えさし藤原の郷を訪ねる~凛々しき面影を追う
父が亡くなってから、母が一人暮らす東北の実家に月イチの頻度で帰っている。
東北にも春馬くん所縁の地はいくつかあるが、その一つ「えさし藤原の郷」へ、先日母と一緒に行ってきた。
「えさし藤原の郷」は、岩手県奥州市にある、平安時代を模した歴史テーマパークだ。
2011年6月ユネスコ世界文化遺産に登録された平泉金色堂を建立した藤原氏初代清衡公とその父・経清公が住んだ土地でもあり、平成5年(1993)の大河ドラマ「炎立つ」の撮影を機に建設されたものだということだ。
これまで数々の大河ドラマのロケで使われているが、私の目当てはもちろん、春馬くんが井伊直親として出演した『おんな城主直虎』のロケ現場で春馬くんを感じようというものだ。
この日は、車で「えさし藤原の郷」に向かった。お天気もいい。東北自動車道水沢ICを降りてすぐにのどかな山あいの道に入った。すれ違った車はほんの数台。メインの道路から右折するところには、「えさし藤原の郷」の文字と共に矢印の看板が立っていたので迷うことなく目的地に到着することができた。
ちょうどお昼時だったので、まずまっすぐにレストラン清衡へ入った。レストラン入り口を入った左手の壁一面にズラっと芸能人のサインが貼られていた。これまで大河ドラマ撮影のために訪れたキャストの方々、その他ドラマ、バラエティ、映画での撮影で訪れた芸能人の方々のサインだ。
そのほぼど真ん中に春馬くんのサインがあり、すぐに見つけることができた。お休み処のレストランへの感謝の気持ちが添えられた愛しきサイン。よくよく見ると、春馬くんお得意の誤字が!思わずクスっとさせてもらった。
そこで軽い食事を済ませ、いよいよ「えさし藤原の郷」の入り口へ向かう直前に、可愛らしい花壇を見つけた。
春馬くんのボイストレーナー斉藤かおる先生のもとに集うチームせかはる花壇部の方達が整備しているはるまち花壇だそう。よく手入れされていて、五月の陽を浴びてひときわ美しい。
よく見ると花壇の真ん中にお馬さんが。
こんなところにも春馬愛を見つけて、なんだか嬉しい。
『おんな城主直虎』の撮影は2016年9月18日〜28日だったそう。
2017年1月8日放送開始の約4カ月前。第1~15回に「えさし藤原の郷」が登場しているそうだ。
撮影に使われたのは、こちら政庁を今川邸宅として撮影したとのこと。
あと、写真を撮り忘れたが、政庁南門を出た大路では、全体きらびやかに飾り立て城下町に生まれ変わり、幼少期のおとわが町の賑わいの中はしゃいで歩いている光景を撮影したとのこと。
母のお目当ては、こちら藤のトンネル。「えさし藤原の郷」の一番奥にあり、そこまで軽く汗をかきながら歩く。もうすぐ80歳にして健脚の母は軽々。
ピンク、薄紫、白とグラデーションを成して、ほのに藤のいい香りが漂うトンネル。見上げると昼の太陽が透けて色鮮やかな藤の花が眩しい。
こちらは、期間限定で夜にライトアップもされるとのこと。夜にも来て見たかったな。
なだらかな下り坂を降りていくと城柵ゾーンの前のため池に可愛い睡蓮の花が沢山咲いていた。
睡蓮の花の花言葉は数々あるようだが、その中でも「純粋な心」、「清浄」というものに惹かれる。特にピンクの睡蓮は「信頼」だとか。ここでもやはり春馬くんのことを考えてしまう。
「えさし藤原の郷」の出口近くにロケ資料館があり、そこにはこれまでの歴代大河ドラマの撮影写真や秘話が展示されていてかなり見ごたえがある。
大河ドラマ好きの人なら、この資料館だけで半日は必要だと思う。
『おんな城主直虎』は、「えさし藤原の郷」撮影の大河ドラマとしては14番目とのこと。
撮影秘話のポスターが展示されていて、当時延べ369名の地元エキストラを動員しての撮影だったと知った。こののどかな田舎まちにして、大河ドラマの撮影はまさに町を挙げてのイベントなんだろうな。
館内の一番奥に小さなモニターがあり、そこで数々の大河ドラマの撮影風景が流れていた。私がそこを通りかかった時ちょうど第5回「亀之丞帰る」の春馬くん扮する亀之丞が井伊家に帰還するシーンの撮影風景が流れていて、思わず「うわ~っ!」と声を上げて駆け寄ってしまった。あのシーンは「えさし藤原の郷」ではなく、そのの奥州市江刺の藤里という場所がロケ地だとのこと。田舎の田園の中に大々的なセットを作り、これまた地元エキストラを動員して行われた撮影だったようだ。
その地に行ってみたいな、とも思ったのだが、歩き疲れた母がもう飽き飽きしていて「まだ~?コーヒー飲みたい」と催促されたので、泣く泣く「えさし藤原の郷」を後にした。
いいもん、またいつか行ってみるもん。
ちなみに、このモニター前の壁面にも歴代大河ドラマキャストの方々のサイン色紙が飾られており、そこに春馬くんのサインもあった。こちらのサインには春馬くんお得意の誤字なかったです。
私は、今までそれほど春馬くん所縁の地を訪れる春活というものをして来なかったんだけど、この日は通る道、目にする風景すべてに「あ~、ここ春馬くん通ったのかな」とか「あ~、ここ春馬くん見たかな」とか、ずっと春馬くんの存在を感じながら過ごしそれはそれは切なくも嬉しい時間だった。
後日、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第20話「帰ってきた義経」が放送され見た。先日「えさし藤原の郷」で見た義経、弁慶や藤原秀衡、泰衡の像を思い出した。あまり気を付けていなかったが、この回もあの「えさし藤原の郷」で撮影されたものだろうか。
私は、大河ドラマにはあまり精通していないのだが、大河ドラマファンの方々はこのテーマパークは、めちゃくちゃ楽しめる場所だと思う。
時期はやはり桜満開の4月下旬か、緑鮮やかな5月か、または紅葉の時期10月くらいが美しいのではないかと思う。
私も、また今度は飽きてしまう母とではなくじっくりと行ってみたい。
東北にも日本製取材地など春馬くん所縁の地がいっぱいあるので、そちらも追々楽しみたいなと思った。