手紙
2006-07年の入院期間にあるおばさんと出会った。
当時の私はおばさんの病気は知らず、いつも無表情で松葉杖をつく彼女に挨拶していた。
私の退院の2-3か月後、手紙をいただいた。そこには『あなたのお陰で生きたいと思えるようになれた』と書かれていた。
そして彼女が『骨肉腫』というガンだと言うことを知った。
私と出会った頃は様々な検査を行っているにも関わらず病名が出ておらず悶々としていたようだ。
そんなとき私は毎日挨拶して、される方は「放っといて/そっとしといて」という気持ちだったと思う。
そして当時の私はなぜ自分の住所を教えたのだろう。手紙くれといっているみたいじゃないか。
手紙を書いたときは抗がん剤治療中の体調のよいときだったようだ。
あれから13年たった今でも手紙を取ってあります。
今あのおばさんはどうしてるのか、生きているのかあっちの世界にいるのかはわからないけど、今でもふと思い出す。
――なぜわざわざ手紙を書いた?――
あの時母に「◯◯さんは大人だから、あんたに気を遣って書いてくれたんだよ」と言われた。
……気を遣って書いたの?わざわざ?体調も優れない時に?不思議だ。
noteを書くにあたって、手紙を読み返してみた。
『貴女に会えて、本当に癒されて、笑顔も出ました』『◯◯さんの楽しみは今なんですか?まわりの人達を明るくして皆に好かれていることでしょう』
……ごめんなさい、今の私はそんな人ではありません。