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緩む、憩う、優しい個性

一口にコーヒーといっても、華やかな香りを楽しめるものもあれば、滋味深く甘味を堪能できるものもあり、「コーヒーを飲みたい」という欲求をどう満たすかは、掘り下げないと実は見えてこないほどのバリエーションがある今のスペシャルティーコーヒー界。
華やかなフレーバーの目を見張るようなコーヒー豆がコーヒー好きたちを魅了していますが、その真逆をいくようなコーヒーにも光が当たっています。

パプアニューギニアのウルヤAX。
自然豊かな「最後の楽園」と呼ばれる南の国から来たこの豆は、
難しいことを考えなくてもいいよ、と言われているような、優しく寄り添ってくれるコーヒーです。
綺麗なグレープフルーツのような酸がすっとあり、
うっすら熟成している感のライチのようなフルーティーな香り、
栗のようなホクっとした風味、
麦芽飴のような優しい甘味が後を引き、
軽いearthyさが通奏低音のように続いていきます。
朝の目覚めの一杯にも、仕事の一休みにも、
心身の奥底の緊張をほぐしてくれるような優しいコーヒーです。

〈Brew Log〉
豆:Papua New Guinia Ulya AX
抽出:Tea strainer(浸漬式)
抽出温度:96℃
カップ:Avensi Alto

何千年も前には世界最先端の農業地域だったというパプアニューギニア中西部Mt.Ulyaの麓のWaghiエリアで育ち、輸出業者が精製工程も一貫管理して生産しているこのコーヒー。
遠く離れた日本へ、華やかさと爽やかさの両方を届けてくれました。

そして、当店の焙煎で、
・焦げ味が出ないように焙煎し(焦がさない焙煎)
・焙煎直後から耐圧容器内で圧をかけて保存する(加圧熟成)
ことで、まろやかな味を引き出しています。

味の定着には、焙煎してから1週間もしくはそれ以。
上、二酸化炭素で圧をかけて酸素に触れない環境下(ビール樽内やビール瓶内など)でコンディショニングを行います。
これで、様々なコーヒーの持ち味が、バラバラではなく角がとれろやかにまとまります。
そして、樽から出した後も、空気が触れないような容器の中であれば、さらに味は良いほうへ変化していきます。
お客様のお手元で、是非コーヒーの成長をお楽しみいただければと思います。

当店のコーヒーは、沸騰直後のアツアツのお湯で淹れることを推奨しています。
焙煎による苦味がないので、お湯の温度を下げる必要がなく、逆に高い温度で淹れることで豆が持っている個性がはっきりと出ます。
ペーパーフィルターで淹れて、すっきりとしたフレーバーを楽しむのも良いですが、コーヒー豆のオイルも一緒に抽出されるフレンチプレスのような淹れ方も、甘味が余すところなく出てオススメです。


Papua New Guinia Ulya AX
〈地域〉パプアニューギニア ウルヤ地域
〈品種〉ティピカ、アリューシャ
〈標高〉1,500~1,600m
〈精製方法〉ウォッシュト
〈テイスティングノート〉
グレープフルーツ、earthy, ライチ、栗、麦芽飴、シェリーなど


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