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【一部公開②】幻聴の世界を本当に知ってますか?

僕が2021年9月23日に出版した本。

幻聴の世界を本当に知ってますか?ー当事者地獄、他人には笑い話ーを一部無料公開します。続きは本編をぜひ読んでみてください。

<第2話> 嘘つきの始まり

 大学4年生になり選んだ研究室に所属した。

 所属してから1ヶ月経ったある日、また悪口が聞こえて来た。僕のことを「嘘つきらしいよ。」と同じ研究室メンバーとなったマドンナのNさんに言われた。僕はすごくショックだった。僕は何のことを言っているのか思い返してみた。もしかしたら大学2〜3年生の時期に働いていたバイト先での秘密を漏らしたせいかもしれないと不安になった。

 Nさんは当時のバイト先のメンバーとも知り合いが多く、繋がりがあった。Wさん(僕がバイトの機密情報を漏らした人)からバイト先にクレームが来たため、その対応としてバイトの店長は「僕の情報は嘘の情報です。」とWさんに伝えた。そして、僕が嘘つきだと周りにも広めたに違いないと思い込んだ。その思い込みによって、僕は機密情報を流した事に対して責任を感じるようになり、それなら嘘つきでいようと考えた。

 その後も毎日、悪口が聞こえ続け、自責の念にかられ、自己嫌悪に陥っていった。だんだんと嘘つきの噂が広がっていき、研究室だけでなく、学校、街でも周囲の人が僕をみて笑ったり、噂話したりしているように感じ始めた。しかもある日バイト先の後輩から、「Wさんはヤクザに関わる怖い人だよ」と教えてもらった事もあり、余計に不安になってしまった。

 そしてある日、ヤクザが僕のアパートの上の階に住み、監視されるようになった。

上の階の部屋はもともと空き部屋であった。


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