力強さに浸れるコーヒー
まずは、香りから力強さが伝わってきて、
ひとくち啜ると、キリリとした酸味が突き上げてくるのに、とても甘い。
ケニアの豆には、いつもこんな印象を持っています。
ケニア「マサイAA」は、長く長く後味に甘味が広がるのに、柑橘系やチェリー系の酸味がいつまでも輪郭を描く、ひとつひとつのフレーバーから力強さを感じる豆です。
色彩豊かなのにとてもクリアな印象。
お肉や魚のお料理と合わせたいコーヒーです。
店の賄いで、トマトベースの鮭のパスタとレモンバターチキンのジェノベーゼソースのパスタと合わせてみたら、トマトの柔らかい酸味でコーヒーが優しくなり、ジェノベーゼとは草のようなフレーバーが酸味をやわらげて、両方ともとても愉しいペアリングでした。
Kenya Masai AA
〈地域〉キアンブ、ニエリ、キリニャガ
〈品種〉主にSL28、SL34
〈標高〉1,600~2,000m
〈精製方法〉ウォッシュト
〈テイスティングノート〉
チョコレート、いよかん、カシス、ブラックチェリー、マリービスケット、洋梨、ドライチェリーなど
〈Brew Log〉
抽出:December Dripper(半浸漬式)
抽出温度:96℃
カップ:Kinto
マサイは、もう長く続いている豆。
複数のファクトリーで精製された豆をブレンドして、美味しい「マサイ」の味を、毎回仕上げてくる、息の長い商品です。
いつもの力強い味わいを安定して届けてくれることがどれだけ大変なことか、と思うと、この豆味わいに、さらに力強さが増すような気持ちになります。
この豆の安定した魅了的な力強さは、
■標高の高さ、肥沃な火山灰土壌で、高品質な豆の生育ができること
■収穫された果実は加工業者が一括して行うために、高品質に安定した豆の生産を行えている
ことから得られています。
そして、当店の焙煎で、
・焦げ味が出ないように焙煎し(焦がさない焙煎)
・焙煎直後から耐圧容器内で圧をかけて保存する(加圧熟成)
ことで、力強さの中にもまろやかな味を引き出しています。
味の定着には、焙煎してから1週間もしくはそれ以。
上、二酸化炭素で圧をかけて酸素に触れない環境下(ビール樽内やビール瓶内など)でコンディショニングを行います。
これで、様々なコーヒーの持ち味が、バラバラではなく角がとれろやかにまとまります。
そして、樽から出した後も、空気が触れないような容器の中であれば、さらに味は良いほうへ変化していきます。
お客様のお手元で、是非コーヒーの成長をお楽しみいただければと思います。
当店のコーヒーは、沸騰直後のアツアツのお湯で淹れることを推奨しています。
焙煎による苦味がないので、お湯の温度を下げる必要がなく、逆に高い温度で淹れることで豆が持っている個性がはっきりと出ます。
ペーパーフィルターで淹れて、すっきりとしたフレーバーを楽しむのも良いですが、コーヒー豆のオイルも一緒に抽出されるフレンチプレスのような淹れ方も、甘味が余すところなく出てオススメです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?