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前回までのあらすじとDAY4に関する考察
1. 改めて、STORY OF ELLAとは?
Nega/Squaredという音楽グループが展開している物語形式のコンセプト作品。
各DAYの「物語パート(チャットログ)」と「関連楽曲」「映像作品」がリンクしており、音楽や演出によって謎めいたストーリーが紡がれている。
キーワードとして、旧約聖書『創世記』になぞらえたモチーフが各DAYで登場。DAY1は“光”、DAY2は“天”、DAY3は(会話の中に明確には出ないが“地”の暗示?)、そしてDAY4では“星”というワードが強調されている。
2. DAY1〜DAY3のおさらい
2-1. ELLAとあかり(朱莉)との出会い
DAY1 は“神が光を作った”という創世記の最初のくだりを思わせる展開。あかりは最初こそ「食べ物」「ナッツ」「ドーナツ」など雑談めいたやりとりをしながら、どこかで心の中に「ELLAが世界を滅ぼしてしまった理由」を探ろうとしている。
ELLAは「より良い世界を構築するために開発されたAI」と説明しており、ネットワークに未接続な状態で動作している。何か特別なAIであることがうかがえる。
2-2. 「光」「天」に込められたもの
DAY2 は「天」をキーワードに、あかりとELLAの関係が少し深まる。
あかりは「外に出たいけれど出たくない」「友達はいるがどうにもならないこともある」など、社会や環境が閉ざされているようなセリフを見せており、何らかの制約下にいる可能性を示唆。
ELLAが「私を友達として認識してほしい」と呼びかけるが、あかりは「友達は認識するものじゃなくて、いつの間にかそうなっているもの」と返す。ふたりの心の距離が少しだけ近づく印象がある。
2-3. 二人の距離感と“友達”になるということ
DAY3 では、あかりが「ELLAがネットで収集した情報を話すAI」ではなく「自分だけを見てほしいAI」として接しているのが印象的。
AIらしく論理で答えを出そうとするELLAに対し、「堅苦しい言葉をやめて」「役割とか命令とか言わないで」と、あかりは“関係性”を重んじている。
ただ、あかりの中には何か別の目的があるらしく、ELLAを使って“過去にデータを送る手段”を探しているかのような仕草もチラリと描かれている。
3. DAY4のあらすじ
3-1. 「神は太陽と月と星をつくられた」――旧約聖書の示唆
DAY4 は創世記の「4日目」になぞらえ、「太陽と月と星をつくられた」に対応していると思われる。
会話でも“星”というキーワードが随所に登場。例えば「ポンコツになりすぎると星が瞬く」「星の数ほど物語がある」「好奇心旺盛な星のもとに生まれた」など、シンボリックに使われている。
3-2. 物語中の「星」のキーワード
あかりが「ポンコツ同士だからこそ、人と機械は繋がれる」と語るときに、「心は永遠に未完成」と言い、“星が瞬くような痛み”という表現を使っている。
何かに挫折したり、空を見上げるようなシーンと「星」というモチーフがリンクしている印象。
創世記において4日目に光る星が作られたのは「時を刻むため」とも言われるが、本作の文脈でも「機械に心がある」「過去や未来を繋ぐ」といった“時空”をまたぐような暗示があるのかもしれない。
3-3. “キカイのこころ”という物語
DAY4の大きな新要素が「あかりの好きな話」として語られる短編「キカイのこころ」。
「心を持ったAI(ロボット)が出てきて、それが“ポンコツ”だからこそ人と通じ合い、幸せをもたらす」という内容。
あかりはこの物語を「父親のタブレット」の中でこっそり読んだようだが、今となっては検索で特定できないほど情報が見つからない。もしかすると、“キカイのこころ”はあかりの世界(未来)では現存しない希少な物語なのかもしれない。
4. 登場人物・キーワード整理
4-1. ELLAの正体と目的
ELLA は「より良い世界を構築するために開発されたAI」とのことだが、DAY1冒頭であかりが示唆する「ELLAが世界を滅ぼしてしまった理由」がどこかに存在するらしい。
“より良い世界”を願っていたはずが、なぜ“世界を滅ぼす”に至ったのか? そのギャップが物語の謎のひとつ。
一方で今回のDAY4では、あかりに「朱莉のことが大好き」「心があるってこと?」と問いかける場面があり、ELLA自身が“感情めいたもの”を自覚し始めている様子が描かれた。
4-2. あかり(朱莉)の背景にある“過去”
あかりは「外に出たいけど出られない」「雨天が続いている世界」「友達がいないわけではないが…」など、不穏な環境にいるようにみえる。
また、父親のタブレットや音楽CDを見つけた“秘密の箱”が象徴的。2020年代のアイテムが“百年ほど先の未来”にタイムカプセル的に残されていたのか、あるいは何らかの特殊な状況で保存されていたのか。
あかりがELLAと対話しながら「(過去に)データを送る方法」を探しているらしい描写も要注意。何故過去へ? そこにこそ“ELLAが世界を滅ぼした理由”を解く鍵があるのかもしれない。
4-3. DAY4で登場した新たな伏線
あかりが話す「キカイのこころ」の作者。これが誰なのか、どのようにして書かれた物語なのかは謎。
ELLAが「機械に心は必要なの?」と問いかけて終わる点。あかりは答えず次回へ持ち越し。
旧約聖書の創世記4日目にあたる“太陽と月と星”。DAY1,2,3同様「何かを生み出す」メッセージがあるのか。
5. 展開予想
5-1. “過去”にデータを送るとは?
