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ウーリーと黒い獣たちスピンオフ〜ゲーン王国のゲーンのこと〜

うりもさんのスタエフから生まれた
『ウーリーと黒い獣たち』
こちら様々な人たちがそれぞれの妄想によって作られていく物語。

様々な人たちがそれぞれ頭の中に思い描いて妄想しているのに、物語が大きくズレていくことなく、なんとなく繋がってしまっている不思議。

うりもさんのマガジンも貼り付けさせていただきます。

たねさんの記事もペタリ。

前回の私のウーリーと黒い獣たちのスピンオフは、巫女としての私が登場する
『渡る世間に巫女三人』
めっちゃ長くなってしまいました…😅

たねさんのプロットを載せさせていただきます。

ニワトリの鳴き声が響くと同時に、町の広場に面した雑貨屋のおかみが店を開店させながら、誰に話すともなく喋り始める。
『べしゃり屋』のおかみボーチャは町一番の情報屋。この国の知りたいことがあれば、彼女に聞きに行くといい。まったく関係のないことまで教えてくれて、何を聞きたかったのか、もはやわからなくなるくらいたくさん情報をくれる。
ただし、開店はどこより早いが、閉店もどこより早いので日が暮れるまでに行かないといけない。

べしゃり屋の隣は長屋になっていて、その一角にはウーリーという男が住んでいる。彼は『清楚』と啼いて時刻を知らせる鳩時計と、妻カイサーのモノマネ芸で毎朝起こされる。ウーリーは鳩時計の啼き方と、妻の勢いがうっとおしくてたまらない。
「ホンマに清楚な声で起こしてみいや」と呟きながら、しぶしぶ起きて洗面所で顔を洗っていると、娘のリトル・ソーがウーリーの膝をめがけて後ろから突進してくる。
膝カックンされて、まんまと態勢を崩すウーリーパパを見て彼女は実に楽しそうにうひゃひゃと笑う。父親で遊ぶのが大好きな娘だ。
リトル・ソーはもうすぐ七つになる。「パパはいつだって、何とかなるって言うけど、それはやることをちゃんとやってる人のセリフだよ」など、子どもとは思えないシビアなセリフを父親に投げかけたりするような子だが、一方で、未だにターリキィ語が話せない。母親カイサーはそのことに疑問と懸念を抱いている。
※ターリキィ語はこの国に古くから遣われ、民族の繋がりを感じる共通言語だが、昨今使えない若者が増えて来ている。

ウーリーが仕事へ行くために着替えをしていると、外でボーチャとカイサーの話し声が聞こえて来る。二人とも声が大きすぎて、家の前で立ち話していてもそこら中に筒抜けである。

通りから聞こえて来る二人の話は、国王アクーンがここのところ病に伏しているという巷で持ち切りの話題であった。
さらには日照りが続いているのも何かそれと関係があるらしい。そのことで今日の夕刻に三人の賢者が民衆に何かおふれを出すということだ。

ウーリーが仕事を早めに切り上げて広場に向かうと、広場にはすでに情報を聞きつけた民衆で溢れていた。民衆たちをかき分けて中央の噴水の前へ進み出た二人の賢者。
ウーリーたちは息を飲んで賢者たちの言葉を待った。

一人目の賢者は民衆を見渡すと、おもむろに口を開いた。
「ここのところの日照り続きにより、我が国のもっとも重要な食であるバナンナの実が枯れて育たなくなっているのは皆も知るところである。このままでは国の蓄えも近いうちに底をついてしまうだろう。雨を降らすために三人の巫女によって雨乞いの儀式を取り行うこととした」

風、雲、水を司る三人の巫女(ミーラー、フーヤ、ヤーパ)による雨乞いの舞踊が三日三晩行われることとなった。

次に二人目の賢者が言った。
「しかしそれだけでは急場の凌ぎに過ぎず、根本的な問題を解決する必要がある。王アクーンは太陽の守護する元に生まれし存在であり、彼の病はこの国の天気さえも狂わせてしまう。この日照りはアクーン王のエネルギーが弱まっていることが引き起こしているのだ。我らが王のエネルギーを回復させねばならない。そのためにはシュミクトの智慧が必要である」

そのとき、遅れてやって来たのが三人目の賢者シュミクト。土から苦しそうに這い出たミミズの声を聴いていて遅くなったと笑う。
二人の賢者のいるところまで進み出て並ぶと、シュミクトは言った。

