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「カムカムエヴリバディ」もいよいよフィナーレ〜父と観た「黄金狂時代」

NHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」も、残すところあと3週、いわゆる“伏線回収“に入っている。

その一つが、るいの叔父算太(濱田岳)の出現、これをきっかけにるい家族は故郷の岡山へと誘われる。

かつてチャップリンの映画「黄金狂時代」に感動した算太は“おはぎのダンス“を演じるが、今回は本来の“パンのダンス“を演じる。

私が子供の頃、父親はいつも忙しそうで、一緒に何かをした思い出は少ないのだが、その一つがチャップリンの映画である。

私が小学生の頃、チャップリン映画のリバイバル・イベント、「ビバ!チャップリン」が開催され、恐らくほとんどの作品が上映されたのだと思う。

父が連れて行ってくれたのは、「モダンタイムス」「ライムライト」そして「黄金狂時代」だった。

「黄金狂時代」には忘れられないシーンが3つある。

一つ目は、前半、金鉱を求めて雪山に行ったチャップリン、吹雪の中、相棒の太っちょと山小屋に閉じ込められるシーン。食べるものがなくなったチャップリンは、靴を片方脱ぎ、それを茹でて分解し、食べるのである。靴ひもはスパゲティのようにフォークに巻き付けて食す。極限状態をコメディとして演出する、見事な情景である。

二つ目はクライマックス、再び雪山に戻ったチャップリンと太っちょだが、激しい天候で山小屋はあわや崖から落ちんとする場面。

そして、三つ目が“パンのダンス“のシーンである。一目惚れした女性をディナーに招待したチャップリンが、彼女の来訪を待つ間、妄想の中で演じたエンターテイメントである。

「カムカム」は、このチャップリンの有名なシーンを算太に再度演じさせることにより、観るものは過去の算太についてフラッシュバックする。見事な演出だと思う。

この後、るいは岡山で、演者が岡田結美から多岐川裕美へと変わった、雪衣に再会する。算太がかつて思いを寄せた女性である。当時、算太が雪衣に花を捧げるシーン、あれはチャップリン「街の灯」を想起させたものだった。

さて、上白石萌音が演じた安子はどのように再登場するのだろうか


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