ゴキブリを調べる〜「山下達郎サンデー・ソングブック」を聴取して
9月17日放送の「山下達郎サンデー・ソングブック」を聴いていたら、こんなお便りが読まれていた。
“家の中で、ゴギブリを退治できるのは私だけなので、就寝中にゴキブリが出演すると、家のものから起こされます。抗議しても、まったく聞き入れてくれません。 ところで、“ゴキブリ“が登場する曲なんてあるのでしょうか“
こんな趣旨だったと思う。これに対して、達郎は“歌詞ではなく、バンド名で“と話し、オーストラリアのThe Cockroachesの“You and Me“という楽曲を流しました。曲が終了後、“知人から聞いたのだが、オーストラリアの『コックローチ』は、日本のゴキブリとは若干違い、家で飼う人もいる“といった話をしていた。
なるほどと思い、“cockroach“を辞書で引いてみた。英和辞典は“ゴキブリ“、そしてその種類が羅列されているのがほとんど。そこで、オックスフォード新英英辞典を調べた。すると、こう説明されていた。拙訳でご紹介する。
<カブトムシのような廃棄食物を食する昆虫で、長い触覚と足を持つ。熱帯性のいくつかの種類は、世界中で家庭内における厄介者(原語:pests)としての地位を確立している>
なるほど、日本で通常見かけるゴキブリは、熱帯性のもので、オーストラリアにいるのは、“厄介者“、害虫という存在ではないのかもしれない。
ふと思い出したのだが、大阪ではゴキブリは“あぶら虫“ともいった。
あのねのねの“赤とんぼの唄“ 、この歌詞はこうである。
🎵 赤とんぼ 赤とんぼの羽を取ったら あぶら虫
あぶら虫 あぶら虫の足を取ったら 柿の種🎵
達郎さん、ゴキブリの登場するいい歌あったじゃないですか(笑)。
もう一つ思い出した。実家の祖母は、“ごっかぶり“と呼んでいた。子供の頃は、「妙な呼び方だなぁ」と考えていたが、実はゴキブリの語源ではないかと調べてみた。
広辞苑第七版の「ゴキブリ」の項目を見ると、<ゴキカブ(御器嚙)リの転>とあった。“ゴキカブリ“がもとで、祖母はそれを促音化して“ゴッカブリ“と読んでいた。これらが転じて、“ゴキブリ“になったのだ。
ところで、「御器」とは?
広辞苑によると、<食物を盛る蓋つき椀>。つまり、お椀に残った食物を“嚙る〜かぶる“、さらにお椀までかじる貪欲さから、あの茶色い厄介者の昆虫は、“ゴキカブリ“と呼ばれたのだ。
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ん、日本語「語源」辞典(学研)の「ゴキブリ」の項目にも、<器をかじることから>と書いてあるが、本当に食器までかじるの? 我が家では幸い、お椀が知らない間に欠け、「これ、きっとゴキブリがかじったんだ」といった会話を交わしたことはない。
一つ賢くなった。しかし、私はゴキブリが大の苦手である
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