「この国の波動が著しく低下していることが王の病を引き起こしている。これは我が国のみならず、じきに隣国にまで悪影響を及ぼしてしまうだろう。早急に両国が手を取り合って、この大難を共に乗り越えるべく、協力を仰ぐ書簡を、ゲーン王宛に送った。
そしてここで、この命を受けて国を救う勇者を選出する。
私の受け取った天啓を今から皆に伝える。それが示すすべての条件に該当する者こそ、選ばれし勇者である」

賢者シュミクトはしばらく目を閉じて何かを唱えた後、再び目を開き、民衆に向けて口を開いた。

「まず第一の条件。勇者の名は頭文字がWの男である」

民衆たちはざわざわと互いを確かめ合う。

「第二の条件。勇者は他者の言葉を丁寧に傾聴する者である」
「そして第三の条件。生まれてこの方、メウボーシの実を口にしたことがない者である」

民衆のざわめきは更に大きくなり、その中からひときわ大きな声があがる。
「その男が誰なんかわかったで!」
べしゃり屋のおかみボッチャの声だった。
「あんたとこの旦那やんか!他におれへん!」
ボッチャは隣でポカンとしているウーリーの妻カイサーの肩を叩いた。

自分の名を呼ばれ、皆から背中を押されて賢者たちの前へ現れたウーリー。

賢者シュミクトはウーリーに近づくと、右手をウーリーの顔の近くへ差し出した。
彼の手には大きなメウボーシの実が握られている。

メウボーシの実は夕焼けの色より赤く、熟すほどにしわしわになる。見た目に反して、それを口にした者は誰でもその顔面が歪めずにいられないほど、非常に酸っぱい実である。

「ちょっと待ってー!何なんー!コワいコワい!」
必死に抗うウーリーは、民衆の男たちに「まあまあ」といなされ、身体を取り押さえられた。
「なあ!オレ、メウボーシがぜったいあかんの知ってるやろ!」
ウーリーは涙目になりながら、妻カイサーに懇願の視線を送るが
「ごっつあんです!」
カイサーはノリノリで、ウーリーに親指を立てて叫んだ。

「ちゃうやーん!オレ、やるとかまだ何もゆうてへんやーん!」
泣きっ面で叫ぶウーリーの口に、賢者シュミテクトは半笑いでメウボーシの真っ赤な実を押し込んだ。

たねさんのプロット

ここから様々な人たちが様々な妄想を描きスピンオフがどんどん生まれているんです。

で、今回私が描きたい物語は、
『この国の波動が著しく低下していることが王の病を引き起こしている。これは我が国のみならず、じきに隣国にまで悪影響を及ぼしてしまうだろう。早急に両国が手を取り合って、この大難を共に乗り越えるべく、協力を仰ぐ書簡を、ゲーン王宛に送った。』
ここの部分。
隣国のゲーン王のこと。

