法螺貝談義(第61話)
鍵と鑰について。
平安時代に生きた空海は数多くの著作を遺しています。
その中に「般若心経秘鍵(はんにゃしんぎょうひけん)」と「秘蔵宝鑰(ひぞうほうやく)」があります。
この二つの著作はセットというわけではありませんが、どちらの著作にも「かぎ」に関する文字が入っています。
それが「鍵(けん)」と「鑰(やく)」の字です。
「鍵」と「鑰」はどちらも訓読みで「かぎ」と読みます。
読み方は同じですが「鍵」はいわゆるキーの🔑事で、「鑰」は錠🔒の事です。
お互いの組み合わせが一致して初めて「かぎ」の機能を果たします。
「鍵」と「鑰」の字を見ていて、ふと法螺貝を考察してみました。
鍵(キー)を身体に、鑰(錠)は法螺貝として例えてみますと。
やはり身体と法螺貝のお互いの調和が大切。
人の身体は皆違うので【ある程度】自分の身体に合わせたチューニング、また、良く響く当たりどころを探すといった法螺貝に合わせる姿勢の両方が大事です。
良い音を奏でるためには、やはり鍵と鑰はどちらも大事です。
ピッタリと調和が合えば、吹く人と聴く人がどちらも清々しい気持ちになり、法螺貝も喜びます。
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