『コールジェーン 女性たちの秘密の電話』試写会
もう本当に、チラシのミスリードがよくない。よくないよー。
これは、権利のために戦った女性の話ではまったくなく、助けを必要としている女性に寄り添い続けた女性の話だ。
その時の精一杯を続けただけだ。戦った話じゃない。でも?だからこそ?、女性にとっては共感に溢れる話だ。
それでいいじゃないか。こういう事実があった、という話じゃどうしてダメなの。
昔の話を描いているけど、今まさに、その時代に戻ってしまっているアメリカの現状を見ているかのような内容。
無料で手術を受けられる人を選ぶ話し合いのシーンが秀逸。どんな事情にも優劣をつけてはならない。優劣をつけることは、それ自体が、命の選別に等しい。何人にもそんな判断できるはずないし、していい人なんていない。
なんともハッとさせられた瞬間だった。
かつて、性差別が当たり前だったのは事実。そのときに女性の命より後継の胎児が重視されたのも事実だろう。そのことを今更動かすことはできない。動かすことはできないのだから、動かせる「これから」に眼を向けるしかない。
今の時代なら、女性の命を大事に考える男性も少なくない。はず。誰もが容易に産み、育てられる環境が整備された社会でない以上、産むか産まないかは、命をかける女性にあっていい。絶対。
女性の人生を支配するような法律を定める前に、種を植え付けた男性を罰してくれよ。男女平等やジェンダーレスを叫ぶなら、生命を生み出した責任を、等しく男性にも負わせてくれよ。それこそ、男女に差があったらおかしいよ。一人ではできないことなんだから。
理不尽な状況にある人に手を差し伸べてくれる人がいたことに、今もたぶんいることに、心からお礼をいいます。そして私にもできる手助けをしたい。
こういう事実を、エンタメで知らせてくれて、ありがとう。