ありがとうKISS!!〜正真正銘!!大千秋楽!@東京ドーム
1977年3月、KISS(キッス)が初来日した。中学3年生の私は、ファンクラブにも入っていた。送られてきた会報に掲載されていた、アメリカ/アナハイムでのライブ・レポートを繰り返し読み、その来日を楽しみにしていた。
前年1976年、KISSは新境地とも言える「地獄の軍団(Destroyer)」を発表。”Detroit Rock City”を含む、ドラマ性のあるコンセプト・アルバムだった。さらに同年、原点回帰とも言える「地獄のロックファイアー(Rock and Roll Over)」をリリース、絶好調と言えた。
私と友人はコンサート前日、当時外国人アーチストの宿泊場所として定番とされた大阪コクサイホテルの前をウロウロとしていた。会えると思ったわけではないが、KISSが泊まっている場所の近くを訪れるだけで満足だった。すると、玄関から背の高い2人の外国人が出てきた。まさかと思ったが、ノーメイクのポール・スタンレーとジーン・シモンズだったのだ。我々はサインをもらおうと近づき、2人も中坊のアプローチにフレンドリーに対応しようとしてくれた。しかし、側についていた屈強なボディガード2人が押しとどめ、我々は退散するしかなかった。そのコンサートでは、もちろん大興奮だった。
そんな初来日から、なんと45年以上の時が流れ、中3だった私は還暦を迎えた。27歳だったジーンは73歳になった。そして、今度こそ本当に最後と思われる来日コンサートに、お互い元気で参加することができた。もちろん、彼はステージの上だが。
KISSからは離れた時期もあったが、1996年オリジナル・メンバーでの再結成ツアーをロンドン/ウェンブリー・アリーナで、2015年の来日を東京ドームで目撃し、新しい楽曲はあるものの、本質的に変わらないショーを楽しんだ。
そして、11月30日。ドームには意外にも若い人が多いが、もちろん我々世代、中には子供連れもいる。若者のみの45年前とは様変わりであり、チケット代も3000〜3500円程度から、S席20,000円となった。
Led Zeppelinの“Rock'n Roll“が流れる中、暗転し始まったコンサートは、やはり“Detroit Rock City“から。セットリストは、私らが喜ぶ古い曲から、"Psycho Circus“などのヒット曲をバランスよく網羅した。
ステージ上のポールとジーンは、私には何も変わらないように見える。精力的に動き回り、客席をあおるポール・スタンレー。火を吐き、口から血を垂らし、宙に上がるジーン・シモンズ。音楽は、誰にでも分かりやすく楽しめる楽曲が中心。ロック・コンサートをエンターテイメントとして一流のものに作り上げたKISSの功績は高く評価されるべきだ。
本編ラストは“Black Diamond“。ピーター・クリスがいないのは残念だが、1974年のデビューアルバムに収録され、終始KISSの代名詞となった名曲である。
そして、最後は当然”Rock and Roll All Nite”!。ステージから大量の紙吹雪が噴射され、最後のロックンロール・パーティーはクロージングとなった。
45年前のあのコンサートで大いに楽しんだ結果として、私は数多くのステージを体験できた。ロック・ミュージックへ、そしてコンサート・パフォーマンスへの入り口を提供してくれたKISS。改めて感謝したい、ありがとう!! お疲れさま!
*もっと良い動画がアップされていると思いますが、記録として私のものを掲載します