られた8sに反応できない訳ですからね。ニヤニヤ^^
⑤ツモ番拒否
ツモという行為には、有効牌を引き入れるというメリットがある一方、危険牌を引き入れてしまうデメリットも当然存在します。このデメリットを回避する手段こそが、この「ツモ番拒否の鳴き」です。主に局終盤のオリ手順や、ケイテンを目指す手順で有効なテクニックとなりますね。詳しくは、ケイテンをピックアップしたこちらの記事をどうぞ。
ということで、いかがでしたでしょうか。
和了り目的の鳴きは実戦でも良く使うテクニックである一方、和了り以外の目的がある鳴きは、たとえ実行してもその効果が出るのは100回に1回ぐらい?かもしれません。ですが、その1回で拾える勝利、ポイントがあるかも・・・いや絶対あるはず。ということで、常にサボらず諦めずに仕事はしていきたいですよね!
今回の記事は以上です。
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