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“始末人はえぇ米食う“〜米不足を実感したランチタイム

桂枝雀の落語「八五郎坊主」。秋の噺として一度紹介したが、話の冒頭、坊主志願の八五郎が甚兵衛さんのところにやって来る。寺への推薦状を書いてくれと頼むのだが、手紙を書いた甚兵衛さん、八五郎に台所から飯粒を取ってきてくれと指示する。手紙に封をするための糊の代わりである。

台所に入った八五郎、炊き立てのご飯を前にして、思わず盗み食い。そこで、「“始末人はえぇ米食う“というけれど、ほんまやな」とつぶやく。美味しいご飯があれば、おかずは選ばない。その分、節約できるということである。“始末“は大阪では“節約“という意味がある、念の為。

その米が不足していると言う。我が家は、夕飯にご飯を食べる習慣がない。お酒優先である。さらに、妻はオートミールを常用、私も月に1・2回、週末に二合のご飯を炊き、それを4回に分けて朝か昼に食べる程度である。

したがって、米不足と言われても、お米を買うことがほとんどないので、実感がわかなかった。

ところが、先日会社近く、丸の内の居酒屋でランチを食べた。海鮮の定食が美味しいので、定期的に通う店である。焼き鯖と刺身の定食を食べた。鯖も刺身も美味しいのだが、ご飯の質が落ちている。八五郎が言うように、どんなに美味しいおかずでもご飯が駄目だと台無しである。

これは、米不足・価格高騰の影響ではないだろうか。

翌日は有楽町に出て、銀座インズのレストラン街に入った。私はサンマが大好きなのだが、ここ数年は漁獲量がふるわず、値段も高止まりしている。おかげで、サンマの塩焼き定食を出す店を見かけなくなった。

今年は多少価格が下がっているという報道もあり、もしや出している店があるのではと見て回った。すると、一軒の店頭に「サンマ塩焼き定食(数量限定)」とあるではないか、しかし値段は1800円! 普通の定食は1100円程度の店である。

こちらも定期的にお邪魔する、満足度の高い店でもあるので、思い切ってサンマに飛び込むことにした。登場したサンマは、1800円にしては型が細いが、スダチが添えられているのに好感。サンマと白いご飯、最高のコンビ、そしてご飯は、通常通り美味しい。

よかった、よかった。顔を上げると、カウンターに“9月よりご飯のお代わりは有料となります“。

なるほど、やはりここにも米不足の波が。もちろん、私にはお代わり必要ないので影響はゼロですが

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