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「新世紀エヴァンゲリオン」劇場版〜“エヴァをめぐる冒険“(その2)

TVシリーズ版に続いて、劇場版である。前回書いた通り、TVシリーズは24話までは普通に進行するが、25・26話は結末を示すことなく、登場人物の内面が提示されて終わる。1996年当時、TVで見ていた人は、強烈な唐突感を感じただろう。

そして作られたのが劇場版「新世紀エヴァンゲリオン」である。Netflixでは「DEATH (TRUE)2 」と「Air/まごころを、君に」 の2本が配信されている。どちらから見たら良いのか分からないので、調べてみると、劇場版には若干の変遷があるものの、最終形として同時上映されたのが両作で、前者が先、後者がTV版で描ききれなかった結末のようだ。

「DEATH (TRUE)2 」は、TVシリーズのダイジェストである。24話分を90分弱にまとめているので、これだけ見ても、何のことかさっぱり分からないのではないだろうか。「Air/まごころを、君に」を観るにあたって、TVシリーズを見たことを前提にした復習という位置付けに思えた。

したがって、これから観る方は、まずTVシリーズ版を見て欲しい。

そして「Air/まごころを、君に」である。不思議なタイトルだと思っていたが、映画を見始めて分かった。プロローグが終わると、画面には“第25話 Air”と映し出される。つまり、放り出した感じで終了したTVシリーズの最後の2話をリメイクした作りとなっている。

TV版の25話のタイトル“終わる世界”は“Air”に、26話“世界の中心でアイを叫んだけもの”が“まごころを、君に”へと改題されたわけだ。“Air”の意味するところは、劇中でバッハの「G線上のアリア」が流れて判明する。アリアは英語で“Air”である。オペラにおいては、アリアは聞かせどころであり、第25話はシリーズ全体の中での見せ場であることを意識したのではないだろうか。

25話は、活劇としての「エヴァ」の集大成のような回になっており、様々な戦闘シーンが繰り広げられる。当然ながら、アニメとしてのクオリティは、TVシリーズとは比較にならないレベルになっており、美しい画面となっている。

そして、最後の26話はやはり内省的な側面がクローズアップされ、焦点は碇シンジにあてられる。私の解釈は控えるが、非常に面白い作品だった。「新世紀エヴァンゲリオン」が話題になった理由がよく分かった。

未来世界における戦い、人型の兵器とパイロットがシンクロすることによりパワーを発揮するという形式をとっているが、提示されているのは、人間としての普遍性のあるテーマだと感じる。それ故、多くのファンを惹きつけたのだろう。

「エヴァ」シリーズ、さらに掘り下げたくなった。次は、新劇場版である


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