やたらめったらここ最近このゲーン王国が気になって妄想してる私がいたので、書くことに決めた。

この話を書く前にこちらの方たちのお話も頭に入れていただけるといいかと思うので載せさせていただきます。

こちらのアークンさんの妄想話からloveheartさんがまたまた妄想をして生まれた物語。

1つの妄想がまた1つ妄想を生み、そしてまたその妄想から新たな妄想が生まれる。

こうして地球は今日も動いているんですね。

ではでは私の妄想物語
『ウーリーと黒い獣たちスピンオフ〜ゲーン王国のゲーンのこと〜』


🎬🎬🎬🎬🎬🎬🎬🎬🎬🎬🎬🎬🎬🎬🎬

わしはこの城の主人あるじゲーン。
この国の王や。

「今日もよう晴れとるなぁ」

この朝日を浴びながらコーヒーを飲むのが好きや。

自分でお湯を沸かし、ゆっくりゆっくりコーヒーを淹れる。
この匂いもええなぁ。

コーヒーだけやないで。
たまには紅茶にしたり、緑茶にすることもある。
そん時の気分やな。

ほんでそれを飲みながらポエムを作るのが好きやねん。

ん?王なのに、自分でお湯を沸かして自分で飲み物を用意してるって?
ええねん。
わしは自分のことは極力自分でやりたいねん。

その方が自分の好きな時に好きなようにやれるし、好きな濃さにも出来る。
気ぃ使わんでええしな。

だから、この広い城の中にわし1人で住んでるわけなんやけど。

王なのに、1人⁉️
そう思た?
ええねんええねん。
ホンマ1人が好きやねん。

あ、1人いうてもこいつも忘れてはあかんな。

「なぁ。セイちゃん」

セイちゃん言うんはネッコや。
清楚っぽい顔しとるからセイちゃんやねん。

「セイちゃ…イダッ‼️あたたたた…」
こいつ、清楚っぽい顔しとるくせに、手をよう噛むねん。

ま、そこも可愛いところやねんけどな。

わしの城には、誰もけぇへんこともないねんで。

2、3日に1回日雇いのヒヤトラーズが掃除しに来てくれたり、食材や日用品を届けに来てくれるねん。

この城は広くて、掃除は行き届かんし、見晴らしのええ高台にあるから自分で運ぶのは大変やからそれは助かっとる。

ヒヤトラーズのあの子らは、わしの趣味でもある『青空説法』を聞きに来るようにもなったわ。

あ、わしの言葉は隣国のターリキィ語と似とる。
ほんのちょっと違うけど、まぁ、ほぼ同じや。

あ、ほんでな。
わしは朝早く起きて、見晴らしの良いバルコニーから双眼鏡を使って自国、隣国の様子を見るのが日課やねん。
わしの城からはターリキィ王国、ショウナーン王国、目を凝らせばリケーン王国までよう見える。

わしは日の出と共に起きるくらい早いけどな、同じように早いやつもおんねん。

それがターリキィ王国に住む『べしゃり屋』のおかみ、ボーチャやねん。

あそこのおかみはホンマ早いで。
その代わり夜も早いけどな。
日ぃ暮れる前に閉めることもようある。

ほんでよー喋る。
さすがに、ここまで声は聞こえてけーへんけどな。
双眼鏡で見てるとよう口が動いとるわ。
ほんで、あの店には、よう人が来る。
なんや子どもらもよう来て飲み物飲んどったりするけど、たまに大きな壺買うて行く人も見るわ。

わしもその客の1人やけどな。

あの店から波DO水はどうすいを定期購入しとるねん。

この水はホンマええでぇって、ボーチャに力説されたら、ほんなら一度試すだけ試してみてもええかな?って思ってしまうねん。

ほんで結局毎月買うとる。

ホンマ商売上手いでぇ。

それで朝のコーヒーを作ってるわけやけども。

なんや、あれを飲むとホンマ気分が良くなるねんな。
心が整うっちゅうか。
気持ち的なもんかも知らんけど、それでも自分がええ思っとったらええやろ。

知らんけど。


なんでわしがべしゃり屋の客になったか言うたら、わし、時々城下町に行くことあんねん。

そん時にあの店寄って定期購入するようになったんや。

わしが王ってことがバレへんように変装してな。

あれや。
遠山の金さんの遊び人スタイルやな。
ラフな格好しとるやろ。
ちょんまげ隠したりして。
あんな感じや。

志村けんのバカ殿が下町に行く時の格好にも近いかもな。
煌びやかな格好やなくて、できるだけ庶民的な格好で行くねん。

けど、なぜかジロジロ見られたりもするからわしが王ってことバレとるんやろか?

それともわしの格好に何か問題があるんやろか?


まぁ、ええわ。

それよりもな。

なんでわしがいつもバルコニーから隣国のことまで見とるかと言うとな、2つ理由があんねん。

1つは、ターリキィ王国から手紙が来たからや。
なんや、この日照りが続いて、雨が降らんのは、アクーン王の病のせいや言うてな。

じきにわしの国まで悪影響を及ぼしてしまうから、早急に両国が手を取り合って解決しなあかんから協力して欲しいって、手紙が届いてん。

協力って…。

わしにどうせいっちゅうねん。

なんや。
この後、細かいこと言いに誰か来るんかなぁ思っとったけど、待てど暮らせど、だーれもけーへん。

なんや。
広場でなんかしとる時に、勇者言うて前に出されたやつおって、そいつが来るんか思とったらなかなかけーへんしなぁ。

あん時もわし、あの広場にいたんやで。

ほんで、わしのとこに来るんや思て、慌てて城に帰って来たんやけども。

慌てることなんかなかってん。
全然けーへんし。
だーれもけーへん。

なんやねん。
どないなってんねん。

双眼鏡で毎日見とって、今日こそ来るんやないか?
今出発したんやないか?
そう思ってもなぁ。
だーれもけーへんねん。

来るか思たら、けーへんのかーい。

そないな毎日や。

わしにどうせいちゅうねん!


