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旅の記憶31〜ワシントンDCとニューヨークで観たNBA(その1)

「リディーム・チーム」について書きながら、アメリカでNBAの試合を観ることができた経験を思い出した。NBAのみならず、私にとって初めてのバスケットボール観戦だった。

アメリカ出張、行き先はワシントンDCだった。DCはニューヨークとは違い、夜のエンタメが豊富なわけではない。調べると、NBAの試合があった。DCのチームはワシントン・ウィザーズ、1980年代以降は低迷していたチーム。八村塁が、レイカーズ移籍前に所属していたチームである。

しかし、この時のウィザーズはちょっと違っていた。2000年にマイケル・ジョーダンが共同オーナーとなり、2001年にはジョーダンが現役復帰しウィザーズでプレイ、ジョーダン見たさに私は試合を観戦した。2002年12月10日、対戦相手はポートランド・トレイルブレイザーズ。ウィザーズの試合のチケットは容易に入手でき、せっかく観るのならと、ゴール後方、コートに近い良い席をゲットした。

ジョーダンは活躍していたものの、そのプレーからはかつてのオーラを感じ取ることはできなかった。トロントの中心選手はスコッティ・ピッペン、ジョーダンと共にシカゴ・ブルズの二度の三連覇を果たした選手である。

結果的には、この二人が直接対戦したのは、この試合が最初で最後となった。その意味では貴重な体験だったわけだが、私はNBAの試合におけるファンサービスに感服した。

NBAは4クォーター制だが、その間を含めたプレー中断の時間、TV観戦者がCMを見ている間、生観戦で会場にいるファンを飽きさせないよう、さまざまな“イベント“が繰り広げられる。

チアリーダーのパフォーマンスは当然ながら、子供用のゴールバスケットが登場して、ちびっこダンク・コンテスト。観客席のカップルがスクリーンに大写しにされキスを迫られる、“キッシング・タイム“。極め付けは、ロボットの扮装をした人が数人登場、手にはエア・バズーカを抱え客席に対して弾丸を発射する。弾丸はTシャツの入ったパックで、観客は打ち込まれたものを取り合う。相当なパワーなので、2階席まで発射できる。

スポーツをエンタメととらえ、観客を徹底的に楽しませる。そんなアメリカ人の執念を感じたワシントンDCの夜だった。

考えてみたら、この翌年2003年のアテネ・オリンピックでアメリカは金メダルを逃す。次に私がNBAの試合を見たのは、「リディームチーム」後の2016年だった




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