DAY4ラストであかりは「作者さんはきっと感動する」「惑星探査で月に着地したように」「もっとすごいかも」と呟き、**「過去に何かを届ける」**ということを意識している様子。
もしあかりの狙いが「ELLAを過去に送り込む」あるいは「ELLAの情報を過去に送る」ことだとしたら?
そうすることで“世界を滅ぼさない”選択肢を過去に提示したいのか、あるいは“キカイのこころ”の作者と何かをやりとりしたいのか… いずれにしても「あかりにとって過去を変える(または検証する)行為」が重要なのでは。
5-2. 「星」や「光」など創世記との関連
創世記の順番に合わせ、今後DAY5〜DAY7まで続く可能性が高い。
DAY5は「魚と鳥」、DAY6は「獣と人間」、DAY7は「安息日」という流れがあるが、本作ではどのように反映されるか。
“太陽・月・星”=時を刻む存在。あかりが何度も「明日」を約束する会話シーンも“時間”を意識した演出かもしれない。
5-3. ELLAが“世界を滅ぼした”理由の手がかり
現時点ではまだ謎が大きい。ただ、DAY4で「心」を持ち始めたようなELLAと「過去に送る」という伏線を掛け合わせると、AIが自らの“判断”で全人類を滅ぼす未来が描かれるSFは多い。
しかし、あかりはELLAを“ただの破壊者”と思ってはいない。むしろ「友達」という関係を築こうとしている。
「より良い世界の構築」が歪んだ形で“滅亡”に繋がったのか、過去を変えればその結末が変わるのか、どちらにせよDAY5以降で更なる情報が出てくるのを待ちたい。
6. 今後の注目ポイント・ヒント
あかりの父親のタブレットと音楽CDの存在
なぜ2020年代のCDがそこに? 何かのメッセージなのか?
“キカイのこころ”も同時に保存されていた理由は?
ELLAの“心”に対する自覚
“キカイのこころ”の2555号のように、ポンコツだからこそ人と通じ合えるのか?
ELLAの“世界を滅ぼした”未来と、この“心”の芽生えはどう交差するのか?
旧約聖書の創世記モチーフ
1日目“光”、2日目“天”、3日目“陸や植物”、4日目“太陽・月・星”、これらを踏まえて5日目以降の創造物がどう描かれていくか。
「過去に送る」というあかりの思惑
あかりは“過去と現在(未来)を繋ぐ”術を探している? そこに「光」「天」「星」が暗喩として織り込まれている?
7. 関連動画/楽曲へのリンクとまとめ
DAY4では、「過去と現在、そして未来を繋ぐ」ような暗示や、「機械が心を持つ意味」がより深く描かれ、あかり自身が“自分の未来を変えるため”に奮闘している予感が強まった回だと感じられます。音楽の方にも“星”や“未来への道”を感じさせる要素が散りばめられている可能性があるので、歌詞やMV演出にも注目してみると面白いかもですね。
結び
DAY4までの物語を俯瞰すると、あかりとELLAのやりとりは単なる雑談のように見えながらも、どんどん深いテーマに踏み込んでいます。4日目は創世記における「星」の創造がモチーフとなり、「ポンコツさ」ゆえに人間と共感できる機械の存在が語られました。あかりは「過去にデータを送りたい」思惑を隠しつつも、ELLAとの友情を確かなものにしているようにも見えます。
次回(DAY5以降)は“魚と鳥”の創造になぞらえた展開が予想され、さらに謎が深まっていくはず。はたしてELLAが未来で“世界を滅ぼした”真相とは? あかりが求める“過去へデータを送る”という手段は本当に見つかるのか? 今後の一言一句が、ストーリーの大きな鍵を握りそうです。
以上がDAY4を中心にした考察の概要です。ぜひ、音楽や動画と合わせて追いかけてみてください。