俵万智の子育て歌集「たんぽぽの日々」
俵万智さんの短歌とエッセイ集
「たんぽぽの日々」
子どもとの日々や親の心が綴られています。
一つ一つが胸に響いて沁みました。
表紙にも載っている短歌。
たんぽぽの綿毛を吹いて見せてやる
いつかおまえも飛んでゆくから
この俳句と俵さんのエッセイを読んで、
ハッとしました。
生まれた時からずっと一緒にいて、
懸命に育ててきた我が子の一生を
私たちは見届けることはできない。
たんぽぽのように、
どこかで根づいて立派な花を
咲かせられるようにと、
ただ風に祈るしかできない。
そして、こちらの歌も。
一生をみとどけられぬ寂しさに
振り向きながらゆく虹の橋
歌集「生まれてバンザイ」より
ずっと抱っこして、ぴったりと
くっついてきた我が子を
できるだけ遠くへ
思い切り飛べるように
放つ。
そのために親はいるんだな。
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