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文明生活に還るか、このまま孤独な日々を送るか!? 無人島で迫られる究極の選択 池澤夏樹2連発で失礼。前述の通り、ポンペイ島をモチーフとしたファンタージー風小説から池澤ワールドへと吸い込まれていった私が次に引き寄せられた先は、やはり太平洋の島の物語であった。本書は池澤氏の小説デビュー作であり、同時に彼の南島小説の原点でもある。 主人公の「彼」ことヤスシ・キムラ(マイロンにはヤスと呼ばれる)が体験する、船からの転落、洋上漂流、干渉の小島への漂着、無人島での生活、人との接触と、
ちょっぴり切なくて、でも心がほんわかあったまる イケザワ流ファンタジーワールドへ 私と同じように、“島”にはまった人たちへ…。きっとあなたも「池澤夏樹」という作家の本を1冊は手にとったことがあるのではないだろうか。 私の場合、ミクロネシア連邦の主要島であるポンペイ島(Pohnpei、ポナペPonapeとも呼ばれる)に旅をする際に、なにか現地で読むにふさわしい本はないかと本屋の店頭で書籍棚をあちこち渡り歩いていたとき、ふと目に留まった青緑色の、まるで夏休みの日誌でもめくる