あ、あともう1つの理由な。
それは、この勇者に選ばれたウーリーにも関係しとる。

わし、この男、小さい頃から知ってんねん。


あれはわしもまだ若い頃や。

あの時は、隣国ショウナーン王国に散歩しに行っとった。

そこで、川に流されている子どもがおってな。
その子どもを必死にすくいあげようしとる女の人がおった。

なんや、彼女は、泳げへんのに、必死に救ってあげようしとってな。

わしも急いで川の中に入って、子どもを川の下から押し上げて、ようやく彼女が子どもと一緒に岸に上がったのを見送ったわ。

あの時わしが手伝ったこと、彼女は知らんねん。

彼女も必死やったし、わしもあの後流されてしもうて。

ええねん。
ええねん。
わしのやったことなんて、たいしたことないし。
当たり前のことしただけやし。

ただ、そっからその子どもとその女の人のこと気になってな。

それからようターリキィ王国に出向いたりバルコニーから見とる。

ストーカーちゃうで!
そういうんやないからな。

あの川で溺れとった子が、勇者に選ばれたウーリーや。
ほんで、そのウーリーを助けて育てはったのがラブコや。

ラブコは、娘2人育てとったのに、ウーリーのことも育てはった。
ホンマええ子や。
なかなか出来ることやないで。

愛の塊やな。

ラブコは、バナンナを売って生計を立ててた。
時々ショウナーン王国にも出向いとったなぁ。

せやからあれからわしは変装して、ターリキィ王国に行ったり、ショウナーン王国に出かけて、よう買うてた。

わしの城に来るのは大変そうやからな。

せやからわしが出向く方がええねん。

ええねんええねん。
わしがそうしたいんやから。


ラブコは、ようやっとったで。

自分の子、ユッキーとキッキーと分け隔てなくウーリーを育てはった。

その健気な姿…。
わしは放っておくことが出来へんかった。

バナンナを買うだけじゃ気ぃすまん時は、玄関先に米置いてったり、波 DO水を置いて行ったり、わしの好きなプッチンプリンを置いて行ったりな。
あぁ、花束を置いて行ったこともあったわ。

ラブコはこのこと、全く気づいてないねん。
誰がやったのか。
今でも知らんはずや。

ええねんええねん。
わしがやってるなんて知らなくてもええねん。
ただの自己満や。
やりたいからやってる。
それだけや。

あしながおじさんみたいなもんやな。


せや。
ラブコは、ウーリーの嫁はんまで見つけはったで。

なんや、「清楚、清楚…」言いながら探しとったで。

それで見つけはったのが、カイサーや。

今は7つになるリトル・ソーと3人でべしゃり屋の隣の長屋に住んどる。

そんなんもよう知っとる。

全部べしゃり屋のおかみボーチャから聞きよった。
わしから聞いたんやないで。
わしが聞く前に全部言うてきた。

まぁ、半分はわしも自分の目で見て知っとったことやけどな。


しかし、ターリキィ王国を救う勇者いうんが、ウーリーとはな…。

ホンマ。
あの男、何かとわしと関わってくるなぁ。

普通の男やと思っとったけど、何かあるんかも知れへんなぁ。

そういえば、あの日、メウボーシの実を口に入れた時もウーリーの尻がなんや光っとったで。

なんなんや。あれ。

ようわからんけど。
どうでもええけど。
はよして。

来んのかい!
けぇへんのかい!

それだけでもはっきりせいっちゅうねん‼️


こうしてまた今日も日が暮れる。

〜完〜

たくさんの方がスピンオフを書いていて、本編はまだ誰も書いてません😆


本編で話が進む前にスピンオフ書かないと!と思って頑張って書きました。
あ、嘘つきました。
頑張ってません。
ふわふわ書きました。

現実で色々あって、けちょーんってしそうになったりしたけど、妄想中は楽しかった。

でっかい妄想は出来ないけど、こんな妄想なら出来る。

ありがとう妄想❣️

しあわせをありがとうございます💖
うちなる平和を💕
シュカポン🐼

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